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緊急提言!!“改憲論議”にモノ申す

2014-02-02 | 憲法・国防・軍事

にわかに「盛り上げられて」いる感の強い改憲論議ですが、私は元来、ドイツにおける在外研修中に憲法学を中心に学び、その関連で憲法関連の著作もあります。その立場から、今後、気づきの点を書いていきたいと思います(最終的には1冊の本にしていくつもりです)。

まず最初に記しておきたいこと。
それは憲法とは、基本的に「国家からの自由」を確保するためのツールであるということです。この点、今の改憲論議では大いに誤解されているように見えてなりません。なぜならば自民党は「日本を取り戻す」といった感じで宣伝していますが、その際、念頭に置かれているのは(それが完全なる事実であるかどうかは別として)「現行憲法は米国から押し付けられたものである」という認識であり、「だから我々日本人の手で憲法をつくるのだ」という考え方です。

しかしこのような発想は根本から間違っています。なぜならばこのことはイコール、憲法論議において「国家からの自由」ではなく、「国家への自由」を前面に出すことを意味しているからです。そして「国家への自由」というと非常に聞こえが良いのですが、これは要するに総動員体制への道を開くということも意味しています。「いや、そんなはずはない。私たちのリーダーはそんなことをするはずがない」と語る方々がいらっしゃいますが、それは間もなく幻想に終わることでしょう。

例えば、今の憲法論議において「これは狡猾だな」と思うのは、焦点が96条であったり、あるいはせいぜいのところ9条だろうなどと考えられている点です。
しかし問題は実はそこではなく、もっと(一見すると)テクニカルであり、どうでも良いように思える論点なのです。私自身は今述べている文脈でいうと最大の論点は実は極めてマイナーな「憲法第18条」であると考えています。
なぜでしょうか??

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/e63012d3a0d9a46e12fc026c2d666c71



第18条 [奴隷的拘束及び苦役からの自由]
 何人も、いかなる奴隷的(どれいてき)拘束(こうそく)も受けない。又、犯罪に因(よ)る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役(くえき)に服させられない。

・・・

実はこの、何の変哲もないように見える条文こそが、私たちが自らの意思に反して、国家から奴隷労働をさせられることがないよう、見張っていてくれているのです。端的にいえば「徴兵制」が我が国においてないのはそのせいです。いわゆるネトウヨなる社会集団が改憲論議を支持しているとしばしばいわれますが、そういった彼らが時に働きもせずに、インターネットで他人の誹謗中傷を終日書いていても国家が「お前は暇なのだから兵士にでもなれ」と強制的に動員をかけることができないのは、この条文のおかげなのです。その意味で日本国憲法は戦後社会において私たち日本人を守ってくれたという、実効性のあるルールであったというべきなのです。

今、いわゆる「異次元緩和」の実施を安倍晋三政権から強いられた日本銀行は、デフレ脱却が中央銀行のみで出来ないとして匙を投げ、最終的に政治(財務省)がその後始末をするという役回りをする形に持ち込みました。これはこれで、中央銀行の組織としての生き残り戦略としては正しいことです。

しかし、その結果、どうなると思いますか??日銀は事実上、無制限に日本国債を引き受けますので、政府は錬金術を手にしたようなものです。最初は国土強靭化などという名目で公共事業を強化していきますが、所詮、もうインフラは整っているのです。やがて限界が来ます。第一、もはや公共事業の担い手である「ゼネコン」には若い働き手がいないのです。ケインジアンが象牙の塔でいっているような単純な乗数効果は発生しません。

そうなった以上、政府はもう一つの強烈な、しかしある意味、伝統的な「需要創出手段」を試みることになります。それが、軍需という名の公共事業です。大量破壊兵器や最新兵器を続々と作り出し、これを生産していくことで経済をまわしていきます。米欧の各国はいずれもこれで景気回復をはかってきているのです。

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/eb24f6baaaa0fc74b72bcdcd2070740d



問題は「ここから」です。

なぜならば兵器は消費される、すなわち実戦に使われない限りは全く無意味だからです。そのためいわゆる地政学的リスクが醸成されます。金融メルトダウンの結果、相手国(例えば中国)も同じ状況にありますから、徐々に緊張が高まっていきます。我が国の場合は特に、そうした中で「日本バブル」、すなわち資産バブルが強烈に発生する一方で格差社会が広がっていきますので、これに不満を抱く層(たとえば「ネトウヨ」の方々)が自らの感情のはけ口として「戦争してしまえ!」といった感情論を普通に口に出し始めます。そして民主主義とは結局、数を抑えることだから、こういったコントロールしやすい連中(失礼。しかし事実です)に投票さえさせればよいと考える「政治屋」が便乗し、議会でつい
に多数を握ります。
そして……我が国は軍事国家、「戦争を率先して行う国家」へと舞い戻るのです。

よいでしょうか、愛すべき友人の皆さん。
1945年8月。広島と長崎に落とされた原子爆弾の惨劇を、私たちは忘れてしまって良いのでしょうか?
あれは、1930年代に現在と同じように政府が日銀を押さえつけ、無制限の国債引き受けを始めさせたところから始まったストーリーなのです。あれから80年、結局、日本人は全く学ばなかったといわれて、途方もなく恥ずかしいとは思いませんか??

私は憲法改正は必要だと思っています。
しかし、その前には歴史に裏付けされた落ち着いた教養をもった、本当の意味での「市民団」がこの国で創られる必要があります。私が行っているのは、全てその一点に収斂しています。

全うな道を行こうではありませんか。
GWに「円高」を利用して海外で遊ぶのも結構。しかし間もなく「国家からの自由」が奪われ、そのようなことが到底出来なくなることを……あなたは許せますか??

「脱出路」は、全く別のところにもう1つあります。そのことを、私はそう遠くない将来、世に問うことにしたいと考えています。

http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/6cc1bf8de5206ab3d53013c7207d0f30



改憲で国防ビジネスに走る 安倍政権の近視眼

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/bca07d73a43358119453ef3376c33264


ニッポン放送(ラジオ番組)出演 ~憲法改正・徴兵制復活~

http://blog.goo.ne.jp/nobody-loves-you/e/5cb4a6defc256f86c966cbf348b49198



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