起業会計

公認会計士による仙台TEOの起業支援活動、会計トピック、監査トピックの解説

一括償却資産の減価償却

2005-10-15 08:53:05 | 会計
固定資産は通常、耐用年数を見積もり減価償却をする必要がありますが(例えば5年等)、一括償却資産(10万円から20万円の減価償却資産)については、税務上3年均等償却が認められています。
つまり、一括償却資産は1年ではなく3年で償却しますが、一括償却資産といいます。10万円未満の固定資産は少額資産と呼んだりします。
例えば、15万円の備品を購入した場合、取得が期中でも1年目に5万円の償却が認められています。

つまり、取得価額で税務上の処理を分けると次の通りです。
①10万円未満(少額資産)    取得時に全額費用計上
②20万円未満(一括償却資産)  年間3分の1を減価償却(年割) 
③20万円以上(通常の固定資産) 通常の減価償却


また、一括償却資産の会計処理には次の3つの方法があります。
①重要性が低いとして消耗品費として全額費用計上する方法(税務上は別表で加算します。)
②通常の固定資産と同様の減価償却をする方法
③3年均等償却する方法

会計上、①②は合理的ですが、③は重要性が無いからという理屈または、残存価格がゼロで耐用年数は3年と見積もったという理屈だと思います。
なお、ほとんどの会社は③の会計処理を採用している場合が多いと思われます。


3年均等償却が認められた趣旨は、①事務処理の簡便化と②税源の確保にありました。

①少額の固定資産を全て個々に把握して減価償却計算などの管理を行うのは大変であることから、取得時に取得価額を把握すれば、その後は均等で償却することで除却などを管理することも必要ないこととしました。個々の資産を台帳管理する必要はありません。したがって、償却途上の固定資産を除却したとしても除却損を計上することはできません。
この背景には、少額資産は年間を通じて均等に比較的大量に取得されているという事が前提になっています。(もちろん、実際にそうなっているかどうかは関係ありません。)

②また、その昔は20万円未満を少額資産として取得時に全額費用計上することができました。しかし、税源確保のため、少額資産とできる固定資産の基準が10万円未満に切り下げられたとう背景があります。


次回は、中間決算時の一括償却資産の減価償却を書いてみたいと思います。


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コメント (7)
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