のそのそ日記

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鳥山明氏

2024-03-17 11:34:29 | 日記

空気のように存在しているものに形と名前を与えて社会全般たくさんの人にとってなにがしかの豊かさを渡してくれる、文化ってそういうものかもしれん

鳥山明氏の訃報を聞いてからたくさんの人の追悼を見て、殊、ものを描く人作る人にとって、鳥山先生は見えなかったものに形と名前を与えてみんなが使えるようにした人だったんだなと思ったので。

3年ほど前、鳥山明や大友克洋の作品を初めて見た今世紀のクリエーターが「すべてただの基本が描いてあるだけで、何が新しいのかわからない」と述べる話題があがってたのを思い出した。
あなたたちにとっての「基本」という土台は、ほんの40年ほど前にやっと築かれた新しい大地なのよ。それを作ったのが大友氏や鳥山氏のような作家で、会社でも学校でも創作集団でもない少ない人たちの作品によって拓かれたんだという説明で決着してたけど。

今また「絵柄がぜんぜん違う作家までが影響を受けたと言ってるけどほんとか?」という話が散見されてて、今や誰もがあの「基本の大地」に乗らなければ上に行くことができないんだよ…って話がリピートされている。墜ちた巨星が巨大すぎてピンとこないのかもしれん。

「君より前に生きた人びとの骨からなるこの大地の上をそっと通りすぎよ。
 君は不用意にも何の上を歩いているかを知っているのか?」

千年前のアラブの詩人が言い得て妙。

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