「メイド・イン・ジャパンのキリスト教」を書いたマリンズは、三つの基準に基づいて日本のキリスト教を土着ないし定着の程度から類型化している。それによるとモルモン教会は非土着的、外国志向的で正統性の主張において独占主義的であるため、セクト的であると位置づけられている (pp. 40-46)。
マリンズは最初に、この類型は日本のキリスト教理解のための試みであって、固定した定義ではなく理解のための架け橋であると断っている。神学的基準によるものではなく、解釈学的宗教社会学に立脚したもので、取り上げられたいずれの宗教組織も連続的な軸線上にある。
マリンズが立てた三つの基準は「自己規定」(正統性の主張)、「土着化の程度」、「基本的志向」(自治、自助自立、自己拡大)である。
著者は無教会など日本で生まれた土着的なキリスト教会に焦点を当ててこの書を著しているので、それらと輸入(移植)された宗教組織が対比されている。輸入された教会には、聖公会、カトリック教会、ルーテル派、日本基督教団(メソジスト、改革派、長老派、組合教会を合同)が数えられ、いずれもいまだに外国志向的であり、非土着的であると言う。現在でも宣教師を受け入れ、神学理解、教会の行政組織は西洋の教会を範としている。
モルモン教会も輸入された宗教組織であって、上の仲間に入るが自己規定(正統性の主張)においてエホバの証人、バプテスト国際宣教団と並んで独占主義的(セクト的)な枠内に分類されている。
類型表 別サイト
参考
マーク・R・マリンズ、高橋恵訳「メイド・イン・ジャパンのキリスト教」2005年、トランスビュー(株)
本ブログ 2006/5/22 外国志向でセクト的(Mullins) (ほぼ同内容)
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独善的って言った方が良いかも・・・?
その人達によって日本人のルーツが明らかになるかもしれません。
ここで読んだだけですけど…
http://www2.biglobe.ne.jp/~remnant/seisho4.htm
お任せいたします。
>ミャオ族が日本人のルーツ・・
ルーツといえるかどうか私には分かりませんが、大陸から日本人の大部分が来ていると思われますから、関係がある可能性が十分あります。
>お任せいたします。
そもそも、「独占主義」なんて言葉は、日本語には無いって・・どこかのおばさんが言ってましたが??
NJさんが創った造語ですか?
英語のmonopolistic の訳です。確かに普通日本語では聞かない表現かもしれません。
やっぱ、「独善的」の方が日本語とした合って居る様に思います。
教条主義( Dogmatism)に近いんでしょうか?
ちなみに文脈から見ると独占主義的(monopolistic)の対極にある言葉は「多元主義的」(pluralistic)となっています。流れから言っても変えられないところです。
・・・原著者、訳者の立場に立って。
なんて言葉を翻訳者って方は平気で使うんですね・・??
「真理を独占」と言う事についてどう説明するのでしょうか?
真理は独占できるものなのでしょうか??
ただ横文字を日本語に置き換えるだけなら、最近は機械でも出来ますよね、それを読んだ人が理解できるようにするのが翻訳者の仕事じゃないですか?
私の邪推では、「独善」と言う言葉の響きが良くないので「独占主義」なんてわけの分からない日本語になった様に思います。
モルモンは「独善的宗教」で、間違って無いと思いますけどね・・・。
独善的な私が言うのですから間違いない!!
わかりました。翻訳者の高崎恵さんに会うことがありましたらお伝えします。