宇宙産業にもナノテクノロジーがその効力を発揮しつつあるという記事がNanowerkに掲載されていた。これまでもいろいろな分野でのナノテクノロジーの影響についての記事を掲載したが、それらの所在をホームページの4.トピックス欄にまとめておいた。
http://www.nanowerk.com/nanotechnology-in-space.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29
さて、現在のところロケットの噴射には化学燃料が使われている。これを電気噴射に変えようとする試みがある。電気噴射が成功すると使用する燃料の量が格段に少なくなるという。すでにNASA(アメリカ)のDeep Space1,日本のHayabusaならびにESA(EU)のSMART-1では、デモンストレーション行われ成功を収めている。電気噴射では、電荷をもつナノ粒子に電圧を加え加速させる。粒子の質量が小さいため各粒子は大きく加速され、その結果ロケット噴射に十分なエネルギーが得られるという。
宇宙飛行士の宇宙線による被曝も深刻な問題である。宇宙線の内中性子線はボロン(B)によって吸収される。ボロンナノチューブを宇宙衛星の壁に混入することによって中性子線の被曝を少なくしようとする試みがある。中性子を吸収したボロンには余剰のエネルギーが蓄えられる。このエネルギーは壁の中で熱エネルギーに転換するので、これを利用することも出来る。デバイスの放射線による損傷も問題である。デバイスは素子の一部が損傷を受けてもその機能を損なうことがある。ナノテクノロジーによって素子を小さくすることに期待が寄せられている。
量子ドット(HP2.2B1参照)を用いて対宇宙衛星ミサイルの追撃を防護しようという計画がある。対宇宙衛星ミサイルは光を放出して宇宙衛星から反射される光を検知しつつ宇宙衛星を追跡する。対宇宙衛星ミサイルが発射されたという情報を受けて量子ドットの雲を宇宙衛星の周辺に放出する。量子ドットを光によって励起すると種々の波長の光を放出する。これを利用して対宇宙衛星ミサイルの進行方向を宇宙衛星から回避させようというものである。
最後に宇宙エレベーターの計画があるが、これについてはすでに述べた(2/6参照)。
アメリカでは、宇宙産業の国際的優位を維持するために、ナノテクノロジー関連の研究開発にさらに多くの予算を投じるべきであるという意見もある。
http://www.nanowerk.com/news2/newsid=27000.php?utm_source=feedburner&utm_medium=email&utm_campaign=Feed%3A+nanowerk%2FagWB+%28Nanowerk+Nanotechnology+News%29#.UH4jnLcpELU.google