注目判決が最高裁であった。メディアによれば、同一成分で用量・用法が異なる抗がん剤について、特許期間の延長が認められるかが争われた訴訟で、最高裁第三小法廷(木内道祥裁判長)は17日の判決で、用量・用法などが違えば、延長が認められる場合があるとする初判断を示した。
医薬品の特許では、原則20年の保護期間を最大5年まで延長できる制度がある。特許庁は「発明を特定する中核部分が同じものは、延長を認めない」としてきた。今回の判断で特許期間の延長が認められやすくなる可能性がある。
提訴したのは米国の「ジェネンテック」社。抗がん剤「アバスチン」の特許(20年間)を1992年に出願し認められた。同社は2007年、使用者の体重1キログラムあたり「5ミリグラム」と「10ミリグラム」の用量のものについて延長を申請し、認められた。だが09年に延長を申請した「7・5ミリグラム」の用量のものについては、特許庁は「認めない」とする審決を出していた。
第三小法廷は07年の延長と09年の申請内容を比較。用量が違い新たな治療法も可能になることなどから申請が必要だったとして、特許庁の審決を取り消した昨年5月の知財高裁判決を支持した。この判決から、「特許期間の延長」が更に伸びる場合があるということ・・・。