2014任天堂ガッカリニュース その16:クラブニンテンドーのランクシステム終了
先月発表されたこれは、多くの任天堂ファンを落胆させた。ちなみにその16というのはテキトーだ。探せば残り15個も多分見つかるだろう……。
クラニンランクシステムは「サービス」であり、任天堂の厚意で存続していたものだ。残念なのは当然だが、不平を言うのは筋違いであろう。
だが任天堂がランクシステムを止めるのも自由なら、それにより積極的に任天堂製品を買わなくなるのもユーザーの自由である。
そのマイナス効果は間違いなくあるだろう。俺にもある。以前までと違い、予約ボーナスで積極的にポイントを求める気持ちがすっかり失せた。
コストとユーザーの心情を天秤にかけて、任天堂はランク制存続のコストを取った。この判断はどうなのか。神のみぞ知るってとこか。はぁ。
てわけで終了なわけだが、今年(前年度)は記念すべき最後のランクプレゼントがあった。ありがとうクラニン、さようならクラニン。
で……これまたガッカリ。16から間髪入れずにガッカリニュースその17はやってきた。話題を途切れさせない任天堂、今年の景品はカレンダー!
……ま~たかよ。まぁ少しは嬉しいけど、最後なんだからもうちょっと豪華なもんをさぁ。……ユーザーの声はこうだったのではないか。
そんなユーザーの溜息が漏れ聞こえる中……俺は1人脂汗をかいていた。もう一つのプレゼントに。殆ど誰も存在を気にしてないDLソフトに。
「クラブニンテンドーピクロス プラス」。地味なシステム地味な内容、最後のクラニンランクプレゼントしても非常に地味なDL専用ゲームソフト。
だがそれは、俺を僅かながら、しかし割と本気で怖がらせた。思考型パズルゲームがやってきた。あの知恵と絶望の日々がまた始まる……!?
今作は一応、2年前の「クラブニンテンドーピクロス」の続編である。前作もクラニン提供だが、ランクではなくポイント交換DLソフトだった。
「ピクロス」自体は20年以上前のGB版から続く、任天堂定番中の定番パズルゲームである。任天堂が編み出したパズルなのかは知らんけど。
そしてゲームルールは初代から全くと言っていいほど変わっていない。変える余地がなく、変える必要もない。ピクロスはピクロスでしかない。
本来紙の上で遊ぶパズルであり、テレビゲーム化はお手軽化やボリューム増の意味があった。紙だと間違ったらやり直すだけでも大変だしな。
内容の変化がない分、ゲームの快適さ、インターフェースに関しては、シリーズを重ねる毎に進化し、今や究極に近い出来栄えであると思う。
プレーしていてストレスは殆どない。それほど「凄い!」と褒めるようなもんではないかもしれんが、まぁ快適で悪いわけがない。遊びやすいよ。
前作と同様、絵柄は全て任天堂に因んだものになっている。ゲームキャラはもちろん、ゲーム機、花札や麻雀なんてのも。
グラフィックは立体視に対応しているが、まぁ別にそれで嬉しいわけではない。ドット絵としては荒いので、完成品に魅力があるわけでもない。
まぁ、只管ピクロスを解くゲームである。当たり前だが。そしてその限りでは、存分に遊べる出来だ。ピクロスの塊のような作品である。
ピクロスの塊のようなゲームを前に、何をすべきか? ……そりゃ、只管ピクロスを解いていくしかないんだよなぁ……嗚呼……。
いつも通りだ。最初は5×5でアホほど簡単。誰にでも解ける。全方位に塗り潰すマスの情報が転がっており、どっからやっていくか迷うほどだ。
中盤、マスは10×10になり、やや歯応えが出てくる。しかしこの段階でも「なかなかやるな。ニヤリ」程度のことだ。本気になった俺の敵ではない。
思考型パズルゲームは「解く快感」を味わうものだ。ガンガン解ければ、気持ちいい。面白い。鼻歌が出る。「俺は賢い」と自信を持てる。
それは幸せな時間だ。自分の脳みそを肯定されることは、もしかしたら何よりも嬉しい事かもしれない。……日常生活では、ないしな。はぁ。
しかし、幸せな時間はいつまでも続かない。それまでは、要は幼児の遊戯を「上手いねー」「偉いねー」と褒められていたようなものだった。
人はいつまでも子供ではいられない。先に進めば、大人の世界が広がる。そして大人社会は、容赦も情けも一切なく、俺を苛むのだ……っ!!
