日が経ってしまいましたが田村さんの記事を紹介(2/20付け 東京新聞)
ヒートアップ
今から三十年ほど前、私は初めて広島を訪れた。登山が趣味だった私は、北アルプス縦走時に知り合った妻の実家を、結婚の許しを請うべく訪ねたのである。
当時、畑も残る周辺には、北関東の足利では見ることのできない亜熱帯性の蝶、ツマグロヒョウモンがあちこちに見ることができ、追いかけては何頭か採集した思い出があった。
ところが数年前から、こちらでも見ることが出来るようになり、昨年は爆発的にその数を増やした。撮影に行く先々で出会い、目撃数は優に百頭を超えるほどである。我が家の庭でも鉢植えのスミレで発生したのを確認している。
他のヒョウモンチョウ類と異なり、多化性で、気温さえ高ければ一年中でも繁殖を繰り返す。昨年最後に撮影したのは十二月十五日だった。食草がスミレ類であり、花壇に植えられることが多いパンジーでも育つので、温暖化の進んだ日本では北上する条件が整っているようだ。
たった一種類の経過を観察しただけでも、地球上の温暖化が推察できる。昨年は、ツマグロヒョウモンだけではなく、本来さなぎで越冬するはずのアゲハチョウ成虫を、十二月九日に足利市鹿島町で確認した。モンシロチョウの成虫も十二月十五日が終見日という驚くべき結果となった。
新聞やテレビの報道によれば、北極海の氷塊が解けだし、ホッキョクグマ、アザラシなどの生存も危ぶまれているという。そのほか魚類など海水温の上昇に伴う漁期や回遊水域の変化など、温暖化の影響?は枚挙にいとまがない。
人間以外の生物の心配をしているうちは、まだ余裕もあったろうが、人間本体にさまざまな影響を及ぼす事態も迫っている。乾燥化による水不足、穀物などの不作、天候の極端な変化などなど・・・。
新年早々、地球環境の悪化を嘆いてばかりいても暗くなるばかりだが、政治においても、経済においても、閉塞感の漂う昨今である。人間の欲望がヒートアップすると、地球も同じように暑くなる?良い解決方法はないものか・・・。
いっそのこと、「でもそんなの関係ねえ!」と一蹴してみたくなるが、それではあまりにも無責任!
2008年 1月20日掲載
無責任だけは、なりたくないですね。
ヒートアップ
今から三十年ほど前、私は初めて広島を訪れた。登山が趣味だった私は、北アルプス縦走時に知り合った妻の実家を、結婚の許しを請うべく訪ねたのである。
当時、畑も残る周辺には、北関東の足利では見ることのできない亜熱帯性の蝶、ツマグロヒョウモンがあちこちに見ることができ、追いかけては何頭か採集した思い出があった。
ところが数年前から、こちらでも見ることが出来るようになり、昨年は爆発的にその数を増やした。撮影に行く先々で出会い、目撃数は優に百頭を超えるほどである。我が家の庭でも鉢植えのスミレで発生したのを確認している。
他のヒョウモンチョウ類と異なり、多化性で、気温さえ高ければ一年中でも繁殖を繰り返す。昨年最後に撮影したのは十二月十五日だった。食草がスミレ類であり、花壇に植えられることが多いパンジーでも育つので、温暖化の進んだ日本では北上する条件が整っているようだ。
たった一種類の経過を観察しただけでも、地球上の温暖化が推察できる。昨年は、ツマグロヒョウモンだけではなく、本来さなぎで越冬するはずのアゲハチョウ成虫を、十二月九日に足利市鹿島町で確認した。モンシロチョウの成虫も十二月十五日が終見日という驚くべき結果となった。
新聞やテレビの報道によれば、北極海の氷塊が解けだし、ホッキョクグマ、アザラシなどの生存も危ぶまれているという。そのほか魚類など海水温の上昇に伴う漁期や回遊水域の変化など、温暖化の影響?は枚挙にいとまがない。
人間以外の生物の心配をしているうちは、まだ余裕もあったろうが、人間本体にさまざまな影響を及ぼす事態も迫っている。乾燥化による水不足、穀物などの不作、天候の極端な変化などなど・・・。
新年早々、地球環境の悪化を嘆いてばかりいても暗くなるばかりだが、政治においても、経済においても、閉塞感の漂う昨今である。人間の欲望がヒートアップすると、地球も同じように暑くなる?良い解決方法はないものか・・・。
いっそのこと、「でもそんなの関係ねえ!」と一蹴してみたくなるが、それではあまりにも無責任!
2008年 1月20日掲載
無責任だけは、なりたくないですね。