うーん、なんか悲しい話になっちゃいましたなぁ。
しかし、もしもこの物語自体が 『第3の嘘』 なんだとすると、いったい現実はどれなの?みたいな。
そういうオモシロさはありますけどね。
作者のアゴタ・クリストフ氏、つい最近(2011/7/27)亡くなられたのですね。
全く知らなかった。。。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
以下、ネタバレ大あり!!!
相変わらず淡々と軽やかに暗いです。
『二人の証拠』 のラストで衝撃を受けた、実は双子は存在しないのか?!
という大きな謎を引きずったまま読み始めるわけですが。
双子は居たよ。
良かった。
彼らが存在しないなんて、悲しいもの。
でもでもーーー。
実在した双子は 『悪童日記』 の双子とは全くの別物なのですよ。
というか 『悪童日記』 自体が作り話だったっていう。
そして双子の本当の現実は、なんだか悲しいのですよー。
あまりにありふれた不幸で。
というと不謹慎かしら。
戦争が激化しそうな中で、父親の浮気に憤った母親が発砲して父親は死亡。
流れ弾が当たった双子の片方は体が不自由になり、家族とも離れ離れに。
母親のもとに残った双子のもう片方は、自分に愛情を注がない母親と、満たされないままの生活。
せっかく再開したのに、分かりあえないまま再びの別れ。
悲しいなぁ。
どこかで 『悪童日記』 の頃の二人が、生きて成長していてほしいなと思います。
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第三の嘘 (ハヤカワepi文庫) |
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