坂本龍馬たちが活躍した幕末、そして明治維新。
日本は、欧米列強からの侵略の危機という、未曾有の国難を克服し、
当時アジアで唯一、独立国として生き残りました。
ではなぜ当時の日本は、幕府を倒し天皇を中心とした国家としたことで、独立を維持できたのでしょうか?
これは前回前々回の記事で述べた、肉食獣と草食獣の群れとの関係と同じなのですね。
それを軍事的側面から言えば、
ほぼ、泥沼の内線になると思われていた幕末の日本が、
奇跡的に内戦をまぬがれ、ほぼ平和裏に、統一国家へ生まれ変われたことです。
幕末の日本は、藩という、地方自治国家の集合体でして、
徳川幕府が朝廷の信任を得て、天下の政治を代行しておりました。
幕府の力が弱まり、薩長が連合して幕府を倒すのですが、
それまでの日本の歴史の流れなら、薩長幕府ができる見込みでした。
恐らく、当の薩長も、最初はその腹づもりだったでしょう。
しかし、坂本龍馬などの活躍や、彼が残した思想によって、その流れは止まりました。
そして、薩長や土佐、そして幕府も、本気で内戦を考えていましたので、
主に英仏などから、大量の新兵器を、それぞれの藩は買い込んでいたのですね。
しかし結局、大きな内戦にはならず、士気の高い武士が約100万人国内に生き残りました。
そして最新鋭の武器と大量の弾薬が、日本国内に存在する現象が幕末そして、明治維新の頃の日本に、
極めて短期間で出現したのです。
そして多くの藩に分かれていた現状から、短期間に廃藩置県を断行し、
日本は中央集権型統一国家となりました。
これで実は欧米列強が、日本に侵略できなくなったのですね。
簡単に言えば、欧米列強諸国は、日本を攻撃することはできても、占領することができなくなったのです。
欧米列強の軍は、遠くから船に乗ってやって来ます。
当時の船は、今のように大量の人間を、一度に運ぶことはできません。
欧米列強と言えども当時は、少人数による侵略以外の手段はなかったのです。
ですから、蒸気船や強力な砲弾等で脅し、相手の戦意を喪失させて、植民地人に言うことを聞かせて統治していたのです。
幕末の日本では、この手法が使えなかった訳です。
当時既に、3000万人の人口を持つ日本を、ガップリ四つで支配するほどの武器は、欧米列強国家たちは持ってはいなかったのです。
アングロ・サクソン系は、人口が少ないですし、インドや他の植民地、中国の港などの統治で、現実は手一杯だったはずなのですね。
占領できないのなら、いくら攻撃しても、結局無駄撃ちになります。
ですから欧米列強諸国(侵略者)は、そういうことをしても経済的に割が合わないので、結局日本をその後、攻撃すらもしなかったのです。
侵略国家というのは、必ずそういう発想をします。
肉食獣が草食獣の群れを恐れるように、国防や基本的な外交指針に向けては、一致した見解を持った国家を、侵略的意思を持つ国は恐れます。
日本国民が、「自分の国ぐらい、自分で守ってみせる!」という気概を持てば、侵略的意思を持つ国らは、すぐには手出しはできません。
昨日の続きで、自然界の生き物の話です。
これが侵略国家とはどういうものかを説明するのに、最も便利です。
ポイントは、草食動物は、実は強いということ、
そして肉食動物は、怪我をすることを恐れるということです。
さらに踏み込んでいくと、
草食動物にとっての主な関心事は、
『自分や群れの命を守る』 ということになります。
それに対して肉食動物の関心事は、
『自分が怪我をせずに、獲物を採る』 ということです。
肉食動物は、自らが怪我をせずに獲物を採ることを前提に戦うことがわかれば、
その方法論が、実は極めて単純であることが分かります。
つまり、まず第一に、
恐怖で草食動物の群れを分断し、群れ全体をパニックに陥れます。
草食動物は、命を奪われることに最も関心がありますので、
恐怖に対しては、反射的に反応してしまいます。
群れからはぐれ、独りぼっちになれば、食べられる確率が跳ねあがるので、
誰かが走り出すと、反射的に自分も走り出してしまいます。
次に肉食動物は、草食動物が逃げまどわせることをします。
なぜなら草食動物は、逃げている間は攻撃できないからです。
強力な後ろ足のみに気を付けていれば、いくら立派な角を持っていても
逃げている草食動物は、反撃できないのです。
草食獣の立派な脚力も、逃げるために使うのであれば、攻撃力破壊力は皆無です。
つまり肉食獣にとっては、草食獣を逃げさせてしまえば、安全に狩ができるのですね。
そして最後に、逃げ遅れた子供や、病獣や年老いた個体を見つけ出して仕留める訳です。
ライオンやハイエナ、ジャッカルなどは、群れによる組織戦で、寄ってたかって襲いかかります。
こうやって、1頭の弱い個体を集団で仕留めれば、自らは傷つくことなく、獲物を確実に仕留められる訳です。
組織戦ではなく、単独で隠れて待ち伏せするなど、狩りには色々な方法がありますが、
そういうパターンでは、狩りの対象はかなり小さな小動物としています。
肉食獣は組織戦であろうと、単独であろうと、自らが怪我をしない相手を選んでいることに、間違いありません。
ではどうすれば草食動物は、肉食動物に食べられずに済んだのでしょうか?
そうです。
まず最初の肉食動物が起こした恐怖に、動じなければ良かったのです。
自らの秘めたる力を信じ、群れの連帯を信じ、弱い個体だけを群れの中心に置き、肉食動物を睨んでいれば、
彼らは手を出すことができないのです。
巨体でしかも、角をこちらに向けられた肉食動物は、怪我を恐れて退散するしかないのです。
これが、中国などの侵略的意思を持つ国々のパターンであり対応策です。
侵略に対しては、恐れることこそを、恐れることです。
そして、今やるべきこと、今できる、民族として、
そして、国家としての努力を、粛々と執り行っていれば、決して怖い相手ではありません。
自虐史観こそ、現代日本にとってすべき課題です。
これをいち早く克服しなければ、日本は内側から分断され崩壊します。
これを、日本を侵略する意図を持った連中は、
平和に暮らす人々の群れを、混乱に陥れるため仕掛けに使っているからです。