若生のり子=誰でもポエットでアーティスト

文字さえ書ければ、ポエット
感覚次第で、何でもアート
日日を豊かに遊び心

文化放送報道スペシャル「死刑執行」についてーその2

2008-05-08 | 死刑問題
続きです。

三者三様に痛みを伴いながらそれぞれの立場からのたいへん重い言葉を述べられていました。
ツチモト元検事の話に次のようなことがありました。彼が死刑にした死刑囚からある日手紙が届き、それを開封する時には、恨みつらみが書かれているのではないかと思い緊張したそうですが、その内容は、裁判の時に、自分のことをよーく聞いてくれたことへの感謝の手紙だったそうです。その後7年間に及ぶ心温まるやりとりが続きました。ある日届いた手紙はいつもと違う薄っぺらい手紙で「はっと予感した」とツチモト氏は、危惧を抱いて拘置所に問い合わせたところ、すでに昨日死刑執行されたということでした。その時は、彼のように更正してたいへん清い心を持ち得た人間を殺す必要があるかと思った。ということでした。ですが、ツチモト氏は、死刑制度存続の立場を取られています。

最後に、絶対に言わなければならないことがあります。

それは、われわれ、一般市民の死刑制度に対する認識です。
このインタヴューを聞く限り、あまりの無知とお粗末さに唖然とせざるを得ませんでした。
死刑制度存廃問題は、たいへんシビアーかつセンシティーヴな問題で、単に、凶悪犯だから死刑にされるのは当然ということでも、人道的に、殺人者の人権を守るということだけでもなく、国民として、それぞれが、熟考に熟考を重ね、判断する必要があります。
死刑制度は、意識すればするほど、奥深く国民生活にかかわってくることだと思うからです。

わたくしは、死刑制度反対の立場です。

最後に、前にも書きましたがもう一度、辺見庸氏の4月5日の講演会の時の発言。

「死刑はある種の国権の発動で、これが拡大すると戦争につながると私は思っている」

アマユウさんの発言。

「凶悪犯罪を犯しても十分に悔悟したのであれば死刑にする必要はなく、十分に悔悟しないうちは死刑にしてはならない、死刑に処せられることを望むものは罰として死刑にしてやらない、と現在のところ考えています。」
ブログ生方卓の社会思想史より