(23) 日中関係Ⅱ (第1次世界大戦以後~1945) -19-
ⅳ 日中戦争(支那事変)-6-
■まとめと考察 2-1/n
■戦後生まれ日本人の歴史認識
日中戦争(支那事変)は、全体像としては、《日本軍は中国亜大陸に進出したが、中国軍は日本には侵入していない》という歴史的事実により、《日本の中国侵略(※欧米列強も同じ)》と言われてもしかたない戦争行為。
しかし、日中戦争(支那事変)は、①(極東軍事裁判史観による)「日本の計画的世界侵略の一部だ」とか、②《欧米列強と同じの、確信的で全面的な「植民地帝国主義」による侵略だ》、という、”ゆがめられた歴史認識”が、いまだに中華圏諸国や日本共産党・立憲民主党、米欧人の一部学者などによって主張されていることを考えれば、日本人としてきっちりと細部まで確かめないといけない。
しかも、戦後生まれの日本人や、(台湾や東南アジアの一部を除いた)世界の多くの人々も、おおむね②のように認識している(らしい)ことを考えればなおさらだ。
※(最近できた育鵬社と自由社以外の)東京書籍以下の6社が、GHQの占領政策に従って以来連綿と戦後70年にわたって日本の中学生にそのように教えてきたのだから、多くの日本人の”自国についての歴史認識”について外国のせいにするわけにはいかない。
1 盧溝橋事件の描き方のちがい ~どちらが先に発砲したのか?~
今に至るまで、”誰が発砲したのか”は不明。ただし、”日本軍ではない何者か”であることはまちがいない(ようだ)。
●日中戦争(支那事変)の重大なきっかけとなった「発砲者」について、《日本軍ではない》とされているのに、そのことについて意図的に無視あるいはあいまいにしている。 → × 東京書籍、帝国書院、教育出版、日本文教、清水書院、学び舎。
※1 育鵬社は「何者かの銃撃を受けて」、自由社は「日本軍に向けて、何者かが発砲」と書いており、《発砲者は日本軍ではない》ことを明らかにしている。
※2 上記※1は、日本軍が、”いけいけどんどん”の、《確信的で全面的な侵略者》ではなかったことがよく分かる、重要な歴史的事実。
~次回、まとめと考察 2-2~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》