のそのそ日記

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ソドムの伝説と隕石の話

2021-09-21 18:23:00 | ノンジャンル
 旧約聖書の時代(紀元前1650年(約3600年前)に、隕石がヨルダン渓谷南部の青銅器時代中期の都市・トールエルハマムを破壊したという宇宙考古学の研究記事を読みました。
 うわあ大変燃える。

「 紀元前1650年(約3600年前)に、宇宙の曳火が死海の北東にあるヨルダン渓谷南部の青銅器時代中期の都市であるトールエルハマムを破壊したという証拠を提示します。
 提案されたエアバーストは、ロシアのツングースカでの1908年の爆発よりも大きく、広島の原子爆弾の約1000倍のエネルギーで幅約50mの火球が爆発しました。
 市全体の厚さ約1.5mの炭素と灰分が豊富な破壊層には、衝撃石英のピーク濃度(〜5〜10 GPa)が含まれています。溶けた陶器と泥レンガ; ダイヤモンドライクカーボン; すす; FeおよびSiに富む球体; CaCO 3溶けた石膏からの小球; 溶けたプラチナ、イリジウム、ニッケル、金、銀、ジルコン、クロマイト、石英。加熱実験は、温度が2000°Cを超えたことを示しています。街側の荒廃の中で、曳火は4〜5階建ての宮殿の複合施設の12 m以上と、厚さ4 mの巨大な泥レンガの城壁を破壊し、近くの人間に極端な関節離断と骨格の断片化を引き起こしました。
 曳火に関連した塩の流入(約4 wt。%)は、高塩分を生成し、農業を阻害し、半径25 kmを超える範囲内の約120の地域集落の約300〜600年にわたる放棄を引き起こしました。トールエルハマムは、シリアのアブフレイラに次ぐ、宇宙の曳火/衝撃によって破壊された2番目に古い都市/町であり、おそらく口頭伝承が書かれた最も初期の場所です(創世記)。」

https://www.nature.com/articles/s41598-021-97778-3

 二つ身の天使が天から炎の柱を打って都市を破壊する、失われた都市を振り返った者が塩の柱になる、とかの聖書の話がなにか破壊力が大きすぎてSFじみているなと思っていたけれど、本当に宇宙からの災厄だったのなら、それを目の当たりにした人たちがユダヤ教の苛烈な神のイメージにつなげたのも納得です。
 失われた都市が3千年も維持された高い文化を誇っていたのに、破壊された後は数百年単位で土地を捨てなくてはならない悲哀も、神話級。
コメント
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