ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテクディスプレイの現状: フィールドエミッションディスプレイ

2012-10-27 | 報道/ニュース

アメリカのMITの技術誌にフィールドエミッションディスプレイ[HP(http://www.ne.jp/asahi/noriaki/itoh/)3.5A1参照]に関する記事が掲載されていたので紹介しておこう。
http://www.technologyreview.com/featuredstory/403306/nanotech-on-display/

現在広く使われている液晶ディスプレイやプラズマディスプレイには種々の欠点がある。液晶ディスプレイは見ることが出来る角度は限られている上、反応は遅い。プラズマディスプレイは消費電力が大きくまた静止画像を長時間映像し続けるとその部分のピクセルが破壊される恐れがある。これに代わる候補の一つがフィールドエミッションディスプレイと有機ELディスプレイで、おそらくナノテクエレクトロニクスで最初に製品化されるものはディスプレイであろうという。

フィールドエミッションディスプレイに関して現在世界をリードしているのは韓国のサムソン電子である。サムソン電子に続くのは日本の名古屋大学を中心とするグループである。このグループは、経済産業省に属する独立法人NEDOの資金援助を受けていて、日立、旭硝子、ノリタケが協力している。今のところ韓国に遅れをとっていることを認めている。テレビのディスプレイは年商600億ドル程度であるのでその期待は大きい。しかしながらその製品化には真空中で電子を加速する必要があるなどいくつかの越えなければいけない問題がある。 競争相手には有機ELディスプレイ(HP3.5A2)ならびに量子ドットディスプレイ(HP3.5A3)もある。

ちなみにサムソン電子は有機ELディスプレイや量子ドットディスプレイでも世界をリードしている(6/6参照)。