9月7日は作家、島木健作が生まれた日(1903年)だが、シンガーソングライターの長渕剛(ながぶちつよし)の誕生日でもある。
長渕剛は、1956年、鹿児島の日置で生まれた。鹿児島の高校生だったころから大学の学園祭のステージに立っていた。友人とフォークデュオを組んで活動した。
九州の大学の芸術学部に進んだ彼は、大学に籍をおきながら、夜の繁華街のバーやライブハウスでオリジナル曲を歌うようになった。飲み屋では、知っている演歌を歌えと叫ぶ酔客にからまれ、ひどい野次を浴びながらの壮絶なライブだったらしい。
20歳のとき、ヤマハのポピュラーソング・コンテスト(ポプコン)に出場して入賞。「雨の嵐山」でデビューを果たした。すぐには売れなかったが、22歳のとき「巡恋歌」で再デビューし、自分で作詞作曲した曲をギターで弾き語りし、たったひとりでステージを務めるというスタイルのミュージシャンとして活動。
23歳でアルバム「風は南から」を発表。硬派のシンガーソングライターとして脚光を浴び、ラジオのパーソナリティにも進出した。
そして、24歳の年に発売した「順子」が大ヒット。同曲でオリコン・チャートの第1位を獲得。以後「乾杯」「とんぼ」「しゃぼん玉」などの名曲を発表し、活躍を続けている。
長渕剛の出世作「順子」がナンバーワンになったときのことを、よく覚えている。
そのころヒットとはあまり縁のなかったデヴィッド・ボウイが、めずらしくシングル「アッシェズ・トゥ・アシェズ(Ashes to Ashes)」で英国チャートのナンバーワンになった。同時期、全米チャートではクリストファー・クロスの「セイリング(Sailing)」が1位。そして、日本では長渕の「順子」が1位になった。
姫路出身の長渕剛ファンの友人がいて、薦められて、長渕のアルバム「逆流」をカセットに録音してもらい、繰り返し聴いていた。
当時、長渕剛は「ニューミュージック界でもっともギターが上手い男」と言われていた。
近年のAKB48や嵐とは、長渕剛はまったく対照的なアーティストで、時代を感じる。
前者は、作詞、作曲、衣裳デザイン、振り付け、曲演奏がすべてべつの人がやっている巨大なシステムで、本人たちは教わった通りに歌って踊るだけの純粋なアイドル(偶像)である。とくにAKB48など人数がハンパでなく、ちょっと待ち合わせするだけでもそうとう大変にちがいない。
一方、長渕剛は自作自演で、ギター一本持って本人がやってくれば、それで待ち合わせはOK、ステージが務まってしまう。
長渕剛のアルバムのタイトルナンバー「逆流」が好きで、いまだに録音してもらったテープを大事に持っていて、ときどきかける。
「一歩前のこの道をゆかなければ。だって僕は僕を失うために生きてきたんじゃない」
という一節は、いまでも心に痛く響く。
(2024年9月7日)
●おすすめの電子書籍!
『世界大詩人物語』(原鏡介)
詩人たちの生と詩情。詩神に愛された人々、鋭い感性をもつ詩人たちの生き様とその詩情を読み解く詩の人物読本。ゲーテ、バイロン、ハイネ、ランボー、ヘッセ、白秋、朔太郎、賢治、民喜、中也、隆一ほか。彼らの個性、感受性は、われわれに何を示すか?
●電子書籍は明鏡舎。
http://www.meikyosha.jp
長渕剛は、1956年、鹿児島の日置で生まれた。鹿児島の高校生だったころから大学の学園祭のステージに立っていた。友人とフォークデュオを組んで活動した。
九州の大学の芸術学部に進んだ彼は、大学に籍をおきながら、夜の繁華街のバーやライブハウスでオリジナル曲を歌うようになった。飲み屋では、知っている演歌を歌えと叫ぶ酔客にからまれ、ひどい野次を浴びながらの壮絶なライブだったらしい。
20歳のとき、ヤマハのポピュラーソング・コンテスト(ポプコン)に出場して入賞。「雨の嵐山」でデビューを果たした。すぐには売れなかったが、22歳のとき「巡恋歌」で再デビューし、自分で作詞作曲した曲をギターで弾き語りし、たったひとりでステージを務めるというスタイルのミュージシャンとして活動。
23歳でアルバム「風は南から」を発表。硬派のシンガーソングライターとして脚光を浴び、ラジオのパーソナリティにも進出した。
そして、24歳の年に発売した「順子」が大ヒット。同曲でオリコン・チャートの第1位を獲得。以後「乾杯」「とんぼ」「しゃぼん玉」などの名曲を発表し、活躍を続けている。
長渕剛の出世作「順子」がナンバーワンになったときのことを、よく覚えている。
そのころヒットとはあまり縁のなかったデヴィッド・ボウイが、めずらしくシングル「アッシェズ・トゥ・アシェズ(Ashes to Ashes)」で英国チャートのナンバーワンになった。同時期、全米チャートではクリストファー・クロスの「セイリング(Sailing)」が1位。そして、日本では長渕の「順子」が1位になった。
姫路出身の長渕剛ファンの友人がいて、薦められて、長渕のアルバム「逆流」をカセットに録音してもらい、繰り返し聴いていた。
当時、長渕剛は「ニューミュージック界でもっともギターが上手い男」と言われていた。
近年のAKB48や嵐とは、長渕剛はまったく対照的なアーティストで、時代を感じる。
前者は、作詞、作曲、衣裳デザイン、振り付け、曲演奏がすべてべつの人がやっている巨大なシステムで、本人たちは教わった通りに歌って踊るだけの純粋なアイドル(偶像)である。とくにAKB48など人数がハンパでなく、ちょっと待ち合わせするだけでもそうとう大変にちがいない。
一方、長渕剛は自作自演で、ギター一本持って本人がやってくれば、それで待ち合わせはOK、ステージが務まってしまう。
長渕剛のアルバムのタイトルナンバー「逆流」が好きで、いまだに録音してもらったテープを大事に持っていて、ときどきかける。
「一歩前のこの道をゆかなければ。だって僕は僕を失うために生きてきたんじゃない」
という一節は、いまでも心に痛く響く。
(2024年9月7日)
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