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TPP関連その5-TPP:安倍政権は日本の主張を貫く意思もなければ能力もない

2013-04-15 | 時事問題
TPPに関して手厳しい告発をされている孫崎享氏の『ニコニコチャンネル』から直近の記事を6編掲載します。

ニコニコチャンネル

発行  :孫崎享
配信代行:株式会社ニワンゴ


TPPは安倍政権の欺瞞を強くあらわしたものである。
 安倍政権は、一応TPP反対を掲げて成立した。選挙においては120名以上の自民党議員はTPP反対を掲げた。
 しかし、この反対自体欺瞞に満ちた物であった。
 衆議院選挙選において、安倍氏が一貫していってきたのは、「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉には参加しない」というものだった。約束はここまでである。この言葉で「聖域を守ってくれるんだな」と多くの国民は解釈したのですが、それは勝手読みである。しかし、安倍氏は見事に勝手読みに誘導する。こうした文言の使い方は、日本の官僚の典型的な手法である。
 そして安倍首相は日本は交渉力を発揮すると言明した。
 「安倍首相は15日、会見を開き、TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉に参加することを正式に表明した。
賛否両論の中の決断に、国益をどう守っていくのか、今後の手腕が問われる。
安倍首相は「今がラストチャンスです。この機会を逃すということはすなわち、日本が世界のルールづくりから取り残されることにほかなりません」、「交渉力を駆使し、わが国として、守るべきものは守り、攻めるものは攻めていきます。国益にかなう最善の道を追求してまいります」と述べた。」 これを聞けば頑張るであろうと思う。
 しかし、これも言葉だけの話である、
 どうなったか。
 「政府はTPP交渉参加に向けた日米の事前協議が決着したと発表した。事前協議では米国が強硬だった自動車分野と保険、食品の安全基準など非関税措置の分野で日本が譲り、TPP交渉と並行して日米協議も続けることとなった。」
 13日朝日新聞{web}は「13日朝日「7月の交渉参加を目指す安倍政権は合意を急ぎ、焦点の自動車など多くの分野で米側に譲歩。高い「入場料」を払わされることになる」と報じた。
 日経新聞も次のように書いている。
「TPP交渉に参加するために、日本は米国に入場料を払った。日米合意は米国の個別業界の要望を色濃く反映する内容である。日本の参加に反対する米自動車業界はTPPが目指す自由化と全く逆方向の保護主義をむき出しにした(合意について「米国の段階的な関税撤廃を目指すものの時期は最大限後ろ倒し」)
TPPに反対の旗印を掲げていた人々はどうしたのだろう。
120人相当の自民党はTPP反対を唱えて当選したはずである。
 彼らは「反対」と主張しているか。
 そしてかって「反対」の先頭にいた農業関係者はどうなったであろうか。最早、如何に政府から金をとるかの方に方向転換したようである。
 医師会はどうか。ここも沈黙し始めてようである。
 今4月14日付日経新聞朝刊(14版)をみている。TPPがほとんど影をひそめている。
 かろうじて2面の隅に「TPP 日米合意「危機感」」と題して「民主党の細野豪志幹事長は13日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加をめぐる日米両政府の事前協議合意に関し「非常に大きな危機感を感じる。農業についてほとんど何も書かれず、医療には触れてもいない」と懸念を示した。水戸市での会合のあいさつで語った」と報じた。
 こういう流れは想定されたか。
 十分想定された。
 安倍首相は「日米関係を強化する」を主張し、政権をとっている。
 それを示すものはTPPしかない。
 それには米国の主張を全て飲むしか選択肢はない。
 一寸TPPの情勢を追っかければわかる。
 一貫して、嘘と詭弁で貫いてきた。
 私は騙される国民の側に、大きい責任があると思う。
 騙される選択をしているのだ。
 騙されないでおこうと思えば、今の世の中、情報はある。
 騙されることを望む国民、この点は改めて考えてみたい。