新静岡駅から静鉄静岡清水線にのって県立美術館へ向かった。
静岡県立美術館は若冲がらみでたびたびお邪魔する他府県でも通いなれた美術館(笑)
土曜日は横浜あたりから大雨であったが、静岡についてからは雨があがっていて
展示を観終わった直後も外はどしゃぶりであったが、
ミュージアムカフェでお茶をしている間に雨もすっかり上がって帰りもこの静鉄で帰って来ることができた。
子どもたちが観ても楽しい「アニマルワールド -美術のなかのどうぶつたち」
まさに夏休みシーズンの企画に相応しい展覧会であるが、
大半が個人蔵で美術界を驚かせた新出の作品など含め、初めて目にする作品が目白押しであった。
新出の話題をさらっていた蘆雪の「人物花鳥図巻」は、16メートルの大作で
これまでのもの2作は晩年のものなので若い頃の作品が見つかったのは大発見らしい。
蘆雪らしい緩急の効いた筆使いが自由で楽しい。
また同じく新出の海北友松の「人物花鳥押絵貼屏風」は中国故事に由来したのもで
大きい作品で素晴らしく素敵であるのにその存在を知られていなかったこと自体が信じられない!
第1章 いきもの大集合- たのしいどうぶつ絵画の世界
狩野探幽他狩野派合作「牛馬図」
応挙「百兎」
狩野栄信「百猿図」
谷文晁「雪中枯木鵲図」
岡本秋揮「群鳥図」
などの中に、「若冲さんこんなの描いていたっけ???」と思ってしまった
若冲を模した長山孔寅「群鶏図屏風」は、四条派風の植物の中に若冲の鶏が遊んでいるようで面白かった。
第2章 身近ないきものたち- くらしとのかかわり
「平治物語絵巻断簡」
英一蝶「明星茶屋之図」
狩野永良「耕作図屏風」
田能村竹田「月下雁図」
和洋混合で描いた渡辺省亭「十二ヶ月花鳥図」が存在感を放っていた。
第3章 いきものを愛しむ- いのちへのまなざし
応挙「海岸雁図」
蕭白「猿猴図」
森狙仙「親子猿図屏風」
狩野永良「親子犬図」
第4章 どうしてこのいきもの?- 描かれるのは意味がある
白隠「猿猴捉月図」
狩野山楽「源氏物語図屏風」
大岡春卜「墨花争奇図巻」
若冲「蝦蟇河豚相撲図」は、賛の意味が無用な争いを風刺しているもので
制作年代から錦市場の公認について奔走していた時期と重なるようで
若冲さんがどんな想いをこめていたのかを勝手に想像するのも面白い。
第5章 ハッピーアニマル- 吉祥画の世界
葛叔英「柘榴栗鼠図」
蘆雪「瀧に鶴亀図屏風」
岸駒「孔雀図屏風」
徳川慶喜「登竜門図」は慶喜公のお庭を拝見してきた直後だったのでなおさら印象深かった。