先週より、浪江町の希望の牧場さんに連絡を取り、汚染牧草の無償提供について村に交渉しています。しかし村は国の意向を受けて、すでに腐食が進み飼料には不向きであり、焼却事業に使うため一切渡さないと回答しました。
焼却予定の200トンの牧草のうち150トンはすでに昨年同牧場に無償提供され、残る50トンは焼却予定となっています。しかし牧草は8000㏃未満のため、国の処理責任ではなく村の責任で処理するものであり国が口出しすることではありません。
希望の牧場は現在深刻な財政難に陥っており、餌も治療費も不足しているため1ロールでもいいから欲しいと言っています。各地で除染された下草を持ち込んでもらう術はないかと真剣に討議しているような状態です。
50トンがなくなれば実質33日間の焼却期間の短縮となり、その分私達住民も、牧場も助かります。腐食といってもどの程度なのか、本当に1ロールも使えないのか確認することすらさせないのはおかしいのではないでしょうか。
焼却が適正な処理であり、これ以外の用途には適さないなどとして、処理権限がないにも関わらずこれを何が何でも燃やすとして抱え込む国、ただ追随するだけの村の身勝手な対応に対し、改めて怒りの声を上げなければなりません。
(再掲)
(以下再質問書)
2013年8月1日
鮫川村村長 大樂勝弘様
汚染牧草の無償提供と経費負担について(再質問)
7月30日付25地号外にて回答頂きました内容について再度質問致します。
「鮫川村としては、牧草サイレージを確認した結果、移動する際にラップが敗れた物や、鳥などの野生動物により穴が開けられているものがあり、そこからカビが発生し腐食している牧草サイレージが多く見受けられましたので、飼料としての利用は、適切ではないと考えております。」
とのことですが、150トンは昨年浪江町の希望の牧場に無償提供され、残る50トンについても早急に回収し、同牧場へ無償提供して頂くよう昨年より再三依頼してきました。しかし村はこの求めに応じず、汚染牧草を放置し腐食したために無償提供できないというのは、明らかに村の不作為ではないでしょうか。有効利用できたはずのものを放置したために廃棄物となり、焼却処理されるというのは、反対する住民を愚弄するものであり嫌がらせに等しいと受け止めます。
①何故早期に無償提供しなかったのか理由をお知らせ下さい。
また同牧場は少しでも利用できる部分があれば利用したいと希望しており、現物確認をしたいとのことですがこれにも応じないということでしょうか。
②現物すら見せられないのであればその理由をお知らせ下さい。
50トンの牧草は、一日処理量1.5トンに換算すると約33日分の焼却期間に当たります。(土日祝含めると約42日間)
③焼却に不安を持つ住民にとってこの期間が短縮されるかどうかは重大な問題であることをご理解されておられないのでしょうか。
「また、環境省からも、本事業は村内に保管されている放射性セシウムで汚染された農林業系廃棄物及び村内の除染で発生する可燃性の廃棄物を焼却することで減容化・安定化し、適正な処分に向けて安全に一時保管するための事業であることから、事業の処理対象となっている汚染廃棄物を、適正な処理が見込まれない用途で村外に持ち出すことは適切でないと聞いております。以上のことから、牧草の無償提供は行わないことと考えております。」
とされていますが、「適正な処分に向けて安全に一時保管するための事業」という名目が破綻していることはすでに明らかになっています。本事業は秘密裏に進められてきたのであり、「住所非公開」で「煙突含めて公道から見えないように建設」され、廃棄物処理法適用外の脱法的手法、そもそも国際原則を逸脱した放射性廃棄物の焼却処理、何から何まで正当性は全く見受けられません。
牧草の線量は8,000ベクレル/kg以下であり、村の処理責任とされるものですので、環境省がこれについて指示する権限はありません。したがって
④村の責任において、地域住民の不安を少しでも解消すべく無償提供することが最も適切ではないでしょうか。
焼却が「適正な処理」ということ自体が間違いであるにも関わらず、それ以外の用途のために牧草を無償提供しないなどというのはあまりにも身勝手ではないでしょうか。しかも汚染物はあたかも国が自由に処理する権限があるように書かれていますが、そうであれば国の責任において排出者である東電に回収させて一元管理すべきであり、そもそも市町村において焼却、埋め立て保管すること自体が間違いなのです。
以上につき8月9日(金)までにご回答頂くようお願い致します。
鮫川村焼却炉問題連絡会