社民党 京都府連合 野崎靖仁 副主席語録
社会民主党 中央規律委員 野崎靖仁、55歳。
日々の思いを綴ります。
 



MOVIX京都で映画「スターリンの葬送狂想曲」を見ました。



【公式】『スターリンの葬送狂騒曲』8.3公開/本予告


“敵”の名簿を愉しげにチェックするスターリン。
名前の載った者は、問答無用で“粛清”される恐怖のリストだ。

時は1953年、モスクワ。
スターリンと彼の秘密警察がこの国を20年にわたって支配していた。

下品なジョークを飛ばし合いながら、
スターリンは側近たちと夕食のテーブルを囲む。

道化役の中央委員会第一書記のフルシチョフ(スティーヴ・ブシェミ)の
小話に大笑いする秘密警察警備隊長のベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)。
スターリンの腹心のマレンコフ(ジェフリー・タンバー)は空気が読めないタイプで、
すぐに場をシラケさせてしまう。

明け方近くまで続いた宴をお開きにし、自室でクラシックをかけるスターリン。
無理を言って録音させたレコードに、
ピアニストのマリヤ(オルガ・キュリレンコ)からの
「その死を祈り、神の赦しを願う、暴君よ」と書かれた手紙が入っていた。
それを読んでも余裕で笑っていたスターリンは次の瞬間、顔をゆがめて倒れ込む。

お茶を運んできたメイドが、意識不明のスターリンを発見し、
すぐに側近たちが呼ばれる。驚きながらも「代理は私が務める」と、
すかさず宣言するマレンコフ。側近たちで医者を呼ぼうと協議するが、
有能な者はすべてスターリンの毒殺を企てた罪で獄中か、死刑に処されていた。
仕方なく集めたヤブ医者たちが、
駆け付けたスターリンの娘スヴェトラーナ(アンドレア・ライズブロー)に、
スターリンは脳出血で回復は難しいと診断を下す。
その後、スターリンはほんの数分間だけ意識を取り戻すが、
後継者を指名することなく、間もなく息を引き取る。

この混乱に乗じて、側近たちは最高権力の座を狙い、
互いを出し抜く卑劣な駆け引きを始める。
表向きは厳粛な国葬の準備を進めながら、
マレンコフ、フルシチョフ、ベリヤに加え、各大臣、
ソビエト軍の最高司令官ジューコフまでもが参戦。
進行する陰謀と罠――果たして、絶対権力のイスに座るのは誰?!




スターリンの死の直前からベリヤ粛清までを描いた作品です。

スターリンが倒れたのが1953年3月1日。5日に死去。
スターリンの葬儀が行われたのが3月9日。

史実では、ベリヤが逮捕されたのは6月26日ですが、
この映画では葬儀の翌日に逮捕・処刑が行われたことになっています。

スターリンが倒れてから数日間の出来事に圧縮することで、
ドタバタと緊迫感がわかりやすくなっています。

原題は「Death of Stalin」ですが、
邦題の「スターリンの葬送狂想曲」もなかなか秀逸です。

スターリンの側近たちは、やたらと 「fuckin」など品のない言葉を使い、
その卑小さ、小物っぷりが強調されています。

フルシチョフ:ジョークを飛ばすおしゃべり野郎
ベリヤ:秘密警察の長官
マレンコフ:空気の読めない腰巾着
ジューコフ:脳筋のイケイケ軍人

など、各人のキャラクターもかなりカリカチュアライズされています。

ベリヤがスターリンの死後、粛清をやめようとしていたこと、
少女との性行為を好んでいたことは事実です。

宣伝文句では「最高権力者の座を巡る椅子取りゲーム」ですが、
実際は「粛清されないために保身に奔走するババ抜き」です。

スターリンに粛清されないよう懸命にご機嫌取りをする側近たち。
粛清の実行犯でありながら、人気取りのために自由化を進めるベリヤ。
ベリヤに粛清されないよう排除の根回しに奔走するフルシチョフ。

自分が頂点に立つというよりは、それぞれが最大限保身に走った結果の
ドタバタ劇、という感じです。

スターリンの粛清の実行者であったベリヤを物理的に排除することで、
フルシチョフら党幹部はスターリンの恐怖から完全に解放され、
枕を高くして眠れる状況になったのでしょう。

シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』が
シーザー暗殺後の権力闘争を描いているように、
最後までこの映画に影を落としているのがスターリンです。

現代史の予備知識がなくても楽しめるようになっているので、
ぜひぜひご覧ください。



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