織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(3)

2010年05月04日 | 奥秩父・金峰山
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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(3)    


夜がいよいよ深まりつつあるようだ。 
僅かな月明かりが部屋に差し込んで、部屋の様子がほんのりと覗える。 
多分、表の天空は満点の星が輝いていることだろう。 明日の天気も約束さたようなものである。

そう、明日は同じルートを降りるだけであるが・・、そういえば彼女達は何処から登ってきて明日はどちらへ向かうんであろうか。 
このことに関しては何故か一切覗わなかったのであるが、ヒョッとしたら明日行動を共にするかもしれない。 そんな淡い期待を抱くのである。

眠気を感じたからといって未だ若き独身男性の背中越しに、これまた気品あるうら若き女性が体温を感じる程の密着しながら横になっているのである。 
何で単純に休めるものか、眠れるものか、否々、何やら気がトキメイテくるのを覚えるのである。 

これは「神」の悪戯か・・?

普通、特別な場合を除いて、こうやって若い男女が横になって寝ている姿というのは、夫婦もどきの恋人同士か夫婦の間柄のみであろう。 
勿論、小生にとっては初めての経験だし、横に居る彼女にとっても同様ではなかろうか。


ところで、小生にとって「女性」とは、今までどのような存在であったのか・・?、 
それは一種特別なるもの、畏敬なるもの、そして、神聖のような存在なるものと勝手に想像していた節もある。 
その1つの理由に、私は男兄弟の長男であり、身近に女性と気軽に話や喧嘩が出来る環境がなかったからと、勝手に理由付けしていたような節もある。 
物心ついてからも女性、異性、女を見る心の目は、憧れであり、心をときめかせるものであり、胸を膨らめせるものと勝手に解釈していたよでもある。 

それに、女性の体形、裸身というのが美しく、芸術品のように光り輝くものであることが、青春の1コマとして脳裏に焼きついていたことも事実である。 


それは、中学3年の或る盛夏の日、ある意味で好意を寄せていた大柄でバレーボール部のA子と教室で何気なく
「こんなにあづいひ(暑い日)は、海さでもいぎでな」と独り言のように何気なくいい、  すると
「んだな、 ああ、つれでってくれんならいっでもいいよ」と思いがけない返事が返ってきた。 
夏の海辺は、いわきの浜・小名浜海水浴場(当時、いわき市で前の磐城市)へ、ふとしたきっかけで海へ出かけることになった。 別段に泳ぐつもりは無かったが(当時、小生は水泳部)、当然のように二人とも水着の用意はしていた。 
焼きつくような砂浜である。 
「チョッと泳いでくっがんな」と小生が言いいながら、さっさとA子の見てる前で着替えを済ませると、 
「わだしも・・」といって、陸揚げされていた漁船の船陰で着替えを始めた。 
すると突然、、「チョッとバスタオル持っててくんちょ」と言う。 
確かに砂浜が途切れた向こう側では人の通りが結構あった。 
「でも俺にはA子が見えっちゃうよ」 
「んだな・・、 でもマーちゃん(本名・マサオ)なら見でもかんまねよ」という。(当時の故郷、福島県常磐市、現在のいわき市) 
既に裸の小生はチョッと吃驚(びっくり)し、躊躇(ためらい)いながらも、何食わぬ顔で彼女の身をバスタオルで隠しながら、実は、小生は彼女の“生着替えの一部始終と弾けるような裸身”を、当然のようにしみじみと目の当たりにしたのである。 
そして、彼女は少しも慌てる様子はなく、寧ろ、私に見せ付けるようにゆっくりと、楽しむように行っていたのである。 
彼女は既に15か16歳で、しかもスポーツで鍛えた立派な体形をした大人であった。 
真っ白い透き通るような全身の肌、可愛らしく盛り上がった乳房、それに、あの臀腰部の妙味なくびれ、女の裸身の不思議な構造体を目の前の存在として確認してしまい、脳裏に焼き付けてしまったのである。

普通の場合、女性が特異な状態になるときは男性にたいして敬遠し、警戒し、用心するのが当たり前であろう。 だが、この時ばかりは小生に対して信頼してか、もしくは幼い少女性からか、恥ずかしさ、照れ、はにかみ、きまり悪さといった心と体の微妙な部分を脇へおいて、全くのオープンだったのである。 
それとも余りの雄大な自然の中の一体として、お互い羞恥心や恥じらい、警戒心などは吹き飛んでしまったのであろうか・・?。 それこそ自然と一帯、自然のままの姿、行為に至ったのであろう。

だが、不思議なことにそれ以来、A子とは何事も無かったように普通の挨拶、普段の態度でお互い特別な感情は持たなかったようである。 実際、心の中は気になる複雑な気持ちはあったであろうが・・?。 
以来、彼女と小生は別々の進路、異なる社会へと進出していったのだが、あの時の一瞬の出来事は今も脳裏に付いて離れないのである。
しかし、残念ながらあの時以来、女性が身近に感じる機会、女が傍にいて許しあえる間柄、これら男女の微妙な関係は訪れていないのである。

こんな、少年時代のことを想いながら、山小屋の夜は深まっていった。


  つづく・・、




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