惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

「描くひと 谷口ジロー展」

2022-02-25 21:14:16 | アート・文化

 ウクライナでのプーチン政権の暴虐をどうやって止めるか。なんとかして前途に希望のもてる方向にもってゆかねば。
 といって、個人に何ができるのか、暗澹たる気分になるばかりですが……。

 そんな中で注目したのは、ハフポスト日本版のこのニュース。フィギュアスケートのメドベージェワさんらロシアの著名人が戦争反対を表明しているというのです。
 同じような声をロシア中に! そして全世界に!
 指導者が勝手なことができないよう、声をあげること。プーチン大統領が本当に怖れているのは、ウクライナがNATOやEUに加盟することより、民主的体制が足もとに及ぶことなのかもしれません。今回の暴挙がロシア国民の良識に火をつけ、そうした運動を呼び起こすことを願っています。

 今日は、午後、世田谷文学館へ出かけて「描くひと 谷口ジロー展」を見てきました。『「坊っちゃん」の時代』や『歩くひと』、『孤独のグルメ』などで知られるマンガ家ですね。

 くっきりした描線で細部まで描き込まれたひとコマ、ひとコマの見事なこと。
 人物も、背景も、登場する動物、植物、石ころのひとつひとつにまで神経が行き届いています。見ていて溜め息が出てきます。

 ダイナミックな動きのシーンは、極めて速い「シャッタースピード」で切り取られ、時間が止まっているかのよう。それでいて前後の動きが圧倒的につたわってきます。すごい迫力。
 一方、ご自分のテーマとしていたと思われる、日常のさりげない時間や光景を愛でるおだやかな視線にもほっとします。

 類例のないマンガ家でした。69歳で早世したのが惜しまれます。

 会場に設けられた漱石先生の書斎で記念撮影させてもらいました。

 会期は終了が迫っています。今月27日(日曜)まで。