1日1話・話題の燃料

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著書『芸術家たちの生涯』
『ほんとうのこと』
『ねむりの町』ほか

4月17日・J・P・モルガンの二つの理由

2014-04-17 | ビジネス
4月17日は、世界初の女性首相、スリランカのシリマヴォ・バンダラナイケが生まれた日だが、実業家、J・P・モルガンの誕生日でもある。

ジョン・ピアポント・モルガンは、1837年、米国コネチカット州ハートフォードで生まれた。父親は銀行家で、母親は牧師の娘だった。
ジョンは生涯を通じて、英国国教会の流れをくむ米国聖公会のメンバーだった。
高校卒業後、ヨーロッパで教育を受け、フランス語とドイツ語を身につけた後、20歳のとき、父親の銀行の英国ロンドン支店に就職した。
21歳で米国ニューヨークへ移り、23歳でJ・P・モルガン・アンド・カンパニーを設立。この会社が、ほかの銀行と提携、合併などをへて、現在のJPモルガン・チェースへとつながっていく。
モルガンは、32歳のころから、鉄道業界に参入した。強力な資金調達力にものを言わせて経営困難におちいっている鉄道会社を買収し、経営のてこ入れをして再建した。多くの投資家がモルガンを評価し、彼に追随するようになり、40代のころには、モルガンの経済界における影響力は連邦政府よりも強大だと言われた。
金を買いつけて米国政府の危機を救い、鉄鋼業界を再編してUSスチールを設立し、企業合併を勧めて現在のゼネラル・エレクトリック社を作り、米国の金融界、産業界を支配する最大の財閥を作り上げた。
事業のかたわら、美術品、宝石の収集や、博物館や美術館、各種学校の後援に力を注いだ後、1913年3月、イタリアのローマで没した。75歳だった。
彼が没した当時、J・P・モルガン・アンド・カンパニーの資産は、米国のミシシッピ川以西にある22州の合計と同規模だと評価された。

モルガンは、鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーと同時代の人物で、カーネギーから鉄鋼会社を買いとって、製鉄業界の再編をした。

南北戦争当時、北軍側には徴兵制があったが、お金を払って代理人に兵役についてもらうことが可能で、カーネギーや、後に大統領になったアーサー、クリーヴランドと同じく、モルガンもお金を払って、代わりの者に戦地へ行ってもらった。

モルガンは、よくも悪くも、現代の銀行がおこなっている金融資本による企業支配のスタイルを作り上げた人物である。強引な剛腕をふるったけれど、それだけではない、ピューリタン(清教徒)らしい社会奉仕的な考えももちあわせていた人だと思う。

モルガンは言っている。
「人はなにかするとき、二つの理由をもっているものだ。一つは、よい理由。もう一つはほんとうの理由である。(A man always has two reasons for doing anything: a good reason and the real reason.)」(Brainy Quote: http://www.brainyquote.com)
現代の日本人ビジネスマンのまずいところは、逆で、ほんとうの理由一つだけで行動に走りがちな点ではないだろうか。「よい理由」も用意しておかないと。
(2014年4月17日)


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