明日のカープ

広島東洋カープの昨日・今日・明日を見つめます

竜の猛練習 精神力養う~小林誠二

2012-02-20 12:24:16 | 頑張っとるけ 応援してぇの カープ!
 今回の提言は小林誠二。ご存じ地元県工こと広島工業出身。引退後は地元のTV解説を数年務めるものの球団からコーチの打診はなく干されていたところに目をつけたのが中日・落合監督。以後、落合が退任するまでの6年間盤石の中日投手陣の屋台骨を支える。
 これだけ実績を残した人間をほったらかしにするというのもいかがなものか…。

~以下、本文~


△監督から一任

(2004年のオフに)コーチ就任が決まり、初めて落合監督にあいさつしたときは驚いたよ。三冠王を3回も取った人が「俺は投手に関しては素人。分からんから森と相談して決めろ」ってね。とにかく肝が据わっていた。だから投手交代も95%は森さんが決めていた。
 ただ監督も勝負師だから、ゲームの状況を見守る中で、ここぞというときに残り5%の意見が出る。過去に例のない監督だと思う。

 例えば落合監督がキャンプ直前に強調するのは「144試合を終えた時に、鼻の差でいいからトップにいられるか」の一点。長丁場を見据えた考えや戦い方が、全体に浸透していたと思う。

 自分の職務でいえば、1軍が苦しいときに備えて、どう投手をスタンバイさせるかを常に考えた。柱になる投手はどのチームにも何人もいる。そこに不振や故障者が出たときにどうカバーするかが投手の層になってくる。

 キャンプは半端じゃなかった。ほぼ6勤1休。ミーティングも夜間練習もない代わりに一日の練習が長い。投手のランニングの量も相当だ。ある投手は300球を投げ込んだ後に、監督から個人ノックを受けた。1時間半くらい。死ぬんじゃないかと心配したよ。

 厳しい練習の目的は精神力でしょう。球際の強さというか、1軍の切羽詰まった状況の中で、相手に負けたくないという気持ちにつながってくる。吉見と浅尾に共通するのもハートの強さだからね。

△谷繁の高い要求

 谷繁が投手に求めるものも高く、厳しい。内角に投げられない人は絶対に認めない。最近は少し丸くなったけど、以前はそんなリードでは若手投手がつぶれやしないかと、ひやひやしていた。
 投手心理でいえば「打者にぶつけたらどうしよう」と「甘く入ったら本塁打される」という二つの恐怖心がある。でも中日の一軍投手陣は全員が内角に投げきれるよ。谷繁が徹底させているから。

 層が厚い分、競争も激しくなる。年齢や年数、実績に関係なく、いい投手は1軍にあげるしね。打線があまり打てないから、我慢強さも養われているのかな。

 カープの投手陣もよくなってきている。ただ故障が出た時に、どれくらいカバーできるか。

~以下、省略~


 う~ん。やはり恐れるべきは谷繁か…。
 カープはドラフトで谷繁をマークしていた。しかし、当時どうしても高橋慶彦の後釜が必要な球団は方針を変更して野村を獲得。
 一方、谷繁は大洋で一年目からベンチ入りしたもののその後干された時期もあり、一時は「カープへトレードか」という話もあったほど。しかしそれは幻に終わってしまった。理由はわからない。
 今となれば谷繁がカープにいたら…とただただ残念に思うのみ。