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チョムスキー「ガザ2009の闇の奥-あらゆる蛮行を根絶しなさい-」<訳:レンゲ・メレンゲ>-6

2009-02-15 | 中東問題
続き

ガザでヒーローのようにボランティア活動を行う1人である、ノルウェーのMads Gilbert医師は、恐怖の光景を「ガザの民間人に対する全面戦争」と述べました。彼の見積もりでは死傷者の半数は女性と子どもたちでした。男性の死傷者も、民間人の基準に照らせば、ほぼ全てが民間人です。ギルバート医師は、数百の遺体のうち、兵士のそれはほとんど見なかったと報告しています。IDFも同意しています。ハマスは「離れたところから攻撃することにしていた、あるいはまったくしなかった」、他方でこの米国-イスラエルの攻撃による「利益を調べていた」と、Ethan Bronnerが報告しています。ですからハマスの勢力は無傷のままであり、被害を受けたのはほとんど民間人であったのです。しかしこれは、広く諸体制が持つドクトリンからすれば、プラスの成果でした。

この見積もりは国連人道問題調整事務所のジョン・ホームズが確認し、彼はレポーターたちに「妥当な推測」では、「残虐が続くなかで日々悪化しつつある」人道的な危機の中で殺された民間人の大半は、女性と子どもだったと知らせました。しかしイスラエル外相で現在選挙運動中のハト派の大物、ツィッピー・リヴニが世界に請け合った言葉が慰めになるかもしれません。彼女によればガザには「人道的危機」は何もない、と。イスラエルの慈悲のおかげで。

人間とその運命を気遣う他の人々同様、ギルバートとホームズは停戦を求めました。しかし、まだです。ちなみに「国連では即時停戦を求める公式声明を安保理が土曜夜に発表することを米国は妨害した」とニューヨーク・タイムズ紙が書きました。その表だった理由は「ハマスが何らかの合意を遵守するだろうと示すものが何もないから」でした。虐殺を楽しむことを正当化する弁明のうちで、この言葉は最も皮肉なものの1つになるに違いありません。そう言ったのはむろんブッシュとライスですが、まもなくオバマがその二人にとって代わります、なぜなら彼は「ミサイルが私の二人の娘が眠るところに落ちてくるならば、それを止めるためには私はあらゆることをするだろう」と哀れみを込めて繰り返すからです。彼はガザで米軍により切り裂かれている数百の子どもではなく、イスラエルの子どもたちを指して言っているのです。

 数日後、国際的なプレッシャーが高まるなか、米国は「永続する停戦」を求める安保理での動議を支持し、採決では棄権して14対0で可決しました。イスラエルと米国タカ派は、米国代表がいつものようには拒否権を行使しなかったことに怒りました。しかしながらその棄権は暴力をエスカレートさせるのに青信号は出さずとも、黄色の合図をイスラエルに与えるに十分でした、そして予想通りに実際、就任式の瞬間まで攻撃は激化したのです。

停戦が(理論上は)1月18日に発効し、パレスチニアン・センター・フォー・ヒューマン・ライツは攻撃最終日の数字を発表しました。それによれば、パレスチナ人死者54名のうち、43名は非武装の民間人でそのうち17名が子どもたちで、これはIDFが民間人の家や国連学校を空爆し続けた間のことでした。死者合計は彼らの見積もりで、1,184名となり、このうち844名が民間人で、そのうち281名が子どもでした。IDFはガザ全地域で焼夷弾を使用し続け、引き続いて民間人の家と農地を破壊し、民間人を家から退去させました。数時間後にロイターが発表した数では、死者は1,300名以上でした。アル・メザン・センターでも死者数と破壊について注意深く記録が取られていますが、そこのスタッフが、絶え間のない激しい空爆のため以前は近寄れなかった場所を訪れました。彼らは破壊された家々の瓦礫の下で腐敗しつつある、あるいは、イスラエルのブルドーザーにより除去される、数十の市民の遺体を見つけました。

死傷者数が少なく見積もられているのは確かです。これらの暴虐行為に対し何の捜査も行われそうにありません。公の敵が犯す犯罪は厳密に捜査を受けますが、我々自身の犯罪は体系的に無視されます。またしても一般慣行であり、支配者の側には理解できるものなのです。

国連安保理決議はガザへの武器の流入の停止を求めました。米国とイスラエル(ライスとリヴニ)はすぐにこの成果を、イランの武器に関してだけは確実にする方法で合意に達しました。米国の武器がイスラエルに密輸されるのを止める必要はないのです、なぜなら密輸ではないからです。それどころか、大量の武器輸入は、ガザでの殺戮が進んでいた時に発表された武器の出荷の場合のように、報道されないときでも、まったく公然のことなのです。

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