ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

ナノテクノロジーによってコンピューターはどのように変わるか

2011-11-03 | 日記

ナノテクノロジーの発達によって、コンピュータの分野では現在用いられているプロセッサーの改良、量子コンピューターの導入および新しい記憶方式の導入が期待されている。

現在用いられているプロセッサーは、リソグラフィ(10.24参照、その記事のフォトレジストをリソグラフィに修正してください。フォトレジストは高分子のマスクのことです。)によって、大きなシリコン結晶を細分化して作成する。しかしながら、この手法は限界にきていると言われている。最近のIntelの製品では素子のサイズが65ナノメーターに達しているが、ナノテクノロジーを利用して電流を10-15%増加させていると言われている。

以前述べたように(9/24参照)、電子の運動は量子力学にしたがう。ナノ領域のプロセッサーは量子力学の法則にしたがう。このようなコンピューターを量子コンピューターと呼ぶ。現在のコンピュータでは、情報の最小単位である1ビットにつき、0または1の値しか取れない。これに対して、量子コンピューターの情報の最小単位1量子ビットでは、0と1の状態を任意の割合で重ね合わせて保存することが出来る。したがって、n量子ビットを持つコンピュータでは、2のn乗の計算が同時に出来ることになる。さらに、信号が光によって伝達されるので、計算速度が格段に速くなる。

ナノ粒子を整然と並べてメモリに利用すると、その容量が増加するのは明らかであろう。ニッケルのナノドットを用いると、5000GBが達成出来るとも言われている。

このように超高速コンピューターが達成されると、物理、化学、生物などの基礎分野だけではなく、環境、災害など広い分野で役立つであろう。