はい、難しいよ、後半は。言うまでもないだろこんなこと。今作は前作よりボリュームが増しているので、難しい面の数も増えていた気がする。
終盤のマスは15×15、最大では15×20にまでなる。鼻歌やニヤケ面はとうに失せ、滴る脂汗が床を濡らす。どうすればいい? 何をすればいい?
埋めるべきマスが、分からない。神に祈るほど真剣に考えても、分からない。手詰まり。どうしようもない。バグってる。俺は悪くない。
しかし、そうではない。探せば必ず「確定」マスがある。それに気付く時の喜びは、それは大したものだ。思考の難産が報われる瞬間である。
……だが、一マス埋まったから、次々確定が見えてくるとは限らない。悪夢は続くのである。全てのマスが埋まる、その時まで。
一マスから雪崩式に全部解けることもないではないが、上位の問題に行くほど、そんな甘さは消えていく。難産を終えれば、更なる難産。
時間も気力もガンガン浪費する。やってることはアホほど地味なのに、心と頭の修羅場が続く。いやぁ、これは、本当に、難しいゲームだわ……。
前作は完全自力で最後まで頑張ったはずだが、今回は正直気力がもたなかったので、終盤で力及ばずと判断した時は、ヒント機能をオンにした。
情けないが仕方ない。ちとボリュームがあり過ぎた。まぁその分、芯から思考型パズルが好きな人にはたまらないゲームであろう。はぁ。
ヒントと言っても直接的に埋めマスを教えてくれるわけじゃなく、「この列には確定マスがあるよ」と表示してくれるというものだ。
従って列の中の確定は自分で探さねばならない。ちなみにこの辺の設定はいつでも変更可能。全部オンにすれば相当強引なプレーも可能ではある。
そしてヒントに従ってその列を見直せば……ああ、確かに、このマスは確定してるわ。俺が見落としてた。思考が足りなかった。甘かった。
やっぱりピクロスにハマリなんてないんだなぁ。確定を導く流れは意外と多彩で、頭は常に柔らかく保つ必要がある。本当に厳しい。
気付き難い確定の例は……そうだな
1 2 □□■□□□□□……
こういう行があるとしよう。ピクロスルール説明は略。■は既に塗られているとする。1と2が潰すマスの数だ。
この場合、■の正体が「1」なのか「2」なのかはまだ分からない。だからこれ以上は手を出せないように思えるが……
1 2 □×■□□□□□……
実は■の左に×が確定する。もし■が「1」なら言わずもがなだし、「2」ならその左に「1」が存在する以上、必ず隣は×になるからだ。
……人によっては「当然だろ」と思うかもしれんが、俺はこの定石を知った時、かなり目から鱗が落ちた。もう随分昔の話だな。はぁ。
これは定石だから、覚えてしまえばどんな場面でも通用する。しかし定石だけで解けるほどピクロスは甘くない。やはり応用は必要なのだ。
ルール自体はどんな難しい問題も変わらないんだから、慣れればどんな問題にも対応できる……と思えるが、なかなかどうして、そうはいかない。
げに恐ろしきはピクロス、思考型パズルゲームナリ。俺の脳を嘲笑うかのような厳しい「確定」に、今回は正直ボコられた。はぁ。
一応全問題をクリアーしたが、終盤はヒント表示をしたので、残念ながら達成感は非常に薄い。まぁしゃーないな……。
それでもやれる範囲では自力で頑張ったんだ。時間も前作よりずっとかかった。誰か褒めてよ。僕に優しくしてよ!!
