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【中学歴史教科書8社を比べる】562 29 日米関係 -127- ⅹ 大東亜(太平洋)戦争-35- ⑷ アジア諸国①:東南アジアとインド 7/n<ベトナム>

2018年07月28日 | 社会・文化・文明

29 日米関係 -127-

ⅹ 大東亜(太平洋)戦争 1941-1945 -35-

■まとめと考察 ⑷ アジア諸国①:東南アジアとインド  7/n ~ベトナム(まとめ表再掲)




 

1 「ベトナム」の描き方

■参考資料  <ウィキペディア:「ベトナム」より>

・「ベトナム社会主義共和国、通称 ベトナムは、東南アジアのインドシナ半島東部に位置する社会主義共和国。首都はハノイ。ASEAN加盟国、通貨はドン、人口9,250万人(2014年末)。国土は南北に細長く、北は中華人民共和国、西はラオス、南西はカンボジアと国境を接する。東は南シナ海に面し、フィリピンと相対する。」

・「第二次世界大戦 1940年、フランス本国のドイツによる占領、ヴィシー政権樹立に伴う日本軍の北部仏印進駐。1941年、タイ王国とフランス(ヴィシー政権)が交戦。日本政府による仲裁。直後に南部仏印進駐から日英米開戦、太平洋戦争勃発。
 1944年、ヴォー・グエン・ザップが武装宣伝旅団(ベトナム語版)(ベトナム人民軍の前身)を組織。凶作に加え、米軍の空襲による南北間輸送途絶や、フランス・インドシナ植民地政府及び日本軍による食糧徴発などが重なり北部(トンキン)を中心に翌年までに200万人以上(諸説あり)が餓死したとされる(1945年ベトナム飢饉)。

 1945年3月11日、保大(バオ・ダイ)帝が日本の援助(明号作戦)下でベトナム帝国の独立を宣言。1945年8月15日、日本がポツダム宣言を受諾した旨声明(玉音放送)し、軍に戦闘停止を命令。8月17日、ベトナム独立同盟(ベトミン)がハノイを占拠(ベトナム八月革命)。9月2日、ベトナム民主共和国の樹立を宣言、ホー・チ・ミンが初代国家主席兼首相に就任。同日、日本が降伏文書に署名した。」

<参考>インドシナ戦争 1946年11月、ハイフォン(海防)でのフランス軍との衝突から、フランスに対する独立戦争(第一次インドシナ戦争、1946年 - 1954年)が始まる。1949年、フランスはサイゴンにバオダイを復位させ、ベトナム国として独立を認める。中国、ソ連は、ベトナム民主共和国を承認。北ベトナムの土地改革(ベトナム語版)(1953年 - 1956年)。1954年5月、ディエンビエンフーの戦いでフランスは敗北、7月ジュネーヴ協定を結び、ベトナムから撤退、独立戦争終結。同時に、北緯17度線で国土がベトナム民主共和国(北ベトナム)とベトナム国(南ベトナム)に分断される。10月、南ベトナムではアメリカを後ろ盾にゴ・ディン・ジェムが大統領に就任、国名をベトナム共和国にする。1960年12月、南ベトナム解放民族戦線結成。」

■評価

●中学生が、《「1945年ベトナム飢饉」の原因・責任が日本軍(だけ)にある》と誤解する可能性が極めて高い表現を採用している。 →  日本文教。

※「注3」の文章全体は次のようになっている。(※色字化は松永による)

 →「日本軍は 中国系の住民やフィリピン人を敵視し、ときには弾圧しました。ベトナム北部では.戦争で物資の輸送が難しくなったところに、凶作が重なり,飢えで亡くなる人が多数発生しました。」

 多くの中学生は、文脈により、《「戦争」は日本軍が起こしているので、物資の輸送が難しくなった責任は日本軍にある》と解釈するだろう。

 しかし、<ウィキペディア:「ベトナム」>には、「凶作」(※主因)以外の原因として、主に、①「米軍の空襲による南北間輸送途絶」、②「フランス・インドシナ植民地政府による食料徴発」、③「日本軍による食糧徴発」があげられている。

 ウィキペディアの表現が「真」であるとすれば、《(飢餓の)主因は物資の輸送難で、凶作は従因》だと読解できる表現をし、かつ、《物資の輸送難は「日本軍」による》と思わせるような書き方を採用している日本文教社の表現は、〝物書き(=文章を書くことをなりわいにしている者)” からみれば、極めて悪質な「嘘(プロパガンダ)」だと思える。

 

 ~次回、8/n インドネシア

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《著者:松永正紀  教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》

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