旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

那智大社と青岸渡寺と 南紀を巡る 紀勢本線を完乗!≪後編≫

2017-04-05 | 呑み鉄放浪記

 ホテル中の島は湯量豊富な源泉掛け流しの天然温泉。
露天風呂「紀州潮聞之湯」で、打ち寄せる波の音を聞きながら至福の時を過ごす。
日の出前後、彩が移りゆく海を眺めながらの露天風呂は最高だ。

紀の松島に浮かぶホテル中の島から、連絡ボートで観光桟橋に渡る。
紀伊半島を巡る紀勢本線の旅2日目は、紀伊勝浦08:24発、新宮行きでスタートだ。

 

2つ目の那智駅で下車、路線バスに20分揺られると熊野那智大社に至る。
紀元前662年、神日本磐余彦命(神武天皇)一行は丹敷浦(那智の浜)に上陸した。
光り輝く山を見つけ、その山を目指し進んで行ったところ、那智の滝を探りあてる。
その滝を大己貴命の御神体としてお祀りしたと伝わる。

1000年の時が流れて、仁徳天皇5年(371年)、山の中腹にあらためて社殿を設けた。
ここに熊野の神々・御瀧の神様を遷したのが熊野那智大社の始まりとされる。

 那智山青岸渡寺は、西国三十三ヶ所第一番札所として、多くの信者や参詣者が訪れる。
如意輪観世音を祀る本堂は、天正18年(1590年)に豊臣秀吉が再建した桃山時代の建築。
那智の滝を背景とした美しい朱色の三重の塔がそびえ立つ様が美しい。

      

落差133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さ10m、落差と水量日本一。
名瀑・那智の御瀧は、熊野那智大社の別宮、飛瀧神社の御神体として祀られている。

 

 新宮から先は非電化区間、JR東海の管轄になる。
乗り継ぐ2両編成のディーゼルカーには、オレンジのラインが引かれている。
新宮から多気までの140km、3時間20分を要するこの区間は乗りごたえがある。

 

新宮には熊野地方唯一の蔵元・尾崎酒造がある。蔵を訪ねたかったけど時間が許さない。
売店で純米酒 "くまの那智の滝" と本醸造 "太平洋" を買い込む。でも3時間はもたないな。

 

新宮からロングランしてきた2両編成は多気が終点。
ここで鳥羽からやってきた亀山行きに乗り換える。紀勢本線の旅の最終ランナーだ。
2つ目の松阪、僅かな停車時間で「駅弁のあら竹」の "モー太郎弁当" を求める。
納得の松坂牛すきやき弁当は1,350円なのだ。

"モー太郎" を楽しみながら小1時間、2両編成の気動車は亀山に終着する。
5番線の外側に0kmポストが在る。380kmを逆走してきた紀勢本線の旅はここで終わる。
南方・紀土・羅生門・紀州美人・太平洋・くまの那智の滝、地酒を堪能した南紀の旅だ。

紀勢本線 和歌山市~亀山 384.2km 完乗 

 

星の砂 / 小柳ルミ子 1977



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