ふくしまの里山を次世代に

鮫川村に秘密裏に建設された放射性廃棄物焼却処分場に反対する住民組織『鮫川村焼却炉問題連絡会』のメンバーによるブログです。

3.11イベントで県内の焼却炉設置状況を報告

2014-03-14 21:35:41 | 活動報告

3月11日 原発いらない地球(いのち)のつどいに参加させていただき、県内の仮設焼却炉設置状況について報告をさせていただきました。

午前中は駅から県庁までをデモ行進。タイベックもどきの白装束で、お巡りさんに誘導されながら整然とアピール。

午後は集会でスピーチをさせていただきました。


(以下スピーチ原稿)

 塙町から参りました。自宅から2キロ以内の鮫川村に放射能ゴミを燃やす仮設焼却炉が建設されたことをきっかけに、県内の放射能ゴミ処理の問題に取り組んでいます。

 フクシマ県内で現在建設が計画されている焼却炉は20基以上にのぼります。放射能汚染物を市民の生活圏で焼却処理するという世界でも例のない危険な試みであるにも関わらず、なぜかほとんど報道されません。排ガスによる環境や人体への影響のみならず、作業員の被ばくも避けられない問題です。

 3月8日と9日、地元紙に中間貯蔵施設の記事が掲載されました。安倍首相がフクシマを訪れ「除染を進めるため中間貯蔵施設の整備を急ぐ。来年1月の使用開始を目指す」と発言。候補地の一つであった楢葉町が外れて、大熊町と双葉町に集約されることとなりました。また石原大臣は「中間貯蔵施設へのスムーズな搬入のため、県内の主要な国道、県道の拡幅を行う」と発表。3年間で終える場合、毎日除染廃棄物などを積んだ10トントラック2,000台が県内を縦横無尽に走り回ることになるのです。

  中間貯蔵施設と並行して進められているのが富岡町にある既存の民間最終処分場であり、実は環境省はここにできるだけ多くのものを処分したいと考えています。除染廃棄物などをそのまま埋め立てるとすぐに一杯になってしまうため、できるだけ焼却してかさを減らしたい。そのために避難区域の自治体には少なくとも各1基から3基、それ以外の自治体においても合意が得られた場合は同様に焼却炉を設置したいという方針です。

 4月からの避難指解除が決定された田村市都路町には最大規模の焼却炉建設計画が進められており、県内各地から放射能ゴミが持ち込まれ処理されることになっています。周囲には小中学校があり、4月から再開されて169人の子供たちが通う予定で、このうち68人が帰還するため、親御さんたちから不安の声が上がっています。焼却施設は帰還の妨げになる上、農業への被害も避けられないとして、地元では建設阻止のため住民運動が立ち上がりました。

 福島市、郡山市、相馬市、そして私の自宅そばの鮫川村にはすでに施設が建設され焼却が行われています。共通するのはまずそれらの密室的で陰湿と言うべき進め方です。鮫川村の例を基にまとめてみます。

①自治体の首長と水面下で話をまとめる。

②議会の全員協議会という非公式の会議にかける。ただし抵抗勢力がある場合はこれすら行わない。

③建設予定地のある地区区長を説得する。見返りを提示したり接待かと疑われる事例も見られる。

④自治体首長と後援会、議員、区長、そして彼らの家族や親類というように、権力側の人と周囲をじわじわとまとめていく。

⑤密室の地区住民限定説明会を行う。原則他の地区住民は入れない、資料も見せない。

他地区の人は情報開示請求の手続きをとらないと説明会の資料すら見ることができない。議事録のほか施設に関するあらゆる書類も同様。また手続きを行っても非開示となることも少なくない。

⑥賛否の対立が際立つに従い、地域が気まずくなり、意見を言わない人が多くなる。反対派が孤立し転居を余儀なくされるなど、コミュニティが分断されていく。結果賛成派の意のままとなる。

  まさに原発の建設におけるプロセスと同じであると言われます。建設においては一定の住民の同意が必要となりますが、今回は焼却炉の前にまずは仮置き場の設置の段階から各地で猛反対され、大きなハードルとなっています。このため大きな役割を果たしているのがコンサルタント会社であり、アメリカの原発建設において地元同意を取得した成果を手本としていることも分かりました。日本ではこれを基に区長など地区のリーダーを活用して住民に働きかけさせたり、見学会を行って住民の参加意欲を引き出し復興のために自ら取り組んでいるという意識を根付かせるなど巧妙にマニュアル化されています。即ち国は始めから住民の反対の声など聞くつもりは毛頭なく、建設あるのみ、そのために復興予算がコンサル会社につぎこまれているということです。

 国の言う「減容化が必要」という言葉に惑わされてはいけないと思います。

排気ガスを吸わされるのは私達であり、幼い子供達です。呼吸による内部被ばくは飲食物によるそれよりもはるかに危険とされています。

そもそも誰が汚染させたのか、排出者責任はどうなっているのか、なぜ効果の期待できないところまで除染するのか、なぜわざわざ人々の住む地域に焼却炉を建設するのか、なぜ鮫川村のモデル事業の結果を待たずに他市町村で建設を進めるのか、焼却炉の規模や選定プロセスはどうなっているのか、排ガス測定はあまりにも雑ではないのか、測定値の公表は空間線量やばいじんの重さだけなのはおかしくないか。

焼却を進める前に、国は答えるべき問が山ほどあるのではないでしょうか。


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