明日のカープ

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監督の仕事 緻密さ鍵、もっと指摘を~古葉監督

2012-01-24 18:21:18 | 頑張っとるけ 応援してぇの カープ!
 「広島が6度目のリーグ優勝を飾った1991年から、20年が過ぎた。最近14年間はBクラスに沈み、低迷脱出への兆しは見えない。「強い赤ヘル」の復活に向け、今何をすべきか。OBや他球団の関係者、有識者たちから、再建策を提言してもらう。」

 という主旨で昨年12月に中国新聞に掲載されて始まった企画。その後毎週日曜日の恒例コーナーとなりつつあるが、その第1回目を飾ったのが古葉監督。なんとも含蓄がある言葉の数々、ある意味この内容は野村監督に対する批判のようにも感じるが…。

~以下、全文~

▽将来見据えチーム作り

最近は成績が残せなかったら、コーチを代えていくよね。これが不思議で仕方がない。勝ち負けの責任は、監督以外にない。

1975年の途中で監督をやれと言われたが、その前の3年間は最下位で監督が毎年代わっていた。今年最下位だったら自分もクビになると覚悟した。そんな気持ちで、戦っていくうちに優勝争いに絡み、優勝できた。

戦力は他球団との比較で考えていた。うちの1番打者はあそこに勝っているけど、リリーフは負けているとかね。自分の球団の中だけで満足していては駄目。力で負けるんなら、どんな野球でカバーするかを考える。それはプロも大学野球も一緒ですよ。

▽若い投手成長

今のカープは若い投手が育ってきている。最近のドラフト指名を見ても、まず投手をしっかりしようという方針が分かるよね。ただ巨人や阪神のようなFA補強は難しいし、いずれは選手が出て行く可能性もある。スカウトと話をして、将来をしっかり考えながらチーム作りをするしかないよ。

打者も、本塁打をガンガンうつ打者がいるわけでもない。広島の良さは、足を使った野球ができるかどうかにかかっている。ヒットエンドランやバントを交え、大事な場面でスクイズを決められるか。ゲームに必要な練習をいかにやるか、これ以外にない。

僕から見ると、野村監督はまだベンチで目が光ってない。僕は今も試合中は必ずベンチの隅っこに立つ。あそこが一番グラウンド全体の動きが見える場所だから。学生には「オレもグラウンドにいる。戦っているんだぞ」と言ってね。

投手のボールから目を離したことがない。一球に皆がどれだけ集中し、守りの準備をしているか。球種によって、どんなスタートを切っているか。気付いたことは試合中に指摘するし、集中していない選手には怒る。

特にプロは、大変なお金を払ってファンに足を運んでもらっているんだから。みなさんに納得してもらえるかは、シーズンを通して緻密な野球ができるかどうかにかかっている。野村監督はもっと目を光らせて、指摘してほしい。プロとして、きちんとした野球をしているか、させているかは監督の仕事だ。

▽5割が最低限

勝率5割は最低限の仕事と考えていた。あと5勝できるか、5敗してしまうかで監督の評価は分かれる。そのためにユーティリティプレーヤーを作ったし、高橋慶彦や山崎(隆造)をスイッチヒッターにした。主力の故障に備えてね。野村監督も秋季キャンプで取り組んだそうだけど、当然のことだよ。

当時は僕がゼネラルマネージャー的な役割もやっていた。。故松田耕平オーナーから「責任はお前にある」と言われていたし、現場を一番分かるのは監督でしょう。自分が辞めても、5年間は優勝争いできるチーム作りも目指していた。常に将来のことを考えるのも監督の大事な仕事だよ。

~以上~

 
 「野村監督はまだ目が光ってない。」

 たしかに野村は勝負師ではない。昨シーズンにも数回見られたルール知らずの采配や選手への責任転嫁なんかはその最たるもので、監督自身が全く試合に入り込んでいない。

 「大変なお金を払ってファンに足を運んでもらっている」

 過去に優勝できずにホーム最終戦でファンに対して土下座をした監督もいたが、そこまでしろとは言わないが、「やるからには優勝!」と言い切った挙げ句、2年連続Bクラスなのに最終戦やファン感謝祭での挨拶は全くなし。整列して一礼して終わりでは、ファンも納得いかない。

 そもそも広島経済界が満を持して担ぎ上げた野村監督に対して、2年そこそこでこのような内容の企画が出てきたということは、野村政権もすでに危うし…といったところかな。