
当方の書斎に飾っているお気に入りの逸品・・・。

福田豊四郎は郷里に近い十和田湖を題材にした作品を数多く描いていますが、独特なブルーを主体にして描いた晩年に描いた十和田湖の作品は人気の高い作品です。

当方では似たような構図の作品を色紙の作品を含めて数点所蔵していますが、本日紹介する作品は小品の多い晩年に描いた作品の中で少し大きめの作品となります。

お気に入りの逸品 十和田湖首夏 その4 福田豊四郎筆 その184
紙本着色額装 共シール 黄袋+タトウ
P10号 全体サイズ(額サイズ):横705*縦580 画サイズ:横525*縦400

抽象的な作品の多い晩年の作品ですが、十和田湖を描いた作品はあくまでも若い頃に描いたものに近いものがあります。

このような作品は人気が高かった思われ、所望される方も多かったようです。郷里の骨董店にも似たような作品があったのですが、他の方に買われてしまいました。お値段は20万円ほどであったようです。

額の裏面は痛んでおり、タトウや黄袋もなかったのですが、当方で誂えています。

全布のタトウは世界堂の作が一番上等ですし、お値段が安いようです。ただ世界堂はチェーン店ですので、細かい作業、蒐集家が一番やってほしいことはやってくれません。チェーン店ですので、規則があったり、本当に蒐集家がメンテしたいところは作業を受けてくれません。あくまでも量販店と考えたようがしいようです。
*なお全布のタトウは段ボールの外箱があったほうがいいでしょう。とくに重量のある作品は全布は痛みやすいし、どうしても引き出す時に痛むからです。世界堂はこの段ボール箱が付いていて廉価です。

本作品も本当にメンテが必要なところは神田の草土舎に依頼してメンテしてもらいました。たとえばいくら額装の作品でもガラスやアクリルの内側は清掃しないと醜くなります。裏板を外してもとに戻すことやさらに油彩の作品を釘で固定するなどの簡単な作業でも世界堂は作業をしてくれません。

共シールのない作品ですが、福田豊四郎の晩年の作品に相違ありませんね。

似たような構図というより、ほぼ同じような作品で当方の所蔵作品では下記の作品があります。そのため本作品は「その4」としています。
山湖首夏 その1 福田豊四郎筆
絹本着色額装 共シール F8号 誂タトウ+黄袋
全体サイズ(額サイズ):横620*縦550 画サイズ:横455*縦380

下記の作品は最も出来の良い作品となりでしょう。
十和田湖首夏 その3 福田豊四郎筆
紙本着色額装 共シール 黄袋+タトウ
F8号 全体サイズ(額サイズ):横652*縦576 画サイズ:横445*縦370

十和田湖では珍しい流木が描かれており、大雨の後かな??
展示室には同郷の伊勢正義の作品(下記写真中央)や平福百穂(右奥の掛け軸)らと同時に展示しています。

私の蒐集のミッションは郷里の画家の埋もれている作品の蒐集・・。
ちなみに蒐集を相続対策や財テクと同じに考えてはいけませんね。さらに余談ですが「本当のお金持ちは車や時計には一切の興味を示さない。ただ住むところにはお金をかける。」とか・・・。