ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

世界一小さい四輪駆動車

2011-11-11 | 日記

学術誌ネイチャーの最近号の表紙に、興味深い図が掲載されていた。世界最初の四輪駆動車の模式図である。下の図は、ネイチャーの表紙の図にならって、Nanowerkが作成し、そのニュースに掲載したものである。

オランダのグレニンゲン大学のグループは、電圧を1回加える度に半回転する四輪駆動車を実際に作り出した。この車は、長さ4ナノメーター、幅2ナノメーターの分子で、銅の表面に乗せてある。走査型トンネル顕微鏡(8/26,9/14,17参照)の針の先端からこの分子に電流を流すと、分子が変形して車が半回転して、約0.6ナノメーター真直ぐに前へ進む。今のところ逆方向に進むことが出来ない。

自然界には、このようなナノ自動車が存在する。細胞の中では、モータータンパク質と呼ばれるたんぱく質が存在していて、信号を受けて動き出し種々の反応を引き起こす。この研究は、モータータンパク質のような役割を果たす分子(ナノ粒子)を人工的に作り出せることを示したものとして注目されてる。