旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

貴婦人と阿賀野川を往く 磐越西線を完乗!

2018-04-19 | 呑み鉄放浪記

 C57-180号機は戦後生まれ。1969年に廃車となるまで雪国で急行列車を牽いて走った。
大きな動輪と細いボイラー、その優美なその姿は "貴婦人" の愛称で親しまれる。 

この朝の新津駅は時ならぬ雪模様、白く染まった構内に貴婦人の「黒」が際立つ。 

 

沿線の銘酒、津川の "麒麟山" は、新潟らしい淡麗辛口の酒だ 。
列車がガクンと動き出すのを待ちわびて、大吟醸のスクリューキャップを切る。
ニシン煮付、鮭ハラス焼、いくら醤油漬け、新潟の旨いものが酒の肴なのだ。 

碧の水面を見せる阿賀野川の向こう側が麒麟山、この酒のふるさとだ。 

機関車の点検をする津川では15分の長めの停車になる。で、貴婦人をじっくり眺める。 

貴婦人に従う客車は、マルーンに塗られたレトロ調大正ロマンの客車7両。
でも、大正ロマンっておかしな話ですよね。貴婦人自身が戦後生まれなのだから。 

蕎麦で有名な山都を過ぎると「SLばんえつ物語号」の有名な撮影スポット一ノ戸川橋梁。
長さ445m、1910年の開業時から使われている堂々たる鉄橋を汽笛を響かせて渡る。 
車窓には貴婦人の流れる黒煙に霙が白いドットを付けていく。 

貴婦人と7両の従者が会津盆地へと下りる頃には、南から西へと青空が覗いてきた。 

13:35、ほとんど駅員総出とも思える出迎えの中、貴婦人は車止めの2番線に終着する。
そう、どこまでも "しなやか" にね。 

僅かに覗いた晴れ間に桜咲く鶴ヶ城を訪ねてみた。
日本で唯一、美しい赤瓦の天守閣を背景に約1,000本のソメイヨシノが映える。
桜を愛でたら、2両編成の電車に乗り換えて、磐越西線をラストスパート。
郡山まではあと70分の旅だ。

磐越西線 新津~郡山 175.6km 完乗 

世良公則&ツイスト / 宿無し 1978



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
質問です (ZUYA)
2018-04-16 21:03:50
いつも楽しく拝見しております

ちなみに日本酒の空瓶はやはりコレクションされているのですか?

かなりの数になると思いますが
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Re:質問です (呑み人)
2018-04-16 22:06:00
ZUYAさん
ご関心いただき有難うございます。
愉しく呑むばかりで、コレクションはしません。
土産に720mlを買って帰ると、小さなセラーに
入れっぱなしってこともあります。
だらしないですよね。
これ、コレクションって言いませんね。(笑)
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