虚しい叫びがこだまする。「ゲームに必死になること」は非常に世間体が悪いことだが、思考型パズルはその中でも相当にアレかもしれない。
いや別に俺に後悔はないけどさ。……これだけ頑張ったんだから、相応の達成感を味わいたかった。まぁ、全ては俺の無能が悪い。はぁ……。
さて。メインはピクロスだが、今作には他に2つのモードが用意されている。
まず「ミクロス」。これは名前に反して言わば巨大ピクロスで、多数の問題を組み合わせて巨大な絵を浮かび上がらせるというもの。
つっても個々の問題は規模が小さく、難度も低めだ。数が多いから時間はかかるが、特に大変ではない。寧ろ手応えがないと感じた。
デカいマリオやリンクを作り上げるのはまぁ楽しいかもしれんが、このモードはイマイチ成功してないと思う。うーむ。
そしてもう一つは「メガピクロス」。今まで散々「ピクロスは誕生以来何も変わってない」と書いてきたが、ここで遂に新ルールが搭載された。
それは「メガ数字」と呼ばれるもので、2列に渡って展開される。例えば……
8 □□■■■■□□□□□ だったり、8 □□■■■■■■■□□ だったり。8は2行を占める大きな字と思ってくれい。
□□■■■■□□□□□ □□■□□□□□□□□
メガ数字には「必ず2行に跨って展開する」「別数字と隣接はしない(必ず×が入る)」「単独数字との併存もある」といったルールがある。
今までとは全く違う上に複雑なルールなので、メガ数字での「確定」は今まで以上に困難である。一筋縄ではいかない。
数十問用意されている問題の序盤は簡単だが、中盤以降はメガ数字ロジックを自分で組み立て、必死に確定を求めなければならない。
……はい、俺はこのモードでも負けました。終盤はもう無理。ピクロスでもアカンかったのに、メガの新ロジックは難しすぎる。
実際、ヒントで「この行に確定があるよ」と提示されるものの、考えてもその論拠に辿り着けないこともあった。これでは話にならない。
騙し騙しで何とか全部クリアーしたが、全然実力ではない。けどまぁ、これはキッパリと俺には無理な次元だから、諦めもつくか。はぁ。
ふぅ。3モード全ての問題をクリアーすると、「最後まで遊んでくれてありがとう!」とスタッフメッセージが表示された。うひひ。
実際俺はよく頑張った。今作のヒント機能には幾つかタイプがあるが、使う時もその中では一番緩いのだけを使った。「クリアーした」とは言えると思う。
……でも、溢れる敗北感・挫折感の前には、喜びなど欠片もない。思考型ゲームに完膚なきまでに負かされる。自分の頭脳の敗北。これは、辛い。
クラブニンテンドー最後のプラチナ特典は、終了への不満を力でぶっ壊すばかりか、俺に居た堪れなささえ植え付けるものだった。
もしかしたら、これが任天堂の策略だったのかもしれない。高難度思考型パズルでユーザーの自信を喪失させ、改めて信仰心を植えつけるという。
アホか。だが少なくとも、俺には有効だった。もう文句は言いません。俺はダメな奴です。これからも文句を言わずに任天堂を。嗚呼。
逆に、今作を自力で全て解けるほどの人物なら、それこそ真のプラチナユーザー、任天堂にランク制継続を求めてもいいと思う。
今作はユーザーをふるいに掛けるには実に適したゲームだ。君には本当にプラチナの資格があったのか? それを問われている。
ヒント機能を一切使わず完全クリアーすると、隠しメッセージとパスワードが表示され、それを任天堂に送ると、永世プラチナ名人の位が貰えるらしいよ。
もちろん今2秒で考えた大嘘だが、マジでありそうな気がする。いやあってほしい。クラニンランク制は終了ではない、生まれ変わったのだ。
プラチナを金で買う時代は終わった。これからはゲームの実力で勝ち取るのだ。優れたゲーマーこそ、選ばれし任天堂貴族。
下民が嫌なら、ピクロスを解け。思考型パズルに挑み、勝て。門戸は開かれている。戦わざるものゲームするべからず。軟弱者は置いていく。
新時代プラチナ会員の試金石・クラブニンテンドーピクロスの次回作に期待し、了。今こそゲーム弱肉強食。俺の望む時代がやってきた……!!
……って、俺思いっきりふるい落とされてるやんけ。そんな厳しいこと言わんといて下さいよ。適度に難しく、でも絶妙に緩く、ね?
