Naoの誰でもわかる!英語の話

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「使える英語表現」(No. 113)「板挟みってわけか。」

2010-01-10 | Weblog
表現113)You are in a catch-22 situation, aren't you?(板挟みってわけか。)

catch-22?これって何のこと?って、前から気になっていたんですが、なぜがその語源も考えることなくこれまで自分でも使っていました。どんな時に使っていたかというと…ある状態を指して、それが、いい面は確かにあるものの、悪い面もある。こうすればこんないい事が起こるんだけど、それと同時にこんなマイナスなことも起こる…と、何かごちゃごちゃして、それがいいのか悪いのか、どうしたらいいんだろうと思い悩んでいるような時です。その時の話し相手に対しての気持ちを挙げてみると、以下のようになります。

(「catch-22」と言う時の気持ち)
「ジレンマなんだよね」
「板挟みってこと」
「お手上げ状態かな」
「あっちを立てればこっちが立たずって感じ」
「身動きできない状況だよ」
「逃げようがないとはまさにこの事だよね」

どうでしょう、何となく感じはつかんでもらえたでしょうか。このような状態がcatch-22 の状態なので、使う時は、話の中で「Yeah, you know, catch-22.」とcatch-22だけを言ったり、「It’s really a catch-22 situation.」あるいは「We are in a catch-22 position.」とsituation、positionを付けて言ったりします。でも、どうしてcatch-22って言うのかがね~?

そこで始めてその理由(語源)を調べてみました。結果は言語的なものではなく、社会的なものとわかりました。つまり、社会(この場合はアメリカ)がその言葉(catch-22)に上記のような意味を付与したのです。「だから何なの、catch-22って!」はい…小説の題名「Catch-22」から来ているとのことです。この小説は1961年にJoseph Heller(ジョーセフ・ヘラー)が書いたもので、その後1971年に映画化されています。

もともとCatch-22とは、アメリカ空軍軍務規則の一条項とのこと。この小説中の主人公は、精神病を煩っていたことで除隊を申し出たものの、軍側はこのCatch-22の条項に則り、自分が精神病と言える、わかっている人間は精神病ではないとの理由で彼の除隊を認めず、このことで主人公が悩むというのが小説(映画)の大筋(plot)とのことです。僕はこの映画見ていないのでこれ以上詳しいことは言えません(ご勘弁を…)。

この映画が大ヒットしたことから、catch-22という言葉が市民権を得、今では一般の語彙になったというのが真相のようです。「ふ~ん、そうだったんだ…」(すみません、僕のつぶやきです)。日本語でもそんな言葉がないかな~って考えたのですが、今のところは…あ!例えばこれはどうでしょう。

Naomi: ねえねえ、隆さあ、ずいぶん若い子とつきあっているって聞いたんだけど、知ってる?
Junko: なんか「高校教師」って感じらしいわよ。
(Note: This is a fiction.)

違うかな?(すみません、ちょっと古くて)。「禁断の恋」って意味をテレビドラマの題名で表しているわけですが、このような場合、みんながそのドラマを見ていないと、少なくとも知っていないと、何を言っているのかわかりませんよね。その意味から言うと、きっと「Catch-22」は当時かなり社会現象化した映画であったものと思います。ひょっとしたらネイティブもその語源を知らないまま使っているかも知れませんね。知り合いがいれば一度聞いてみたら面白いかも…。

では今回の表現を使った会話をどうぞ。Here you go!

Jeff: What's the matter, Jack. You look pretty down.
(どうかしたかい、ジャック。なんか落ち込んでるみたいだけど。)
Jack: I just broke up with Meg.
(メグと別れたんだ。)
Jeff: Sorry. The best way to get over it is to find a new girl.
(お気の毒さま。失恋を乗り越える最良の方法は新しい彼女を見つけるにかぎるよ。)
Let's go to the dance party at Bear's this coming Sunday.
(今度の日曜日にベアーズであるダンスパーティに行こうぜ。)
Jack: Sounds like a good idea. Wait. At Bear's?
(それはいいね。ちょっと待てよ。ベアーズでって言ったよな。)
Jeff: You bet.
(その通りだけど。)
Jack: Meg is working part-time at Bear's.
(メグがベアーズでバイトしてるんだ。)
Jeff: So what? You guys broke up, didn't you?
(だから?二人は別れたんだろ?)
Jack: Right. But I don't want to see her for a while.
(そうなんだけどさ。しばらく彼女と会いたくないんだよな~。)
Jeff: Look. This is a very big party and most of the girls on campus will be coming.
(いいかい。今度のパーティは大きいやつで、キャンパスのほとんどの女の子は来るんだぞ。)
Jack: I know. I want to go, but I don't want to see her.
(わかってるよ。行きたいんだけど、彼女とは会いたくないんだよな~。)
Jeff: So, you are in a catch-22 situation, aren't you?
(板挟みってわけか。)
Jack: Sort of.
(そんな感じかな。)
Jeff: I have an idea. I've got some Halloween costume. Why don’t you put them on?
(考えがある。ハロウィーンの衣装があるんだ。それを着たら?)
Jack: Brilliant. Be serious, Jeff!
(すばらしい。真面目に話をしろよ、ジェフ。)
Jeff: Sorry.
(すまん。)

とまあ、この状況はそれほどcatch-22って程でもないですけどね。なんとなくその使い方がわかってもらえたらうれしいです。この表現を実際に使える状況ってあまりないとは思いますが、映画とかではよく出てくるので、覚えておくといいと思いますよ。では、今回はこの辺で。Hope you will not have a serious catch-22 situation in your life. Should you have one, take it easy. (万が一そんな状況に遭遇したとしたら、ゆっくり構えることです。)You will always find a way out.(必ず切り抜ける道を見つけることができますよ。)All for now. Goodbye, guys. nao