小千谷の畑に気持ちのいい風が流れる。
7月下旬
ついにメロンの収穫だ。
植え付けから2ヶ月ちょっと・・・やっとこの日が来た。
わき芽とり、摘果、座布団敷き、日よけ・・・
一つのメロンを作るのにどれだけ人の手が加わり、愛情が注がれ、大切に育てられてきたのか。
すべてこの収穫の喜び、この瞬間のため・・・
昨年まで農園ビギンではメロンの収穫を見分けるという作業は社長がほとんど行ってきた。
微妙な色の変化、しわの入り方、おいしくなってきて一番良いタイミングに収穫してあげることがポイントだ。
社長が女性スタッフを集めてこう言った。
「キミたちも今年はメロンの収穫を覚えなさい。自分の手で育てたものの収穫の喜びは格別だぞ」
「はい!!!ありがとうございます!!!」
さつまいも子さんは嬉しかった。
心の底から嬉しかった。
メロンの収穫という大きな作業は農園ビギンでも花形の作業だ。
「やっとここまで任せらてもらえるようになったんだわ・・・」
仲間の女性スタッフと喜んだ。
思えばスイカの収穫の時は社長が収穫できるスイカを選定し、それを畑で投げてキャッチするという大技を果たせなければいけなかった・・・
想像してみてほしい・・・
10kg以上あるスイカを投げられ、受け取るのだ!!!!!!!
受ける方の苦難と言ったら言葉では説明しがたい。
仮にドッチボール部があったとしたら、その練習で10kgの球を決して落とすなと言って、先輩がニヤニヤしながら後輩に投げつける・・・そんな光景だろう・・・
さつまいも子さんは全身全力で受け止めた・・・
が
本当に苦しかった・・・
受けるたびに「ぐおっぅ!」「っしゃーーーー!!!」「ぅおっし!!!!!」
「ヴ・・・うへぇ;;;」
と、勝手に声が出てしまう。
畑中に響き渡る。
妖怪人間の戦いのような奇声・・・
S氏からは「鳥が鳴いてるのかと思ったwww」と笑われる。
どんな鳥じゃあーーーーーーーーーーーーー
とキレる元気もない・・・
そんなスイカ作業に比べたらメロンの作業はお花摘みのように可愛い。
畑でじっと待つメロンさん。
黄色くなり始めたら収穫です。
よく見るとこんな風に傷んでしまったいるものもあるので、そう言うメロンには「×」マークをつけます。
こうやって通路側に出して、一輪車で集めます。
軽トラにぎっしり収穫☆
箱詰めされて完成です。
収穫を終えて
社長が言った。
「キミたちには何でも仕事を覚えてほしい。農園ビギンはまだまだこれから発展していかなければいけない。
新しいスタッフも増えるだろう。
そんな時に一人一人が自分の仕事をきっちり覚えて、次の世代に教えていけるようになっていってほしいんだ。」
そうですね・・・
私たち、社長にいつまでも甘えてばかりいてはいけないですもんね・・・
頑張ります!
なんでも任せてもらえるように・・・
これからもどんどん仕事を教えてください!
そう、熱くさつまいも子さんが決意すると・・・
と、いうわけで
俺とmiyaくんとSくんで海に行って来てもいいよね、てへ☆
出たーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何いっとんじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このくそ忙しい時にそんな夢みたいなこと言ってるんじゃありませーーーーーーーーーーーん
妖怪人間のような奇声をあげていたさつまいも子さんは、快獣ブースカ並の雄叫びをあげていた・・・