東京薬科大学名誉教授の山岸明彦さんが代表となって国際宇宙ステーションで行なってきた「たんぽぽ計画」(パンスペルミア仮説の検証実験)の研究結果のプレスリリースが出ました→「微生物は紫外線下で長期間生存可能:国際宇宙ステーション曝露実験」。
細菌のかたまりを宇宙空間に3年間さらしたままにしても、生き残っていたというものです。発表では、これはパンスペルミア仮説を支持するものだとしています。
細菌の種類は「Deinococcus radiodurans (デイノコッカス・ラジオデュランス)」というやつ。放射線耐性微生物だそうですから、もともと放射線には強い性質をもっているのでしょう。
それにしても、3年間、宇宙ステーションの外に置きっぱなしでも死なないというのは凄いですねえ。隕石などにのって、火星から地球にやって来たとしても不思議ではない。
ただし国際宇宙ステーションの周回する軌道はバンアレン帯の内側なので宇宙線の多くは遮られています。さらに過酷な宇宙空間ではどうかというのが気になるところ。
なお、なぜ「たんぽぽ計画」というのかについては、ホームページ(しばらく更新されてませんね)でもわかりますが、今発売中の〈日経サイエンス〉10月号で山岸先生が説明なさっているのがわかりやすい。
「たんぽぽが綿毛で種子を飛ばすイメージがパンスペルミア説と重なることから名付けた」。
同誌の特集は「地球人の孤独 フェルミのパラドックス」。なぜ、エイリアンが地球に来ていない(ように見える)のかを議論しています。
私はこの件に関しては、他の星での生命の誕生や、宇宙空間を越えての移動はあり得るとしても、それがいわゆる異星人(知的生命体)である可能性はゼロに近いのではないかと考えるようになりました。「生命」をすぐに「知性」に結びつけるのは話を急ぎ過ぎでしょう。
いや、知性をもたなくても生命は素晴らしいんですけどもね。
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