教会、「モルモン」という呼称を使わないように求める

 

 ８月16日、ネルソン大管長は改めて教会の名前にも、教会員を指す言葉としても「モルモン」という名称を使わないよう、教会内外に求める声明を発表した。あくまで教会の名前は「末日聖徒イエス・キリスト教会」であって、略称 “LDS Church” も使わないように求めた。

　教会のサイト mormonnewsroom.org に掲載された「用語使用手引き」(Style Guide) にこの度箇条書きで具体的に次のように記されている。（教会のサイトのurl なども今後改訂していくと言う）。

教会員を指す表現としては、「末日聖徒イエス・キリスト教会の会員」または「末日聖徒」が望ましい。教会名は文中正式名が使われた後、「教会」(the Church)、「イエス・キリストの教会」を薦めたい。固有名詞の場合は、モルモン書、モルモン街道など問題視しない。そして「モルモニズム」は不正確な言葉で、「イエス・キリストの回復された福音」が正確で望ましい、としている。

教会員の反応は、信仰熱心な会員は自分たちがどう呼ばれるかを決めるのは自分たちの権利だと歓迎しているのに対し、時折繰り返される問題で（1982, 2001, 2011年）重要な事柄ではない、世界宗教であるには何々-ism と呼ばれるのは避けられないではないかと冷静に対応する教徒もいる。

クレアモント大学院大学の宗教学教授でモルモン学主任のパトリック・メイソンは、モルモンという呼称が多妻を実施している分派も指して使われると、混同が生じるので区分を明確にする意味で必要であると理解を示す。しかし、この度の動きがこれまでと違って定着するかどうかは不明であるともCNNに答えている。

私は自ら名乗る時には、正式な教会名を伝えるのがよいということに異存はない。しかし、モルモン書を聖典視するという特徴をとらえて外部が通称で呼ぶことには寛容であってもよいのではないかと思う。（現在、蔑称というより、親しみ、好意的、敬意さえ含むことが増えている。）