ナノテクノロジーニュース

ナノテクノロジーは日進月歩である。その全貌がわかるよう、日々飛びこんでくるニュースを中心に説明する。

日本のメディアは科学技術に弱い

2011-09-18 | 日記
イギリスの新聞ガーディアンの記事「日常生活でのナノテクノロジー」を紹介しようと思ったが、その前に記事数の多さと啓蒙性の高さを強調しておきたい。これはガーディアンに限ったことではない。イギリスの主要紙タイムズも、またアメリカの主要新聞でも同様である。

これに対して日本の各紙はいささかお粗末である。記事数もさることながら、ほとんどの記事が日本で起こった事柄の報告である。たとえば「体温を2度下げるスプレー、五霞(地名)の企業が開発」などなど。これに対して、ガーディアンなどの記事にはローカルな記事もあるが啓蒙的な記事が多い。たとえば、「水純化技術はグリーンエコノミーを刺激するであろう」、「ナノテクノロジーと科学---ナノ医薬品は少ない投与量で大きな効果を与える」、「ナノテクノロジーの世界---ナノ医療は新しい治療法を作り出す」などなど。

科学技術の進歩はグローバルである。人々は、科学技術の世界でどのような変化が起こっているかを知る必要がある。もちろん、日本でも専門家の間では最先端の情報が飛び交っている。これを一般の人々に伝えるのがメディアの役目である。

私は、日本の科学技術記者たちが、世界中を飛び交っている英文の情報を読まないのではないかと臆測する。理系の大学の学部を卒業して新聞社に入り取材に追いまわされていて、とてもそんな暇がないのかもしれない。理系大学の学部を卒業して修士・博士の学位を取得した人たちは、研究の過程で科学技術に対する理解をさらに含め、英文の読み書きにも熟達する。日本では、ポスドク(博士の学位を持った研究者)の中に直ちに就職口を見つけ得ない人たちがいるとも聞く。ポスドクが情報活動に関与することができれば、人々の啓蒙に役立つように思われる。