ゲームで全能感に浸りたいよう。「俺って天才じゃね?」と思いたいよう。そう思えるよう演出してよう。あんまし難しいのは嫌だよう。
あーあ、ゲームで敗北感。ま、これでいいのかな。思考型パズルはいつも俺にゲームの厳しさを叩き込んでくれる。これでいい。いいんだよ。
はぁ……。
web拍手
先月発表されたこれは、多くの任天堂ファンを落胆させた。ちなみにその16というのはテキトーだ。探せば残り15個も多分見つかるだろう……。
クラニンランクシステムは「サービス」であり、任天堂の厚意で存続していたものだ。残念なのは当然だが、不平を言うのは筋違いであろう。
だが任天堂がランクシステムを止めるのも自由なら、それにより積極的に任天堂製品を買わなくなるのもユーザーの自由である。
そのマイナス効果は間違いなくあるだろう。俺にもある。以前までと違い、予約ボーナスで積極的にポイントを求める気持ちがすっかり失せた。
コストとユーザーの心情を天秤にかけて、任天堂はランク制存続のコストを取った。この判断はどうなのか。神のみぞ知るってとこか。はぁ。
てわけで終了なわけだが、今年(前年度)は記念すべき最後のランクプレゼントがあった。ありがとうクラニン、さようならクラニン。
で……これまたガッカリ。16から間髪入れずにガッカリニュースその17はやってきた。話題を途切れさせない任天堂、今年の景品はカレンダー!
……ま~たかよ。まぁ少しは嬉しいけど、最後なんだからもうちょっと豪華なもんをさぁ。……ユーザーの声はこうだったのではないか。
そんなユーザーの溜息が漏れ聞こえる中……俺は1人脂汗をかいていた。もう一つのプレゼントに。殆ど誰も存在を気にしてないDLソフトに。
「クラブニンテンドーピクロス プラス」。地味なシステム地味な内容、最後のクラニンランクプレゼントしても非常に地味なDL専用ゲームソフト。
だがそれは、俺を僅かながら、しかし割と本気で怖がらせた。思考型パズルゲームがやってきた。あの知恵と絶望の日々がまた始まる……!?
今作は一応、2年前の「クラブニンテンドーピクロス」の続編である。前作もクラニン提供だが、ランクではなくポイント交換DLソフトだった。
「ピクロス」自体は20年以上前のGB版から続く、任天堂定番中の定番パズルゲームである。任天堂が編み出したパズルなのかは知らんけど。
そしてゲームルールは初代から全くと言っていいほど変わっていない。変える余地がなく、変える必要もない。ピクロスはピクロスでしかない。
本来紙の上で遊ぶパズルであり、テレビゲーム化はお手軽化やボリューム増の意味があった。紙だと間違ったらやり直すだけでも大変だしな。
内容の変化がない分、ゲームの快適さ、インターフェースに関しては、シリーズを重ねる毎に進化し、今や究極に近い出来栄えであると思う。
プレーしていてストレスは殆どない。それほど「凄い!」と褒めるようなもんではないかもしれんが、まぁ快適で悪いわけがない。遊びやすいよ。
前作と同様、絵柄は全て任天堂に因んだものになっている。ゲームキャラはもちろん、ゲーム機、花札や麻雀なんてのも。
グラフィックは立体視に対応しているが、まぁ別にそれで嬉しいわけではない。ドット絵としては荒いので、完成品に魅力があるわけでもない。
まぁ、只管ピクロスを解くゲームである。当たり前だが。そしてその限りでは、存分に遊べる出来だ。ピクロスの塊のような作品である。
ピクロスの塊のようなゲームを前に、何をすべきか? ……そりゃ、只管ピクロスを解いていくしかないんだよなぁ……嗚呼……。
いつも通りだ。最初は5×5でアホほど簡単。誰にでも解ける。全方位に塗り潰すマスの情報が転がっており、どっからやっていくか迷うほどだ。
中盤、マスは10×10になり、やや歯応えが出てくる。しかしこの段階でも「なかなかやるな。ニヤリ」程度のことだ。本気になった俺の敵ではない。
思考型パズルゲームは「解く快感」を味わうものだ。ガンガン解ければ、気持ちいい。面白い。鼻歌が出る。「俺は賢い」と自信を持てる。
それは幸せな時間だ。自分の脳みそを肯定されることは、もしかしたら何よりも嬉しい事かもしれない。……日常生活では、ないしな。はぁ。
しかし、幸せな時間はいつまでも続かない。それまでは、要は幼児の遊戯を「上手いねー」「偉いねー」と褒められていたようなものだった。
人はいつまでも子供ではいられない。先に進めば、大人の世界が広がる。そして大人社会は、容赦も情けも一切なく、俺を苛むのだ……っ!!
はい、難しいよ、後半は。言うまでもないだろこんなこと。今作は前作よりボリュームが増しているので、難しい面の数も増えていた気がする。
終盤のマスは15×15、最大では15×20にまでなる。鼻歌やニヤケ面はとうに失せ、滴る脂汗が床を濡らす。どうすればいい? 何をすればいい?
