織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

金峰山の奇跡; ;第一部:登行編(8)

2010年04月17日 | 奥秩父・金峰山
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【全文要旨】

鼓動が高鳴る“奇跡の体験”は、数十年以上も過ぎた今日でも、鮮明に記憶の隅に残っている。 
それは、超混雑していた奥秩父の名山・金峰山の山小屋での出来事だった。
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やがて、就寝の時間がやってきてランプの灯火が消され、騒がしかった人々が次第に睡眠の寂の世界へ向かいつつあった。
そんな中で、私には何かが起こりつつあったのだ・・!!


以下は本文へ・・、
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 金峰山の奇跡; ;第一部:登行編(8) 






「縦八丁」の辛い登り



尾根道へ出たとはいえ、道中はまだまだでこれからである。 
この時点で山頂部らしいのがチラッと遠望できたが・・、否、あれは岩場の稜線かもしれない。 
コメツガ、オオシラビソの針葉樹林帯、そして石楠花林の急坂を喘ぐ・・!。 
時折、木々の間から信州側の様子が覗える。 

信州といえば、信州側は南佐久郡川上村の地域で、千曲川・信濃川の源流域でもある。 
尤も、甲州側は釜無川・富士川の源流域であり、この尾根は日本海と太平洋の分水嶺でもあった。 
そして、この「金峰山」は、日本百名山は周知だが甲州百名山でもあり、尚且つ、「信州百名山」でもあった。


序ながら、深田久弥は「日本百名山」の中で「金峰山」のことを・・、
『 古くから甲州人はこの山を州の北鎮として尊崇し、その景色を詩に詠んでいる。 甲府盆地から仰ぐ金峰山は決して峻険といった感じではなく、むしろ柔和で優美である。・・・頂上に立ったとき空は完全に晴れて、四周の眺めに私は狂喜した。 ・・・帰路、川上村の川端下方面へ下るが、道もよく分からず、ついには日没となって「野しゃがみ」(緊急夜営、ビバーク)で一夜を過ごさざるを得なかった 』と記している。


広い尾根筋の道であるが、岩がゴロゴロした急登の繰り返しで、その後は大小の根っこが張り出していて一筋ではない。 
従って、道の様子も不安定であり、足元を探りながらの徒歩なので些か歩きにくい。 
とにかく両手を腰において無心で脚を運ぶ。




「縦八丁」の苦しい登りも終わりに近い


丸山」という一つのピークに達したが、ピークといっても其れらしい雰囲気は無く、風景は現状と変わらずであった。 ただ、有りがたい事に、この先は些か平坦になってほっとする処でもある。
最後の単調な苦しい登りを終えて、一息付ける処まで辿り着いた。 
やや開けて八ヶ岳、南アルプスが見える。
更に、ゴツゴツした岩道を登ると、ようやく森林限界の上に出る。 
この辺りからの景色は素晴らしく、前方には、岩稜の峰々の左手に五丈岩を含めて金峰山の五丈岩も遠望できる。 
そして、振り返れば紺碧の空に瑞牆山がその特徴ある姿を見せている。





「砂払いの頭」・といわれる岩場と頭の天辺の立つ標識、金峰山頂と大日岩を指している


どうもこの辺りを「砂払いの頭」と言うらしい。
砂払いノ頭にある斜めに突き出た大岩の奇岩が目を引く。

気がつくと、石楠花の類がアズマシャクナゲからハクサンシャクナゲに変わっている。 
シャクナゲは、普通、中部から北日本にかけては主に三種の種類が観られ、アズマ(吾妻)シャクナゲは葉が細長く厚みがあり葉の裏が茶色がかっていて、低山から亜高山帯の林の内に生えているのに対し、ハクサン(白山)シャクナゲは、葉はやや幅があり、薄く、裏は特に変化は無い。 どちらかといえば亜高山帯から一部は高山の稜線ハイマツ帯まで環境の厳しいところに根をおろしているのが特徴である。 

更に、キバナ(黄花)シャクナゲという小ぶりで矮性なシャクナゲもあり、高山の礫地・草地・ハイマツ帯に生える特性をもつ。 このキバナは、奥秩父ではこの金峰山頂上付近にのみ生えていると聞いているが・・?。

つづく・・、



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