4月22日ハルピン郊外の志華にあるアパートで開かれたキリスト者の集まり(15人)に出席し、牧師王娜(おうな)師に聞いたところ、先日出席した市内の集会(百人強)もこの分会も、中国に普及している三自愛国教会の組織と関係がなく、従って報告・調整することも、将来合流することもないという。これを聞いて、この群れはいわゆる家庭教会であることに気づいて驚いた。
これまで出席し観察してきた教会は皆、三自愛国の組織下にある公認されたものであった。よく聞く家庭教会はどのようなものか、できれば見たいと思っていたからである。
王牧師に聞くと、彼女が中心となって興している教会は、昔からの長い地下教会・家庭教会の歴史の先端にあって、伝統の影響を受けている、事実王師は先行する特定の人物の影響を受けていると語った。現在は家庭教会を取り巻く事情が変わって、理解の目で見られている。例えば市内の会館を借りていわば人目につく会場で集会を開いている。今は周囲からよいグループ・存在と認められていると思う、と王師は語った。
ハルピン市内中央大通りのすぐそばにある科学宮。この2階の講堂を借りている。
改めて印象を振り返ると、牧師(これまで二人見た)は普段着で説教、祈りのリードをし、礼拝の様子は原理主義的・福音派的であると感じた。(この点は公認の教会もそれほど変わらない。)若い人々を対象としていることもあって生き生きしている。一斉の祈りで指導する牧師は、佳境においてしばしば「・・バラバラ・・」というような言葉にならない表現をところどころはさんでいる。思うにこれは新約の異言を意識したものと予測される。洗礼は全身礼でハルピンは寒いので復活祭やクリスマスではなく夏(7・8月)に行われる。
私に分会について知らせてくれた学生の王亜晶さんの母親も大慶の家庭教会に属し、現在50人強が出席しているという。6月か7月に王亜晶さんと訪問してみたいと考えている。
関連記事 3/25 ハルピン郊外で学生の小グループのキリスト教集会に出席して
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貴ブログいつも拝見しています。
いつも興味深い情報ありがとうございます。特にアメリカの教会動向などは、ウォッチする余裕ないので助かります。
恩恵享受しながら当方からはあまりコメント提供せず恐縮です。今日は連休の余裕も手伝い、すこしだけ書かせていただきます。
中国の非公認系教会(地下教会・家庭教会)は元気なようですね。
かつての80-90年代に、三自愛系基督教(公認プロテスタント)の信徒は約1,500万人前後と発表されていた思います。これだけで人口の1%を超え、日本のクリスチャン比に相当し、しかも当時急激な勢いで増えていました。
非公認教会の信徒はこれをゆうに超えると見られていました。各研究者の推測する数字では数千万単位であったと記憶します。
94年に大陸で出会ったある台湾のLDS会員は、大陸の親戚を訪れて驚嘆したことを話していました。村全体がクリスチャン(非公認教会の会員)で、たいへん信仰深い生活を送っていたと言うのです。
今回本文に紹介されている教会はペンテコステ派のようですね。中国生まれのペンテコステ派に、真耶蘇教会という教会がありました。台湾では小さなまちを含めて、どこにもこの派の教会があったことを記憶しています。やはり礼拝中の祈りで異言を語り、かつて大陸で興った教会であると説明されました。
今回の記事は、大陸の地下教会に、そうした伝統がしっかり残留していることを想像させるものでした。
Julian
非公認の家庭教会の信徒数が多いと読んだことがありますが、まだ実際にそれを実感する経験をしていないため私にとって未知の事柄です。
現在では実際の信仰内容においてそれほど相違がないのではないか、体制側も双方に対して対応の違いがあまりなくなっているのではないか、という印象を持っています。隔てる幕は薄い?ただ、伝統ないし歴史的な経緯を負っているため歩みがたい面も残しているのだろうか、という目で見ています。