腐れゲー道

プレーしたゲームの感想文を、ダラダラと粘着質に綴ります。

プレイステーション2 10周年

2010年03月07日 15時28分17秒 | ゲーム色々
くあー、こんな大事な記念日をスルーしてたなんて。
昔の俺なら考えられないよ。老いたなぁ。
ま、遅れたけどやっておこう。


改めて書くが、今年の3月4日をもって、比類なきプレイステーション2が10周年を迎えた。
今年は平成22年だから、発売は平成12年の3月4日。つまり「1,2,3,4」というわけだな。
比類なき初代プレイステーションが12月3日、つまり「1,2,3」だったので、それに倣ったというわけだ。
……これを見ると、比類なきプレイステーション3の発売日「11月11日」は、味気ないと言うしかない。
PS3が発売後しばらく滑りまくったのはこの理由も大きいはず。ということはないと思う。どっちやねん。

ちなみにPS2と同時発売のソフトにはナムコ「リッジレーサー5」があり、その雑誌広告が凝っていた。
「1,2,3,4,7,6,5,P,S,2!」というものだ。
文字じゃ分かり難いが、PS2の発売日に「765(ナムコ)」を加え、より語呂合わせを強化していたのである。
遊び心を感じられるいい広告だった。あの頃、な。あの頃。



そして発売されたプレイステーション2は社会現象に近いほどの人気を獲得し、
発売から半年以上も全く店頭で見かけることがなかった。もちろん、入荷後瞬時に完売してしまうからだ。
後にニンテンドーDSがこれを上回るブームを見せてくれたが、当時はあまりの人気ぶりに驚愕したものだ。
ゲームソフト単品ならともかく、ハードをああも長期間買えない状況が続くなんて。
まぁ品薄商法を狙ってた部分もあるんだろうが、そもそもの確たる人気がなけりゃこの商法は出来ない。
初代PSの基本互換、そして当時まだ珍しかったDVDプレーヤーとして使えるという特長も大きかった。
いや、当時は寧ろDVDプレーヤーとしての需要の方が大きかったんだろうな。
実際、PS2ロンチで一番売れたのは、ゲームじゃなく「マトリックス」のDVDだったはず。
そしてPS2の普及をきっかけに、映像DVD市場は急速に広まっていったのだ。
PS2はDVD市場開拓に最大の貢献をしたハードである。
映像メーカーはPS2に感謝すべきだ。マジで。


……と、PS互換とDVD再生という魅力的な機能により人気は持続していたが、
肝心の「PS2のゲーム」は、しばらく苦戦が続いていた。
確かにPSより絵は綺麗だが、それ以上のものがないソフトが多く、まだまだPS2ならではのゲームが市場には少なかった。
そして開発者の間では「PS2は作りにくい」という声が多く、ソフト制作はどのメーカーでも難航していた。
あの状況がもう少し続いていれば、PS2の勢いはガクンと落ち、歴史は変わっていたかもしれない。

しかしハード発売から1年と少し、PS2を救う超大作RPGが発売された。「FF10」である。
FF10はPS2での「美しいグラフィック」を、ほぼ完璧な形でユーザーに提供した。
またゲーム的にも十分遊べる内容であり、それまでのような微妙な感じはしない、大作ゲームに相応しい出来栄えだった。
当然のように、FF10は大ヒットを飛ばした。
そしてFF10に呼応するかのように、他のメーカーのソフトの質も上がり始め、PS2はここから真価を発揮し始める。
更に1年が過ぎた頃には、もう誰にも止められない最強ハードになっていた。
そこからのゲーム業界は完全にPS2の独壇場であり、ある意味特筆すべきことがない。
後発のGCとXBOXもそれなりに普及(海外含)はしたが、PS2の勢いには全く影響がなかった。
次々発売される魅力的なタイトルを見れば、それも当然だったと言える。


あの頃のPS2の無敵感は、ゲーム業界史上最強だったと思う。
確かにNDSのブームはPS2を上回っていたが、所謂「任天堂ソフトばかりが売れる」という状況にあまり変化はなく、
ソフトの数だけは異常に多いものの、ゲーム業界全体ではそんなに熱いとは感じなかった。
現在のWiiは更にその傾向が強い。とても1000万台売れてるハードとは思えない。
しかしPS2ではハードメーカーだけでなく、サードパーティのソフトもちゃんと売れていた。
と言うより、サードソフトの方がずっと売れていた。
俺はやっぱし、この形の方が健全だと思う。任天堂ソフトばかりが売れる状況は、非常に不味いと思う。
もちろん任天堂が悪いというわけじゃないが。うーん、どうすりゃ任天堂ハードのサードは売れるの?
まそれは今はいいや。
PS2時代は、ハードが売れ、ソフトが売れた。
非常に健全に、ゲーム業界が生きていた。……今の歪な市場を比べると、そう思えてならない。



