えらいこっちゃ
「定刻となりましたので、議会を開始いたします。では、なかよし会の質問から始めます。まさのり君」
「なかよし会より、給食大臣への質問があります。給食のおかずをよそってもらう列に並びますが、おかずの残り具合を忖度して一人ずつの量が列の最後では少なくなるような気がしますが、この問題についていかがお考えですか」
「給食大臣まちお君」
議長が大臣を呼ぶ。給食大臣まちお君は、おずおずと自分の席から教卓に歩み出る。
「お答えします。そのような事実はないと配膳係から聞いております」
自分の席に戻るまちお君。
議長より、なかよし会まさのり君が指名される。
「なかよし会まさのり君」
「そのような事実は無いとつっぱねるのは、給食大臣として無責任ではありませんか。よりよい給食ライフを送るための提案として、この場で前向きに議論する事が、大臣の努めではありませんか」
「給食大臣」
給食大臣のまちお君が議長に呼ばれる。
「お答えします。あくまで可能性の話としてはあり得ると考えます。先ほどのお話では、列の終了間際になると、おかずの量が減るというお話ですが、逆の場合もあるかと思います。おかずが余ってしまって、列の終了間際に多めに配る場合です。
かき玉汁の問題はどうしますか。いくら鍋をかき回してもまったく同じ量の卵を、おわんに入れるのは無理があると思いませんか」
「なかよし会まさのり君」
教壇に歩み出るまさのり君
「寸分違わず同じ量を配ることは不可能としても、できるだけ公平に分ける方法を考えるべきではありませんか。私、一つ案を考えてみました。おかずの全量キログラムをまず計量しましょう。あとは人数で割れば、同じグラムで配る事ができます」
「給食大臣」
「お答えします。寸胴なべを乗せることのできる大きな秤と、お椀を乗せる小さな秤を各々のクラスに用意する予算は無いかと思います。あらためてお聞きしますが、グラムは同じでも肉の量、麺モノの場合はチャーシューの量、麺の量も違ってまいります。結果、同じものを配る事は不可能ということです」
「なかよし会まさのり君」
「基本、ほんの少し余らせ気味で配るというのはどうでしょう。早く食べた人からおかわり出来るというシステムです」
「給食大臣」
「お答えします。ちなみになかよし会全員のご意見ですか。まさのり君の個人的な要望ではありませんか。だんだん面倒くさくなってきました。配膳係は、持ち回りでやっております。いくらシステムを構築しても同じメンバーで配膳するわけではありません」
「なかよし会まさのり君」
「なかよし会全員の意見というわけではありません。私個人の素朴な疑問でした。ちょっと言ってみたかっただけの話ですので、これからも喜んで給食を食べさせていただきます」
昼休み終了のチャイムが鳴る。
「緊急委員会ごっこ終了」
「緊急委員会ごっこ終了」
皆が口々に復唱してリアル大人遊びは終了した。
「定刻となりましたので、議会を開始いたします。では、なかよし会の質問から始めます。まさのり君」
「なかよし会より、給食大臣への質問があります。給食のおかずをよそってもらう列に並びますが、おかずの残り具合を忖度して一人ずつの量が列の最後では少なくなるような気がしますが、この問題についていかがお考えですか」
「給食大臣まちお君」
議長が大臣を呼ぶ。給食大臣まちお君は、おずおずと自分の席から教卓に歩み出る。
「お答えします。そのような事実はないと配膳係から聞いております」
自分の席に戻るまちお君。
議長より、なかよし会まさのり君が指名される。
「なかよし会まさのり君」
「そのような事実は無いとつっぱねるのは、給食大臣として無責任ではありませんか。よりよい給食ライフを送るための提案として、この場で前向きに議論する事が、大臣の努めではありませんか」
「給食大臣」
給食大臣のまちお君が議長に呼ばれる。
「お答えします。あくまで可能性の話としてはあり得ると考えます。先ほどのお話では、列の終了間際になると、おかずの量が減るというお話ですが、逆の場合もあるかと思います。おかずが余ってしまって、列の終了間際に多めに配る場合です。
かき玉汁の問題はどうしますか。いくら鍋をかき回してもまったく同じ量の卵を、おわんに入れるのは無理があると思いませんか」
「なかよし会まさのり君」
教壇に歩み出るまさのり君
「寸分違わず同じ量を配ることは不可能としても、できるだけ公平に分ける方法を考えるべきではありませんか。私、一つ案を考えてみました。おかずの全量キログラムをまず計量しましょう。あとは人数で割れば、同じグラムで配る事ができます」
「給食大臣」
「お答えします。寸胴なべを乗せることのできる大きな秤と、お椀を乗せる小さな秤を各々のクラスに用意する予算は無いかと思います。あらためてお聞きしますが、グラムは同じでも肉の量、麺モノの場合はチャーシューの量、麺の量も違ってまいります。結果、同じものを配る事は不可能ということです」
「なかよし会まさのり君」
「基本、ほんの少し余らせ気味で配るというのはどうでしょう。早く食べた人からおかわり出来るというシステムです」
「給食大臣」
「お答えします。ちなみになかよし会全員のご意見ですか。まさのり君の個人的な要望ではありませんか。だんだん面倒くさくなってきました。配膳係は、持ち回りでやっております。いくらシステムを構築しても同じメンバーで配膳するわけではありません」
「なかよし会まさのり君」
「なかよし会全員の意見というわけではありません。私個人の素朴な疑問でした。ちょっと言ってみたかっただけの話ですので、これからも喜んで給食を食べさせていただきます」
昼休み終了のチャイムが鳴る。
「緊急委員会ごっこ終了」
「緊急委員会ごっこ終了」
皆が口々に復唱してリアル大人遊びは終了した。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます