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マダム・バタフライ

前回公演とそんなに大きく変わった点はなかったかな・・・(前の公演の記憶がすでに曖昧)。

いきなり細かいとこだけど、スズキさんたちが履いているシューズ、外の場面では本当に草履みたいな鼻緒模様付きだった。
前から履いていたかな?ポワントでも結構自然に見えて面白かった。
で、
体感では1幕のアメリカ部分が長く、日本の部分が短く感じた。
ので、すべての見せ場はここ!とばかりに踊る男性ダンサーを眺めていた。いつ船が出るんだっけ?と思いつつ、手旗とか女性たちが出てきたりと、変化に富んでいるから苦痛ではない。でもあれ以上長かったら「さっさと出航しろ!」とは思ったかも(笑

日本の花街はうって変わって薄暗く、湿度も感じるような雰囲気。
女性の日本髪、着物アレンジの衣装は見ていても楽しい(一場とは同一人物に見えなかったり^^)
ボンゾウ、本当は何しにきた?な疑問はあるものの、緊張感も盛り上がったり。
よくできた装置でもあるけど、花魁に合わせて本来なら地面から生えているであろう灯りを移動させると、異国の方などには本当にそんなものがあると勘違いされないか、心配ではあった。もし実際にあったとしたらやっぱ「提灯」なのかなあ・・・
少しサイドからだと、灯りをスライドさせる男性たちの動きも目に入るけど、真正面からなら気にならないのかな。

二幕の後半は涙なしには見れない・・・
欧米の人ならピンカートンに飛びついてハグしそうなところ、静かに三つ指ついてお辞儀する・・・というのがうるうるMAXポイントだった。
音楽も非常に良くて。

でも蝶々さんが自害の後、星条旗が出るのはちょっとくどかった。
息子がその後アメリカに渡ったことを説明するなら、たとえば出て行く船の汽笛ぐらいでも良かったような。
(オペラではどんな風なんでしょ?)
以前の日本では死のイメージカラーは白なので、背景も白系が良かったな・・・そこで桜まで散らしちゃうとまたどこぞで見たような、になってしまうか?
米国で始まって米国で終わ・・・らなくてもいいし、あの話なら。

演出で「惜しい」と思ったのは(前もそうだったけど)、蝶々さんの回想シーンで、ピンカートンが謎の「どこでも障子」にかき消されるところ。
唐突なんですもん、派手にスライドする障子が。
もし障子(もしかして襖なのか?)を強調するなら、障子に一人で踊る蝶々さんのシルエットが映る・・・なんてのはどうだっただろ。
別にピンカートンが登場しなくても、蝶々さんが孤独なのはわかるし。西洋のドアや壁ではありえない現象でしょうし。

蝶々さんの懐剣が暴走するシーンの意味がようやくわかった。
でもそれも解説を読んでのこと。
ちょっと難しい。
始めの方で蝶々さんが懐剣について、どんな心理なのかを説明しておいてくれるとわかるかも。
亡き父親の元から手にする瞬間がすごく重要なのかもね・・・彼女にとって重要なのだろうけど、わりとあっさり拾ってそのままスタスタ持っていってしまうから・・・

結構ディスっているけど(笑)、よくできているとは思っているのです。
異国の方の感想をぜひ聞いてみたいです。
イタリア、がんばって行ってください。
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東京SWAN1946

東京SWAN1946~戦後の奇跡「白鳥の湖」全幕日本初演
という映画を観た。17日と今日(21日)

前に宮尾さんの出演したTVのドキュメンタリー番組をもう少し詳しくした内容。

TVで観た後、思わず自分のバレエ史を振り返ってしまったあれ^^;
映画では再現バレエシーンがほぼノーカットだったのと、メイキング場面で振付をされたうらわ氏のマイムシーンなどが入っていた。
日本初の白鳥の湖は、いろいろな偶然が重なって奇跡的に実現できた、というのがコンパクトにまとまっていたし、後半のバレエシーンも美しいし、限られた時間に目一杯詰まった内容だった。
・・・うらわ氏のマイムにはやられたなー。
もうすっかりおじいちゃま(今日の舞台挨拶でもご自分で王子じゃなくておじいとか言っていた)なのだけど、その間は本当に初々しい王子に見えたんですもの。
脚さばきもきちんとされていたし。真摯に向き合ってきた方はどんなに時間が経っても本物なのだな、と。
ご本人、最後にひざをついたら立ち上がれなかった、とも語っておられた(そのシーンはカット)。
いきなりマイムを見せて欲しいと(宮尾さんに言われて)、ちょっとケンカを売られたと感じたらしい 笑
60年くらいブランクがあるけど、やらないわけにはいかないと受けて立たれた模様(・・・舞台挨拶での談)。
いや、ほんと素敵でしたよ。

映画では取り上げられていなかったけど、島田寛氏が日本で通った日大の芸術学科は貝谷八百子さんの兄上が芸術を学びたいから、っていうことで、二人の母上が日大にぽんっと土地を寄付したから発展できた・・・そこらへんの時系列が厳密にはどうかわからないけど、そんな縁もあった模様。
なんか本当に凄い時代だったな。

再現バレエの特徴は、今ならいないはずのベンノがアダジオ部分に登場すること。
最初はベンノの肩にオデットが乗るような振付があったのか? その点をくまさん♪がちょっと違和感があると話したところ、宮尾さんが激しく論破していたように見えて、
あらまあ、くまさん♪を言い負かしたわ、と驚きもしたのだけど、実際の再現では王子がリフトしていた(だから、どこでそうなったの?って思った)。

もうひとつ、初演のラストはどんな結末だったか。本では白鳥が人間に戻ってハッピーエンド、と読んだ気がしたけど、どうも王子も白鳥も亡くなって、あの世で結ばれる、というものだったらしい。古くからある定番の終わり方だからそうだったかも。でもちゃいさんの音楽には救いがあるから、悲しさ100%ではないのよね。

再現バレエは・・・とてもゆっくりした運び。脚もそんなには高く上げない(という振付だった模様。踊る側としてはそれも相当大変な気が。浅川さん、天晴れでした・・・)
それで舞台挨拶で石井先生が間のある踊りの方が、間を埋めるところに個性が出る・・・というようなお話をされていて、いたく納得。
今のバレエはテンポが早目だし、パがぎゅうぎゅうに詰まっているから・・・誰が踊ってもあまり差が出ない(あっても分かりにくい)のだわ。
たしかに歩くだけとか凄く単純な動きに違いって良く出る気がする。
再現でも白鳥と王子が一旦出会って、悪魔に邪魔されて引き離されるシーン、退場する悪魔は単にゆっくり歩いて去っていたけど、凄く好感が持てた。
今ならジャンプのひとつでも入れるか、凄い勢いで走り去っていくでしょうに。音楽にしたらそういう方が合ってる気がする。

それにしても「踊りは心」・・・
とてつもなく重いテーマだわー

あと、観ている間に帝劇の間取りを思い出していた。
そういえば当時は入口がお堀に面していたのだった(というのも昔、おじいちゃんなタクシードライバーに聞いた話)。
だから入って左右に階段があるという作り。
今だと90度変わってるから、なんとも変な動線になってるんだな・・・
まあ、それも建替えがあって、もう少しで見納めかもしれないが。
変わっていくのは仕方がないけど、古いものが無くなっていくのも寂しいな・・・
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シネマ シンデレラ

パリ・オペラ座公演の映画。
2018年の収録。
シンデレラ/ヴァランティーヌ・コラサント
映画スター/カール・パケット
姉妹/ドロテ・ジルベール、リュドミラ・パリエロ
継母/オーレリアン・ウエット
プロデューサー/アレッシオ・カルボーネ
振付(演出も?)/ルドルフ・ヌレエフ

パリ・オペラ座バレエシネマ フェスティバルというのが来年4月まで開催されて、その第1弾だった模様。
プレトークで宮尾さんご登場。足さばきの細かい特徴に加え、ヌレエフ氏の滅茶苦茶詰め込んだステップや、黄金期ハリウッドをオマージュした独特な世界観の演出・・・
という解説に加え、現在の仕事(「ハリーポッターと呪いの子」の舞台がまだ100回以上残っていること)、食事にまつわる蘊蓄・・・免疫力UP、日本人なら発酵食品!キムチ(機能性表示マークのあるものをセレクトすること)、納豆は夜に、暖かいご飯とは別盛りで食べることなどを力説。
・・・バレエよりも食品のトークの方に熱を感じたけど、良かったのかな(笑)

そしてバレエ。
宮尾さんに言われたので、やたら足元を見ていたら、ややこしいことこの上なく、途中で頭がぼーっとなってしまう始末。
とにかく普通のシンデレラとは設定が違いすぎるので、面くらうし、もう1つの大きな特徴は男性ダンサーが多い!そして映画スター(従来なら王子)が、これでもかーこれでもかーと踊りまくる。
3幕、靴を手掛かりにシンデレラを探すシーンの、行先が変わるたびに登場するときのステップが、他の作品なら一番の見どころのマネージュに相当するんじゃ?
それが何度もあるから・・・楽しい。
楽しいといえば、義理姉たちもエトワールが演じているので、コミカルかつ難解ステップで凄い。
そんな中で主役のシンデレラもまー凄い体幹で、どうやったらそんなことできるんでしょ?なステップを楽々と踊っている(ように見える)
ただ!どちらかというとがっしり系な体形なので、はかなさ・・・は微塵もない。やろうと思えば義理姉二人だって楽に投げ飛ばせそう。
欧米の女性にはそういう面を求めてはいけないのかもしれない・・・(ジェンダーの問題で?)。

ので、どちらかというと男性ダンサー目当ての方が面白いかも。

衣裳デザインは森英恵さんだけど、あの、時計というか時間経過を踊る人たちの衣裳デザインもそうだったのだろうか・・・
異空間の雰囲気を出すためなのか、ちょっと直視に耐えられないほど攻めたもので、それがばっちり見えるように、時刻を告げるシーンでは丁寧に同じことを12回もしてくれるので、もう腹筋が攣りそうで攣りそうで(あれって罰ゲームじゃないんですよね?)

ほんと欧米のセンスってときどき分からない・・・

という点も含めて、本当に凄かったです(褒めてます)。
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バレエの情景

〜語り継ぐバレエの軌跡〜マエストロ福田一雄のドリーム・プロジェクト 卒寿記念特別公演 バレエの情景 スペシャル・ガラ
タイトル長っ

氏に所縁の深いバレエ団・・・谷桃子バレエ団・東京バレエ団・東京シティバレエ団・牧阿佐美バレエ団・K-BALLET COMPANYが1日だけ一同に会した公演。
バレエと演奏だけのパートと、間に氏のトークも入り盛りだくさん。
実際の指揮は福田氏と井田さんとで分担。

バレエは初めて観る作品もあって、それは当然初めて聴く音楽でもあり、面白かった。
他のバレエ団と、となるとやっぱり少しは?ライバル心もあるでしょうし、「絶対失敗できない!」という緊張感もあったのではなかろうか。
K-のシンプル・シンフォニーも少しいつもと違った目線からだったからか、短く感じた(前はなんかしんどそうだなーが全面に立ってしまい・・・)し、あらためて斬新な振付だなーと感心したり。

客席の客層もいつもと違って・・・
冒頭の「バレエの情景」の前奏曲(なんて曲があるのも初めて知った。しかもグラズノフ作曲)、「真夏の夜の夢」の序曲が終わったところで、お隣の方から
「やっと幕があいた・・・」というつぶやき(というよりしっかり聞こえた。その後もお身内の方が出ていたのか、普通に会話されるので苦笑)
私はといえば、ここまででもうほとんど大満足していた。特に真夏の夜の夢の弦のざわざわ感・・・いかにも森にはいろんなものがいますよー感だけでひざ裏センサーが発動した。コンサートでの発動は珍しくて、いつ以来だったかなーとも思っていたので、つぶやきとのギャップでも面喰い気味。
ほーっになったのはドン・キホーテのキトリの友人Va.2の音楽。聞き慣れたのとはけっこう違っていた。ちょっと短調っぽい?(音楽理論はわかりません)。それもあってか友人1・2の踊りはなんだか凄く好感が持てた。(他が気に入らなかったというわけではなく!)

バレエは贅沢なラインナップだったけど、あくまでもメインは音楽だったな・・・

福田先生(と呼んでしまおう)には、これからも末永く活動を続けていただきたいと切に切に願います。
最高齢バレエ指揮のギネスにも挑戦していただけないだろうか・・・
先生を拝見していると、メンタルが一番強いのは芸術家、という思いが募る。
いつも身近で、あれだけ心地良い時間を過ごしているのですものね。

あ、プログラムや舞台奥に投影された「バレエの情景」のフォントが面白い。横棒の端っこがバレエの爪先みたい^^

バレエチャンネル【読み切りまんが】福田一雄ものがたり〜日本初の「バレエ指揮者」が歩んだ道
2022.11.11 春原 弥生

もステキ(くまさん♪を格好よく描いてくれて嬉しい)
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思い出した 「クレオパトラ」

この間のバレエ「クレオパトラ」のことで1つ書き忘れ。

前奏曲を聴いて、「ん?」と思った。前とちょっと違っていて。
説明が難しいけど、目立つあのメロディの、裏のリズムが強調されていたのではないかと。
結果、前より息が詰まるような、不安定さがありながらも、よりドラマティックに感じた。
元々聞き慣れない^^;曲だったから、初めてのときでもインパクトはあったけど、より印象が強くなったかな・・・

あと、ローマの戦いシーンは3人登場していた。
前はポンペイウスとシーザーだった・・・と思うのだけど、今回はポンペイウスとアントニウスとオクタヴィアヌスだったのかなぁ・・・
(被り物と薄暗い照明でよく分からないのよね)
最近乱視が入ったから、元のまんまの二人だったかも(笑)

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