本領を発揮してからは特に目立った失速はなく、淡々と好調を続けていた。
まぁ後継機のPS3が滑ってしまったから、バトンタッチには失敗したと言えるかもしれないが。
しかしPS2が今までのハードと違う点は、「今も現役だし、まだまだ現役で行ける」ことだ。
現在でもPS2本体は少ないながら毎週ちゃんと売れ続けている。需要はあるわけだ。
そしてソフトも、何だかんだ言って発売されるものはある。市場もまだまだあるわけだ。
メーカーに全く旨みはないが、中古市場でもPS2は現役である。
プレイステーション2、発売10年を過ぎて、今尚健在。
サラッと書いたが、これ、とてつもなく凄いことだ。
昔は「ハード5年周期説」なんてのが囁かれていたが、PS2は軽く倍である。
初代PSもかなり長い間頑張っていたが、PS2には及ばない。
かつてのネオジオやGBも10年以上に渡って現役であり続けたが、
ネオジオは事情が特殊だし、GBはモデルチェンジがあった。
PS2のように単体で10年以上現役を張り続けているハードは、前代未聞である。

実際PS2は「究極のハード」に近いとすら俺は思っている。
性能はもちろん現行機には劣るが、見てられないほど酷いわけじゃなく、ある意味「十分」である。
発売当初と違い、今は製作のノウハウがたっぷり溜まっているので、作り難さもない。
メディアはDVDであり、製作コストも安い。
圧倒的な普及台数という背景もある。

ごくごく普通に、「昔ながらのスタイルでゲームがしたい」と思った時、PS2ほど適したハードはないだろう。
誰もが最新最強のゲームを求めてるわけではない。「最新」に触れるには、それなりに体力が要るのである。
例えば「FF13」をブラウン管テレビでプレーすると、文字が潰れて非常に見難い、実質読めないほどであるらしい。
HD機であることを前提に製作してあるからだ。ブラウン管ユーザーを切り捨てているのである。
この点だけ見ても、最新ゲームについていくことの「重さ」が分かる。
個人的には信じられない配慮の無さなんだが、スクエニはよくこんなの放置したな。まいいか。

ブラウン管テレビ(もちろんHDテレビでもいい)にコンポジットケーブルを繋ぎ、中古で安いRPGか何かを入手してきて、気楽にプレーする。
それでいてグラフィックが極端に汚いわけではなく、十分見られる範疇にある。
メモカセーブだから、バックアップ電池切れなんて事態もない。カートリッジ端子が痛むこともない。
ハードの頑強さは……まぁタイマー的なアレがあるかもしれないが、今も新品で流通しているので、最悪買い直しが可能。
非常に手軽だ。ある意味DSよりもずっと手軽だ。これこそ昔ながらのゲームスタイル。
やっぱりPS2は究極の家庭用テレビゲームハードである。素晴らしいね。


あんま褒めてばっかだとGK乙されるかもしれんので、不満も。
まぁ今となっちゃどうでもいいことなんだが。

発売当初によく言われていた(誕生間もないゲハ板とかで)が、PS2の性能にはハッタリ色が強かった。
やれ7500万ポリゴンだの、エモーションエンジンだの。
特に「エモーションエンジン」は、文字通り人間の感情を表現できるほどのCPUという触れ込みだったが、
これは明らかに誇大宣伝だった。そんなの、世代が一個進んだ現行機でやっと実現できるレベルだろう。
グラフィック能力は大幅に上がったが、その上昇幅はあくまで「予想通り」の次元だった。
俺自身は購入が遅かったが、PS2の掲げた未来予想図には発売当初から強く期待し、そして裏切られた。
確かに凄いが、ンな過大なものでもない。それがPS2だった。
また、ハードの拡張という面でも色々ハッタリをかましてくれた。
やれ家電と繋がるだの、インターネットを使ってどうこうだの。
PS2は標準でインターネット接続はできないんだが、不思議なことに「PS2でインターネットができる」
という噂は、ハード発売後にもしばらく残っていたような記憶がある。
それだけ「PS2は何でもできる」と客に思わせる宣伝が巧みだったということだろう。
しかし、PS2はゲーム機としては大成功だが、それ以上のものは何もなかった。
そういう意味では当初の構想通りにはいかなかった失敗ハードと言えるのかもしれないな。



ふぅ。
もちろん俺のPS2もまだまだ現役だ。現行ハードが揃った今でも変わりはない。
何しろ魅力的な未プレー作が多すぎるので、逆にいつ一線を退くのか心配になるほどだ。
最近は中古ソフトの価格も下落気味で、そういう意味でも美味しい。漁るのが凄く楽しい。
……業界貢献度ゼロの楽しみ方だな。ごめんなさい。

