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商標の広場

弁理士の福島が商標のお話をします。

何があったの弁当屋さん

2015-04-25 11:24:29 | 日記

ほっかほっか亭とほっともっととも、持ち帰り弁当を販売する会社です。両社には複雑な過去があり、激しく対立していました。きっかけは、フランチャイズ店であったプレナスがほっかほっか亭総本部の株式44パーセントと東日本地域を統括する株式会社ほっかほっか亭を買収した事であったようだ。株式会社ほっかほっか亭は、「ほっかほっか亭」の商標権を持っていたため、自動的にプレナスが商標権を持つことになる。総本部に対し商標権の使用料を支払うよう通達するも、総本部は支払いを拒否し法廷闘争に発展しました。

さらにプレナスのホットボックスを使用した出張ワゴン販売が営業方針に合わないとして総本部が差し止めを求めるもプレナスは拒否、両社の対立は決定的となりました。総本部はプレナスに対しフランチャイズ契約の延長拒否を通達。プレナスはほっともっとを立ち上げ全国展開することになりました。さらに総本部は株式をハースクレイに譲渡しプレナスに対抗しました。結果ほっかほっか亭総本部はプレナスがフランチャイズ店契約期間中に度重なる契約違反があったとして提訴しました。内容はプレナスが契約拒否を通知したにもかかわらず、営業を停止しなかった事と、「ほっともっとに変わります」などと自らのブランドを宣伝したこと。これらの行為が契約違反に当たると言うものである。

1審では総本部の訴えは棄却されプレナスが勝訴。しかし、高裁では逆転で総本部が勝訴。プレナスに対し10億9000万円の支払いを命じられた。プレナスはこれを不服として上告しました。最高裁第3小法廷の寺田逸郎裁判長はプレナスの上告を棄却。これによりプレナスの敗訴と10億9000万円の支払いが確定しました。それにしても、どうしてここまで激しく対立してしまったのだろうか。プレナスも株式を取得し商標権を得ているからどちらが悪いのかはわからない。ともかく、プレナスに10億9000万円という莫大な金額の支払い義務が発生した。両社とも消費者に美味しい弁当を安価で提供する庶民に優しい企業のはずだ。共存共栄を期待したいが、こうした争いにも商標権が関係していることに驚かされる(国内ニュース参照)。