京都 洛北の時計師 修理日記

時計修理工房「ヌーベル・パスティーシュ」京都の洛北に展開する時計修理物語。
夜久野高原で営業再開しました。

時計師の京都時間

2014-12-18 09:08:36 | 時計修理

12月18日木曜日。
明日「納め甲子大祭」左京区・松ヶ崎大黒天で開催されます。いよいよ今年もあわただしくなってきました。
写真は中央図書館の時計台。
昨日図書を借りると返却日は来年の7日になる。3週間借りられるのでお得?
上限の10冊元気に借り出してきました!
気象庁のいい加減な暖冬予測に逆目を張って冬ごもり態勢を強化します。

「女性とチェロは冷やすな!」「女性と時計は冷やすな!」の格言はどちらも正解!
京都では町屋の冬の厳しさは有名です。
掛時計が止まった!とこの時期修理依頼が多い。ちょっと待ってくださいね~!
気温が下がると電圧も下がるので止まる。
「私ゃ~札幌育ちだ。札幌でもこんなことはなかったぞ!」とクレーム。私も札幌に時計店を造ったがこんなクレームはなかった。
京都独特の修理依頼で、家屋の造りが違うのです。

北海道の家屋は冬に備える密閉型です。京都は夏に備える開放型なので時計に冷たい環境なのです。
冬場に掛け時計が狂ってきたら電池を入れ替えて暖かい部屋に入れてください。
「時計と女性は冷やしてはいけない!」

先日フルートの演奏家とジョイントしましょうとのオファーがありました。
私が夜間チェロの練習をしているのを聴いてのお申し込みなのでへたくそを承知の上か?
初めにバッハの無伴奏組曲一番プレリュードを48のゆっくりしたスピードで5回ひく。
一音一音確かめながら弾くので聴き心地がよいのでしょうか?ありがたい申し込みです。

ところが私のチェロ吉君は寒さに弱い!
室温が10度を切ると途端にヒステリックになる。ウルフ音といってまともな音が出ないのです。
ストーブ2台で部屋を暖めるところから始めると時間がかかる。練習が始められるまで他の楽器の人たちに迷惑をかけるのです。
オッファーのフルートなど寒さに強い楽器の人たちにはこの苦労がわからないのか待っている間に機嫌が悪くなる。
パートナーには気が長い人でないと勤まらない。

ハープとチェロが仲良しなのはお互い長い弦で気温に泣かされている同志で苦労がわかるからなのでしょうかね~?
「サンサーンス・白鳥」などうっとりしてしまう。そのうちどこを弾いているのかわからなくなって譜面迷子が発生するのです。

最後に「京おんな」を冷やしてはいけない!
冷え性の人が多いのだ!寒い京町屋で育った人は寒さに強いが限界がある。
今朝の洗面台には雪が降り積もっていました。
自宅にお風呂がない家屋も普通に多いので銭湯帰りには冷たくなっている。
これで冷え性にならないほうが不思議だ。
マンション住まいの人には想像もつかない環境なのでおじゃ~る~。

ところが「懐石料理」は寒い冬の家屋で頂くのがちょうどいい。
札幌の冬に良く見かけたTシャツ一枚になって汗をかきながら食べるシーンには京料理は似合わない。
また、家族全員が一つの部屋に集まってごそごそと寄り添う風景もいい。
京都に戻ってちょうど10回目の冬。
今日は帰りに日本酒を買って帰ります。
最近、西陣にあるスーパー「フレスコ」で日本酒の品揃えのすごさを発見!
へたな酒屋より種類が多いのです。賀茂鶴、剣菱など地方の銘酒も見つかる。出来れば「岩手川」「刈穂」など東北のお酒もあったらいいね~?

さっさと日本酒を買って嫁さんと娘を暖めましょうね!
おかげで私の財布は真冬の寒さだ!
今日もとっとと仕事を始めましょう。






コメント
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