いずれ新作ソフトの供給は止まるだろうが、それでもハードは地道にずっと売れ続ける気がする。
「PS2で十分」という層は、世間一般に確実に存在すると思うから。
まぁPS3への移行を進める為に、SCEが生産を打ち切る可能性はあるかもしれないが。
それでも、何と言うか安定感と安心感がある。PS3よりも。非常に頼もしいハードである。

PS2は、もしかしたら「ゲーム業界が良かった頃」最後のハードになるかもしれない。
そういう意味でも、この「最後のゲーム機」をこれからも大事にしたい。言い過ぎか。
結局懐古溢れる感想になってしまうな。でもなぁ。現行機なぁ。ゲーム業界の未来なぁ。
やれやれだ。
やれやれだよ。




拍手を送る
コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パラサイト・イヴ2  | トップ | ラストレムナント 前編 »

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
僕もPS2至上主義者です (tanaka)
2013-11-12 01:35:18
昨日から連投で失礼します。実は、僕がこのブログを発掘したのはこの記事がきっかけでした。PS2という偉大なハードが生産終了と知って、ノスタルジーに浸った僕は、世間がいまPS2というハードをどう評価してるのか知りたくなり、いろいろ検索してたらこの記事を見つけたという次第です。otaさんが新旧織り交ぜて、現代の最前線でも戦ってるゲーマーでありながら、PS2の真の偉大さをこの記事で宣揚していたことに深い感銘を受けたのです。わかる人はわかってるんだと、とても嬉しく感じました。ホント、PS2ってファミコンの系譜を継いだ最後の据え置き国民機ですよね。SD画質のDVDロムという仕様は、ある程度の高性能とコスパの良さが共存した最高のものだったと思います。ゲーム業界には、この仕様で永遠に廉価な作品を作り続けて欲しかったなあ・・・。まあ、時の流れには勝てないってことですね。
返信する
Unknown (ota)
2013-11-12 21:25:12
あー、そうだったんですか。楽しんで頂けたなら何よりです。
これ書いたのもう3年以上前なのか……時間が経つのは早い……。

PS2はホント、「スタンダード」なゲーム機でした。手軽であり高性能。バランスが良かった。時代にマッチしていた。
なんたって販売総数世界一ですからね。携帯機であるDSより上というのがこのハードの最強っぷりを示しています。
「日本ゲーム業界」「日本RPG」がまだまだ元気だったというのも大きいですね。これらは次の世代以降、めっきり……はぁ。

でもそれだけに、SCEによるPS2の終え方には強い不満を抱いています。去年、突然の生産終了。あっという間に市場から消え、PS2終了。
これだけの成功を収め、愛されたハードなんだから、終えるにしても最後に何か仕掛けてもいいでしょうに。酷すぎる。
俺自身買い替えを割と前向きに考えていたのですが、発表された時にはもうほぼ手遅れでした。はぁ。
PS3での互換を放り出したのに加えこれでは、あまりに救いがありません。アーカイブスを買えってのは傲慢でしょう。
残念ながら有終の美は飾れなかった無念のハードとなりました。もちろん俺はまだまだ現役で遣いますけどね……。
返信する
Unknown (tanaka)
2013-11-13 01:42:36
本当に、スタンダードで最高のバランスでしたよね。車に例えたら2000ccの軽量スポーツカー・モビルスーツだとゲルググって感じの存在感でしょうか。販売世界一というのはいろいろ検索してた時目にしましたが、据え置きでの世界一だと思ってました。DSより売れていたというのは驚きです。ホント最強だったんですね。ゲーム業界全体の勢い低下も寂しいですね。もう春は来ないのでしょうか・・。しかしSCEもあっさりと切り捨ててくれましたよねー。平井氏のせい?かは謎ですが、残念です。otaさんも買い替えを逃してしまったとのことですが、あんな突然死じゃ仕方ないですよね。僕も2009年に購入した薄型PS2が現役ですが、コイツが逝ったら終了です。お互い現役機を大事にするしかないですね。
返信する
Unknown (Unknown)
2022-02-23 13:56:14
国内で2000万台以上売れたのに
トリプルミリオンがドラクエ8だけというクソ雑魚ハード
返信する
Unknown (ota)
2022-02-23 22:17:41
今調べたら、一応FF10も320万本とのこと。
まぁ任天堂のようにファースト最強じゃないから本数ランキングはあまり映えないけど、その分中堅層が厚かったイメージかな。知らんけど。
返信する

コメントを投稿

ゲーム色々」カテゴリの最新記事