埋めるべきマスが、分からない。神に祈るほど真剣に考えても、分からない。手詰まり。どうしようもない。バグってる。俺は悪くない。
しかし、そうではない。探せば必ず「確定」マスがある。それに気付く時の喜びは、それは大したものだ。思考の難産が報われる瞬間である。
……だが、一マス埋まったから、次々確定が見えてくるとは限らない。悪夢は続くのである。全てのマスが埋まる、その時まで。
一マスから雪崩式に全部解けることもないではないが、上位の問題に行くほど、そんな甘さは消えていく。難産を終えれば、更なる難産。
時間も気力もガンガン浪費する。やってることはアホほど地味なのに、心と頭の修羅場が続く。いやぁ、これは、本当に、難しいゲームだわ……。
前作は完全自力で最後まで頑張ったはずだが、今回は正直気力がもたなかったので、終盤で力及ばずと判断した時は、ヒント機能をオンにした。
情けないが仕方ない。ちとボリュームがあり過ぎた。まぁその分、芯から思考型パズルが好きな人にはたまらないゲームであろう。はぁ。
ヒントと言っても直接的に埋めマスを教えてくれるわけじゃなく、「この列には確定マスがあるよ」と表示してくれるというものだ。
従って列の中の確定は自分で探さねばならない。ちなみにこの辺の設定はいつでも変更可能。全部オンにすれば相当強引なプレーも可能ではある。
そしてヒントに従ってその列を見直せば……ああ、確かに、このマスは確定してるわ。俺が見落としてた。思考が足りなかった。甘かった。
やっぱりピクロスにハマリなんてないんだなぁ。確定を導く流れは意外と多彩で、頭は常に柔らかく保つ必要がある。本当に厳しい。
気付き難い確定の例は……そうだな
1 2 □□■□□□□□……
こういう行があるとしよう。ピクロスルール説明は略。■は既に塗られているとする。1と2が潰すマスの数だ。
この場合、■の正体が「1」なのか「2」なのかはまだ分からない。だからこれ以上は手を出せないように思えるが……
1 2 □×■□□□□□……
実は■の左に×が確定する。もし■が「1」なら言わずもがなだし、「2」ならその左に「1」が存在する以上、必ず隣は×になるからだ。
……人によっては「当然だろ」と思うかもしれんが、俺はこの定石を知った時、かなり目から鱗が落ちた。もう随分昔の話だな。はぁ。
これは定石だから、覚えてしまえばどんな場面でも通用する。しかし定石だけで解けるほどピクロスは甘くない。やはり応用は必要なのだ。
ルール自体はどんな難しい問題も変わらないんだから、慣れればどんな問題にも対応できる……と思えるが、なかなかどうして、そうはいかない。
げに恐ろしきはピクロス、思考型パズルゲームナリ。俺の脳を嘲笑うかのような厳しい「確定」に、今回は正直ボコられた。はぁ。
一応全問題をクリアーしたが、終盤はヒント表示をしたので、残念ながら達成感は非常に薄い。まぁしゃーないな……。
それでもやれる範囲では自力で頑張ったんだ。時間も前作よりずっとかかった。誰か褒めてよ。僕に優しくしてよ!!
