織内将男の山旅の記録

若かりし頃よりの山旅の記録です・・!!

金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(2)

2010年05月04日 | 奥秩父・金峰山
【内容要旨】

鼓動が高鳴る“奇跡の体験”は、数十年以上も過ぎた今日でも、鮮明に記憶の隅に残っている。 
それは、超混雑していた奥秩父の名山・金峰山の山小屋での出来事だった。
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やがて、就寝の時間がやってきてランプの灯火が消され、騒がしかった人々が次第に睡眠の寂の世界へ向かいつつあった。
そんな中で、私には何かが起こりつつあったのだ・・!!

以下は本文へ・・、
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金峰山の奇跡; ;第二部:奇跡編(2) 



大混雑の山小屋・・、

もう、これ以上に詰め込まれると仰向け寝とか、うつぶせ寝は、まず出来ないし、面積を取らないために、横向き寝のみだって有りうる。 
また、寝る方向も一方向でなく、頭と足を1人ずつ交互にするときもあり、自分の頭の両側は、隣人の蒸れた足を嗅ぐようにもなるという状態にもなりかねない。

今回は、其れほどでもないにしても、満員電車のように接触してしまい相手側の体温を感ずるようにもなる。 
私とN嬢の間にはそれに近い状態であったろう。
N嬢も、さすがに初めのうちは小生に気をつかってか、小さくなって横向きで背中を向けていた。
私が何とかうつ伏せになってゴソゴソ始めると、やはり、彼女もうつ伏せになって山での記録などを書き始めたようだ。 

小生は窮屈ながらも、頭のザックからウイスキーの小瓶と板チョコを取り出して舐め始めた。 
「チョコッとだけど食べる・・?、アッ、就寝前だから無理かな・・?」 別に駄洒落た訳ではないが、N嬢に聞いてみた。
「チョコッと戴くわ・・、」 と、これまた駄洒落た気持ちなのか、気兼ねの無い返事が返ったきた。 
このやり取りでお互いの気遣いや気兼ねがやや薄らいだようでもある。

「山は、ベテランなんですか・・?」 N嬢が聞く。
「それ程でもないです、 就職して間もなく会社の同僚に誘われまして4~5年くらいになりますか、 現在、東京大田区の多摩川の縁(へり)住んでいますので、丹沢山塊へはだいぶ通っています。 穂高とか八ッもやりましたけど、奥秩父は初めてです」
「あたし達は行楽のハイキング程度で、奥多摩や奥武蔵へ行きましたが、本格的な山歩きは今年の春・北八ヶ岳の天狗が初めてなの。 勿論、今回の奥秩父の金峰山は初めてですワ」

ウイスキーを舐めながら、とりとめのない山の話が暫らく続き、すっかり打ち溶け合ってしまった様子である。
そのN嬢の右肩は小生の左肩にピッタリ張り付いていて、時折、その内側へ入り込んでくる。 
思えば、通勤電車の非常に窮屈な座席に貴女子と隣り合わせたような感じであろう。


初めの頃、室内が不満の声や何やらで騒々しかったが、これもあきらめモードになってか次第に静まりつつあるようだ。 
小生も今日の記事を書き終え、ウイスキーの小瓶も半分くらいに消費したところで眠気をもよおしてきた。
そんな時、小屋の係り員が抜き足、差し足やってきて、カンテラの灯を落として行った。

「さー、そろそろ休みましょうか、私は頭と足を逆にして寝ますから、少しは楽になるでしょう」 何げなく三人グループに声をかけた。
「おやすみなさい・・、」 三人は横向きになって休みはじめた。

気が付けば布団は、はじめから部屋一面に敷いてあり、布団の上に毛布が各一枚置いてあった。 だが出入り口部分は布団が足りないようで畳に直に横になるようである、ただ、この箇所だけは毛布は優先的に1人につき一枚与えられているようだ。 

普通の状態での山小屋では、寝る布団は一人に1枚が基本であるが、だが混雑していたら1枚に2人以上のときもあるようだ。 そんなときは、先に毛布と布団を部屋一面に敷いておき、後は来た順から各自雑魚ね状態で、もちろん更に混雑のときは互い違いに寝るようになる。 
無論、男女の区分などの配慮は一切無く、これぞ男女平等を地でゆくようだ。 
何れにしても、混んでいるときは、狭くても寝袋を用意したほうが良さそうである。

われ等は幸い布団、毛布には有り付いたが、共に2人に一枚程度の割合であった。 
尚、大柄、小柄の人もいるので布団の境目などは関係無く、来た順から横になる、所謂、ランダム状態であった。

私は先輩らしく男気をだして毛布はN嬢に与えたやった。 
彼女はかなり恐縮していたようだが・・。

つづく・・、



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