ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

矢板市民同盟主催 青山貞一先生 勉強会に参加

2012-11-18 09:01:59 | 活動報告
11月16日(金)

国の指定廃棄物最終処分場の最初の候補地とされた栃木県矢板市では、多くの市民がグループを作り反対運動を展開、9月に同盟が結成され大規模に運動を展開している。
この日、「指定廃棄物最終処分場候補地の白紙撤回を求める矢板市民同盟」主催の勉強会に参加させて頂いた。開会より半日前に到着し、主催者の方々に面会して鮫川村の焼却炉問題をご相談させて頂いた。社民党栃木県連も主催者の一つで、熱心に話を聞いて下さり、この問題は鮫川村だけではないことを強調され、近いうちに何らかの形で関わって行きたいと言って下さった。

  下野新聞9月25日朝刊「矢板で市民同盟、処分場反対集会」

19時からの勉強会は800人がホールに集い熱気に包まれた。市民の勉強会でこれだけ集まるのは異例ではないかと思う。12月には1万人規模の集会が予定されている。

 処分場反対1万人集会へ6000人動員 矢板区長会 (11月14日 朝刊)

はじめに建設候補地となっている塩田の国有林の映像が流され、候補地は水源地であり、市民の生活用水を供給する2つのダムがあることから不適地であることが説明された。
近隣には県民の森があり、活断層も確認されていると言う。

地域に住む人々の生活を無視して押し付ける国の一方的なやり方は、鮫川村と全く変わらない。

さて、本番の勉強会に移りたい。最終処分場について、講師の先生から多くの重要な問題が説明された。ここでは特に特措法の部分を取り上げたい。

◆講師:青山貞一(ていいち)先生
 (株)環境総合研究所顧問、東京都市大学名誉教授
◆専門:環境政策論、公共政策論
 田中康夫元長野県知事時代に環境審議会委員等多数歴任。環境アセスメント学会理事、日本計画行政学会理事、財)大竹財団評議員他多数。全国の最終処分場を巡る裁判にも数多く携わる。独立系メディアE-wave Tokyo主宰


今年改正(改悪)された放射性物質汚染対処特措法及び震災がれき特措法が、今回の処分場問題に大きく関係している。この法律は議員立法であるが、実際は官僚立法で、議員らはろくに勉強も検討もせずに追認してしまった。
環境省で法改正の検討会が開かれたが、傍聴も議事録も非公開とされた。民主主義を否定する暴挙である。
 
環境省は昨年夏までは何の権限もなかったが、文科省、経産省から放射能汚染対策の権限が委譲され、1兆円以上もの予算が下りることになった。これにより同省はブレーキとアクセルを同時に踏む役所になってしまった。

9月3日、突如矢板市に環境省政務官が訪れ、「お宅のココを候補地にしました」と告げた。このような強権的な態度を取るのは、国が一方的に進められるよう特措法を改めたからである。
私は行政法を15年やってきたが、このような独裁的な法律はこれまで日本にはなかったもので、通常なら市町村から都道府県へと積み上がる中で形成されていくシステムであるが、これをひっくり返し国からの上意下達で一方的に市町村に対して指示できるようにした。中央集権強化、官僚独裁強化を危惧する。

20年間一緒にごみ問題で裁判をやってきた友人である梶山正三弁護士(理学博士、ごみ弁連会長)は、「これは憲法違反だ」と言った。土地利用、農地転用、都市計画、廃棄物処理など市民の生活に関わる基本的な手続きすら参加を認めないものだと。※

がれき広域処理問題では全国で反対運動が起り、北海道から沖縄まで60か所の自治体を同僚の池田こみち氏と共に回り、首長に会い、勉強会を行ったところ、どこも会場は満員になり、結果首長がしっかりしているところは受け入れを全てストップしたこれに反して大々的に協力する自治体は東京都、大阪市、北九州市など。これらの自治体に共通するのは「地方自治を顧みない首長」である。

マスコミもこの問題について取り上げず、まともに取り上げたのは東京新聞だけ。これまで7回ほど記事になった。


指定廃棄物最終処分場が建設されれば、地域は次のような影響を受ける可能性は否定できない。
1)今後30年以上にわたり、放射線、放射能汚染の影響に悩まされる。
2)飲料水や農業用水などの汚染、地下水の汚染に悩まされる。
3)風評被害による矢板ブランドへのダメージを含め地域の地場産業に長期にわたり深刻な影響を受ける。



1、地方自治法の蹂躙:自治義務の無視(憲法92、94条)
2、財産権の侵害(憲法29条)
3、適正手続違反(憲法31条)
4、生存権、幸福追求権(25、13条)


(以上 青山先生ご講演より)

ご講演のレジュメはこちら
青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ①はじめに
 

青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ②がれき特措法
 

青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ③基礎的知識
 

青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ④飛灰の生成過程とデータ
 

青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ⑤処分場の構造と課題
 

青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ⑥周辺現地視察
 

青山貞一:環境・技術・特措法に関する問題 ⑦全体とりまとめ
 


帰宅後、青山先生にメールでご相談させて頂いたところ、すぐご返事を下さった。


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