旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

広瀬川上流に宮城峡蒸留所を訪ねる 仙山線を完乗!

2017-06-28 | 呑み鉄放浪記

 杜の都・仙台から広瀬川を遡って作並までやってきた。
でも今回は湯には浸からない。ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所を訪ねるのだ。
呑み鉄旅だからね。土日祝日はJR作並駅から無料シャトルバスが運行している。

旅は仙台駅7・8番線から、プラットホームの端に0キロポストが仙山線の起点を示す。
仙台郊外の宅地化が進んで、愛子(あやし)まではかなりの本数が往復している。

 

09:04発の快速山形行きは満員。軽やかに滑り出す6両編成は暫し東北本線と並走した後、
一旦右手に膨らんでから大きく左にカーブして東北本線をオーバーパスして行く。

 

作並までは40分の乗車、ホームでは「こけし」が降り立つ乗客を出迎えてくれる。

 ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所は、朝ドラでお馴染になった創業者・竹鶴政孝が
ウイスキーづくりの集大成として建設、複数の蒸留所(もちろん一方は余市)で生まれた
個性の異なる原酒をブレンドし、より芳醇なウイスキーづくりをめざしたそうだ。

 

蒸留所見学は、女性ガイドがウイスキーの製造工程やニッカウヰスキーの歴史について
紹介しくれる。豊かな緑を背景に、蒸溜棟やキルン塔、赤煉瓦の貯蔵庫が美しい。

 

見学の最後はゲストホールでの試飲タイムとなる。"竹鶴" はもちろん安定の旨さだけど、
発見はリンゴのワインにブランデーを加えた "アップルワイン"。ロックで飲むと美味い。

 仙山線の快速列車が作並を出発すると幾つかのトンネルを抜け県境へと上って行く。
ピークは標高440m。県境の面白山トンネルは全長5,400m、開業当時は清水トンネル、
丹那トンネルに次ぐ長さだったそうだ。

 

面白山トンネルを抜けると山形盆地に向けて下り勾配、作並からは20分で山寺に着く。

『岩に巌を重ねて山とし、松柏年旧、土石老いて苔滑に、岩上の院々扉を閉て、
物の音きこえず。』と奥の細道。"閑さや 岩にしみ入る 蝉の声" と芭蕉は詠んだ。

 

天台宗の古刹・立石寺、1,070段の階段、往復1時間超、気温30度、で今回は登らない。
でも冷えたビールと門前の蕎麦はいただく。
美登屋(みとや)の小母ちゃんからは「お参りお疲れさまでしたねぇ」と声が掛かる。
「いや、飲むだけです」とは云えず、苦笑いするのみだ。 

 山寺から10分、羽前千歳で仙山線の旅は終わる。ホームで6両編成を見送る。
合流する奥羽本線は山形新幹線を走らせるために仙山線とは軌間(ゲージ)が違う。
2つの線が交わることはない。

仙山線 仙台~羽前千歳 58.0km 完乗

熱帯魚 / 岩崎宏美 1977



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