旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

遥かなる大地より 富良野へ走った夏

2017-02-08 | 日記・エッセイ・コラム

 にいがた単身赴任時代のとある夏、思い立ってCB750を連れてフェリーに乗った。新潟港からは新日本海フェリーが小樽へと走っている。およそ18時間の船旅だ。そう、つい思い立って乗船してしまったのだ。

早朝の小樽港から冷たい雨の中走った最初の目的地は富良野。ラベンダーはすでに終わって向日葵が盛りの頃だ。富良野岳や十勝岳を望む麓郷の森は、富良野市内とは云え、中心街から18キロも山合いに入り込む。

 BSフジで「北の国から」を再放送している。正確に云うと全24話が終わり、年明けから毎週土曜日にスペシャルドラマを放映している。先週からは「’92巣立ち」、麓郷に五郎を残して、純は東京で、蛍は旭川で暮らしている。

ドラマが放映された80年代は、「バブル」へと向かう右肩上がりの経済成長、好景気に世の中が浮かれていた。そんな時期に、真反対に華やいだ都会から地方に移り住み、自給自足の生活をはじめた「家族」のドラマになぜか引き込まれていった。

戦後、家父長的な大家族が衰退して核家族化が進んだ。ドラマの時代には、その最小単位の「核家族」でさえ、家庭内暴力とか家庭内離婚とかで危うくなってきた頃。その潜在的な危機感がヒットの背景だったのかも知れない。

 でもあの夏は「家族」の元に帰らずに、そう、つい思い立ってフェリーに乗船してしまった。今となっては苦笑するしかない。そんなことを考えながら「遥かなる大地より」を鼻歌で歌っているこの頃だ。


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