虚しい叫びがこだまする。「ゲームに必死になること」は非常に世間体が悪いことだが、思考型パズルはその中でも相当にアレかもしれない。
いや別に俺に後悔はないけどさ。……これだけ頑張ったんだから、相応の達成感を味わいたかった。まぁ、全ては俺の無能が悪い。はぁ……。
さて。メインはピクロスだが、今作には他に2つのモードが用意されている。
まず「ミクロス」。これは名前に反して言わば巨大ピクロスで、多数の問題を組み合わせて巨大な絵を浮かび上がらせるというもの。
つっても個々の問題は規模が小さく、難度も低めだ。数が多いから時間はかかるが、特に大変ではない。寧ろ手応えがないと感じた。
デカいマリオやリンクを作り上げるのはまぁ楽しいかもしれんが、このモードはイマイチ成功してないと思う。うーむ。
そしてもう一つは「メガピクロス」。今まで散々「ピクロスは誕生以来何も変わってない」と書いてきたが、ここで遂に新ルールが搭載された。
それは「メガ数字」と呼ばれるもので、2列に渡って展開される。例えば……
8 □□■■■■□□□□□ だったり、8 □□■■■■■■■□□ だったり。8は2行を占める大きな字と思ってくれい。
□□■■■■□□□□□ □□■□□□□□□□□
メガ数字には「必ず2行に跨って展開する」「別数字と隣接はしない(必ず×が入る)」「単独数字との併存もある」といったルールがある。
今までとは全く違う上に複雑なルールなので、メガ数字での「確定」は今まで以上に困難である。一筋縄ではいかない。
数十問用意されている問題の序盤は簡単だが、中盤以降はメガ数字ロジックを自分で組み立て、必死に確定を求めなければならない。
……はい、俺はこのモードでも負けました。終盤はもう無理。ピクロスでもアカンかったのに、メガの新ロジックは難しすぎる。
実際、ヒントで「この行に確定があるよ」と提示されるものの、考えてもその論拠に辿り着けないこともあった。これでは話にならない。
騙し騙しで何とか全部クリアーしたが、全然実力ではない。けどまぁ、これはキッパリと俺には無理な次元だから、諦めもつくか。はぁ。
ふぅ。3モード全ての問題をクリアーすると、「最後まで遊んでくれてありがとう!」とスタッフメッセージが表示された。うひひ。
実際俺はよく頑張った。今作のヒント機能には幾つかタイプがあるが、使う時もその中では一番緩いのだけを使った。「クリアーした」とは言えると思う。
……でも、溢れる敗北感・挫折感の前には、喜びなど欠片もない。思考型ゲームに完膚なきまでに負かされる。自分の頭脳の敗北。これは、辛い。
クラブニンテンドー最後のプラチナ特典は、終了への不満を力でぶっ壊すばかりか、俺に居た堪れなささえ植え付けるものだった。
もしかしたら、これが任天堂の策略だったのかもしれない。高難度思考型パズルでユーザーの自信を喪失させ、改めて信仰心を植えつけるという。
アホか。だが少なくとも、俺には有効だった。もう文句は言いません。俺はダメな奴です。これからも文句を言わずに任天堂を。嗚呼。
逆に、今作を自力で全て解けるほどの人物なら、それこそ真のプラチナユーザー、任天堂にランク制継続を求めてもいいと思う。
今作はユーザーをふるいに掛けるには実に適したゲームだ。君には本当にプラチナの資格があったのか? それを問われている。
ヒント機能を一切使わず完全クリアーすると、隠しメッセージとパスワードが表示され、それを任天堂に送ると、永世プラチナ名人の位が貰えるらしいよ。
もちろん今2秒で考えた大嘘だが、マジでありそうな気がする。いやあってほしい。クラニンランク制は終了ではない、生まれ変わったのだ。
プラチナを金で買う時代は終わった。これからはゲームの実力で勝ち取るのだ。優れたゲーマーこそ、選ばれし任天堂貴族。
下民が嫌なら、ピクロスを解け。思考型パズルに挑み、勝て。門戸は開かれている。戦わざるものゲームするべからず。軟弱者は置いていく。
新時代プラチナ会員の試金石・クラブニンテンドーピクロスの次回作に期待し、了。今こそゲーム弱肉強食。俺の望む時代がやってきた……!!
……って、俺思いっきりふるい落とされてるやんけ。そんな厳しいこと言わんといて下さいよ。適度に難しく、でも絶妙に緩く、ね?
ゲームで全能感に浸りたいよう。「俺って天才じゃね?」と思いたいよう。そう思えるよう演出してよう。あんまし難しいのは嫌だよう。
あーあ、ゲームで敗北感。ま、これでいいのかな。思考型パズルはいつも俺にゲームの厳しさを叩き込んでくれる。これでいい。いいんだよ。
はぁ……。
web拍手
商品はやっぱりGCのゼルダコレクションがピークだったと思います。GCは持ってませんでしたが「すげーことやってんなぁ」と友人の話を聴いて羨ましかったです。
そうですよね、任天堂にプラチナ様として祝福されるのは得難い快感ですよね!! ……あれ、ちと違う?
密かにシリアル有効期限内の新品在庫の流通にも役立ってたと思います。体験版でのポイント付与をやめるってんなら分かるんだけどなぁ……。
ゼルダコレクションはポイント交換品でしたね。あれはクラニン初期に会員数を大きく伸ばしたと想像できます。魅力ありすぎでした。
ランク制終了の陰に隠れてますが、交換品の魅力の無さも結構問題だと思います。サントラ以外をもう少し何とかできんか……ううむ