極楽写真倶楽部 「ゆ」

なんとなく撮って載せてみる写真のブログ from 北京。

カラーネガフィルムのスキャンとネガフィルムっぽいレタッチ

2006年12月07日 | CANON LENS 35mm 1:2

CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

最近「基礎から始める、プロのためのカラーネガプリント」という本を読んで、ああカラーネガフィルムって面白いなぁと感じました。(写真がきれいなので、それ見るだけでも楽しいですよ)

自分で機材を揃えてプリントまでやるなんてとんでもないんですが、現像されたネガをスキャンして、レタッチでプリントワークに近いこと~プリント時のCMYのフィルターワークによる色調整と、露光時間による明るさ、コントラスト調整~ができないかなぁと試行錯誤し、何となくそれっぽい、かつ極力シンプルな手段を見つけました。今回はこれを紹介したいと思います。

大したスキャナーを持ってる訳じゃないので(EPSONの複合機PM-A950使用~でもそこそこいいと思います)、究極のクォリティーを追求するのではなく、あくまでも「それっぽい感じ」だけです。素人故変なこと言っているかもしれませんが、そこはご勘弁ください。

で、最初の写真<Auto>は、PCのソフトにより、自動(クリック一発)で色のバランスとコントラストが調整された写真(全体の明るさの中間値だけ手動で調整)。スキャナー付属のスキャンソフトの自動調整でも、傾向はこんな感じです。

別にちっとも悪いことはないんですが、いろんな写真をスキャンして見慣れてくると、ちょっと調整されすぎている感じがします。ハイライト/シャドーをギリギリまで調整するので、時にコントラストが付きすぎていたり、色のバランスはよく取れていても、これがフィルムやレンズのキャラクターを反映しているのかというと、やっぱり調整されすぎな気がしたり。

「それっぽい手段」というのは次のような感じです。


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

これは、スキャンしたデータ<Original>。お手軽な1200dpi(200万画素弱くらいに相当)、JPEGで保存(掲載用にリサイズ)した元画像。スキャンソフトでは、全く手を加えない、デフォルトの状態でスキャンしています。何を以ってデフォルトとしているのかはよく分かりませんが、とりあえずこれでOK。青いけど気にしない。

スキャンソフト、もしくはレタッチソフト(自分は、ニコンの「Nikon Caputure」を使用。デジカメ用ですが、今回のような用途なら十分です)の自動調整というのは、RGB各色のハイライト/シャドーの値を、それぞれの分布に応じて調整しています。上の写真のように眠い画像の場合、RGB各色は最小~最大値(0~255)の中間に分布していてレンジが狭いため、この分布の最小値を0、最大値を255にして(実際はもうちょっとインテリジェントに調整される)、コントラストをぐっと上げている、という感じです。←分かりにくくてすみません。

RGB各色のレンジをデータ上で言わば無理やり広げるので、ハイライトは極めてハイライトに近付き、シャドーは潰れる寸前、というか、大抵どこかが飛んでいたり潰れていたりします。別に飛んでても潰れててもいいんですが、時に趣きがない感じがしたり。また、中間の明るさの部分も、なんかスカスカした感じを受けることがあります。


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

この写真<Manual>は、マニュアルで調整したもの。なるべく自動調整<Auto>の画に近い感じにしていますが、それでも色が豊か、色の移り変わりもふくよかな感じがします。看板の文字が良く見える、とか。別に彩度を上げたりとかしてないです。実は、このCanonのレンズをデジカメ(EPSON R-D1s)で使うと、割とこんな感じの写真になるので、レンズのキャラクターが出ているのかなぁ、とか...

で、<Original>の画像に対して何をやっているかを順を追って大雑把に言うと...

0. 触るのは「トーンカーブ」のセクションのみ。


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

1. ↑まず、G(緑)とB(青)の中間値(ガンマ値?)を目で見て調整し、色のバランスをとる。ここでは明るさ、コントラストは気にしない。


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

2. ↑RGB(全体)のハイライト/シャドー値を、自動(ソフトお任せ)で調整。


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

3. ↑RGB(全体)のハイライト/シャドー値を見て、それに合わせてR(赤)のハイライト/シャドー値を調整(詳しくは省くが、足し算引き算で値を決める)


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

4. ↑R(赤)の中間値を目で見て調整(赤<-->シアンの調整)。


CANON P / Canon Lens 35mm 1:2 / SP400
甲仙/台湾

5. ↑RGB(全体)の中間値とトーンカーブを調整し、明るさとコントラストを決める。自然な感じにするため、トーンカーブの調整ポイントは一個だけ。(なお、今回は中間値はいじってないです)

で、出来上がり。実際にはもう少し細かい調整をしていたり、プロセスも行ったり来たりですが、大体こんな風です。

色の調整(プリントならCMYのフィルターワークの部分)は1と4(特に1)、明るさとコントラストの調整(露光時間)は5にあたります。

理屈で言うと、R(赤)の調整も中間値の調整だけで済ませたい気がしますが、そうするとシャドー付近の赤が強過ぎ、ハイライト付近のシアンが強過ぎて、上手くいかないことが多いため(ここを結構悩んだ)、上記のような結論に落ち着きました。

<Auto>と<Manual>を較べると、<Manual>のコントラストが高く見えますが、実は<Auto>の方が白飛び、黒潰れが多いです。プリントアウトすると、もっと差が出るような気がします(面倒なのでやってないけど)。

これで、「ネガっぽい感じ」と「レンズのキャラクター」が割と出るんじゃないかなぁ、みたいな。もちろん、色のバランスやコントラストは、自然な感じを保ったまま好みで調整可能。(あんまり自信ないけど)

なんか間違ってるところがあれば、是非是非ご指導ください。また「もっと詳しく書け!」とかリクエストあれば、言ってください。暇を見てやります。「こんなやり方が正しいぞ!」とかだったら、もうすごい知りたいです。

長くてすみません。


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