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夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

表具改装完了 三保の松原富嶽図   狩野了承筆

2013-09-18 05:14:04 | 掛け軸
本作品は購入時の状態が良くないので、軸先は改装前のままのものを用い、太巻き二重箱にして改装しました。依頼してから一か月以上かかったように思います。

三保の松原富嶽図   狩野了承筆
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱 
全体サイズ:縦1362*横695 画サイズ:縦468*横670

ここまで費用と手間をかけるのには理由があります。

1.小生と同じ東北出身で、同じく江戸(東京)に上京し、さぞかし苦労したろうと推察されること
2.あまり知れない画家であり、逆に希少価値があること
3.本作品が三保の松原を描いという保証はありませんが、本年、三保の松原と富士山が世界遺産に登録されたこと

以上のことから大枚を費やして改装しました。写真ではそれほど痛んでいないように思えますが、実際は掛けて鑑賞するには師匠のあるほど傷んでいました。


改装前、そして改装後。



経過した年数を考慮し、また着色、絹本ということから太巻きの収納としました。



古いままの保存がいいという方がおられるかもしれませんが、それは掛け軸の場合はよくありません。



国宝級でも定期的に裏打ち換えはしています。絵を保存すると言うのは手間と資金とそして技術がいることなのです。



富岳の描き方には明らかに前回述べたように狩野派ということもあり、雪舟の作品の影響が出ています。



伸びやかな人々の生活のありようが本作品からうかがわれます。人はなくなっても作品は残り続けてほしいものです。



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